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保科
2025-08-11 09:23:01
2287文字
Public
まほ箱系(オールキャラ)
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言質取りましたので後は宜しくお願いします
フォロワーのところで頑張る冠位ひびちかちゃんにエールを
お題:グランドアルターエゴ阿曇磯良
「んー
……
」
トン、トン。
食道の隅。書類を広げ、頬杖をついたマスターが、悩ましげに唇をとがらせつつ。机を指先で叩き続けてかれこれ数分が経過していた。
人気の少ない時間という事もあってか、誰にも声をかけられない姿は珍しかった
――
が。
「店長さん!こちら、サービスになりまーす!」
「
……
んぇ?」
不意に聞こえたそんな呼び声に、手を止めたマスターが顔を上げると。正面、従業員の格好をしたショートヘアの女の子が、ニコニコ笑顔で立っていた。差し出されたカップからは珈琲の香りがする。マスターは反射的に両手で受け取って、その器の温かさに我に返る。壁にかかった時計の長針は半回転を終えていて、どうやら考え事に没頭していたようだった。
「あー
……
ありがとう、日比乃さん。
もしかして気、使わせた?」
「いえいえ、そんなことないですよ!
食堂のバイトの時間だから、配膳もお仕事の一環ですもん。じゃんじゃんサービスされちゃって下さいねっ」
「そっかあ。じゃあ遠慮なく貰うね?」
「どうぞどうぞ!
店員さんは、やっぱりお仕事中ですか?」
「はい
……
その通りですねぇ
……
」
ひびきの伺う眼差しに、深々と頷きつつ。珈琲を一口飲んで、マスターはその苦さに顔をしかめた。
「
……
今日中にダ・ヴィンチちゃんに報告しなきゃいけないことがあるんだけどね、中々、こう、決め手にかけるというか
……
。うーん
……
どうしようかなあ
……
」
「わああ、大変そうだぁ
……
。
あ、そうだ!店長さん、お砂糖要ります
……
よね?
わたし、すっかり忘れちゃってました」
「うん
……
欲しいですねぇ
……
」
「わー!少々お待ち下さい!」
再度深々頷くマスターに、ひびきが慌てて厨房へ引き返そうとして
――
ひょっこり、隣からツインテールが顔を出す。
「だろうと思った。砂糖とミルク、ひびきこれ向こうに置いてったろ
……
折角ブーディカさんが用意してくれてたのに」
「すごい!ありがとチカちゃん!」
「あ、桂木さん。ナイスタイミング」
ひびきの隣から、テーブルに砂糖とミルクの瓶を置きつつ。千鍵はマスターの言葉にはいはい、と気のない相槌を返した。
この二人が食堂でバイトする姿も、すっかり見慣れたものになっていると評判である
――
マスターは感慨深くなりながら、ここぞとばかりに砂糖を入れる。その様子を、体壊しそうだなあとため息混じりに眺めつつ、千鍵が口を開く。
「まー
……
その
……
なんだ?
その、あんまり眉間に皺寄せても良いこと無い
……
と思うぞ、店長」
「おお
……
ご忠告痛み入ります
……
」
「なんか仰々しいなおい」
「確かに、チカちゃんが言うと説得力があるかも
……
?」
「おいコラひびき、どういう意味だそれ」
くすり、と笑ったひびきが、じろりと睨まれて肩を竦める。スプーンで砂糖を入れたコーヒーを混ぜながら、マスターはそんな2人のやりとりを眺めて。手元の書類に、暫し視線を落とした。
「
――
日比乃さんと桂木さんは、さ」
「はい?」
「ん?」
「
……
その」
名前を呼ばれた2人がこちらを見る。
意を決して視線を上げ。躊躇うような、僅かな間を空けて。
「ちょっと、大変なんだけど、手伝って欲しいことがあるって言ったら、ね。どう、かな
……
」
おずおずと、そんな、どうにも漠然としたマスターの言葉を聞いて、ひびきと千鍵は、顔を見合わせる。と
――
「はーい!勿論、何でも手伝いますよ!」
「
……
ま、そういうことで」
直ぐに。ぱ、と明るく手を挙げたひびきの隣で、千鍵がしたり顔で頷いた。あまりの即決に、マスターは目を瞬かせる。
「い
……
いいの?待った、そもそも私何の説明もしてないんだけど
……
」
「当然ですよ!
店長さんのお力になれるなら、野を越え山越え
……
はりきっちゃいます!ね、チカちゃん!」
「いや、私はそんな走るつもりはないけどな?」
鼻息荒く同意を求めるひびきに、つれなく断りを入れた千鍵が、その顔をふ、と崩す。
「
……
ま、でも。ここで起きてるコトって私らは説明されても半分も分かんないし
――
少なくともそれは、店長が、私らに頼みたいことなんだろ?」
「それは
……
そう、なんだけど」
「なら、それで十分だろ。あんまりうだうだ言われても困るって」
な、と千鍵がひびきに笑いかけて。
「そうそう!
――
わたしたちは、店長さんのお友達で、何より、サーヴァントですから。磯良さん共々、頑張りますよ!」
「
……
まあ、磯良のヤツはタダ働きーって文句言いそうだけどな?」
「もうチカちゃん、そんなこと言わないの!磯良さんもやってくれるよう」
いつかの竜宮城でもそうだったように。二人の気負いのない言葉の数々を聞いて。マスターは、ハッとした様子で目を瞬かせる。
「そっか。そっかあ
……
そうだよね。
ありがと、二人とも。
じゃあ、遠慮なく頼らせてもらうね!」
などと。
ほんの数日前、そんな風にマスターを励ましたことを、千鍵は逃避のように呆然と思い出しつつ。
それじゃ!と、数秒前、逃げるようにマスターから渡されたペラいプリントの文字を眺めていた。隣、キャッキャと喜ぶひびきの声はどこか遠い。
「わあ
……
!えっと、わたし達がぐらんど?だって!
グランドアルターエゴ!すごそうな響きだよチカちゃん!
……
チカちゃん?」
……
、
………
何が"ちょっと大変"だ。
「
………
おいコラ、ただの女子高生に何任せてんだ店長ーーーー!?!?」
いやいや!手伝う言ったのは桂木さん達ですもんね!ねっ!というマスターの声が、管制室から聞こえたとか聞こえないとか。
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