sousakuyamamusume
2025-07-25 23:27:19
900文字
Public ラッセルさんの夢小説
 

Amputee

シバさんの腕を切断しないといけなくなったときのラッセルさん

 我に、どうしろというんだ。
 否、我はただ、認めたくないだけだ。どうすればいいのかはわかっている。本人もそれを望んでいる。
「できれば、肘は、のこしてほしい」
 毒による激痛と朦朧とする意識で、シバ氏が我に言い残した台詞だ。
 それを実行するべきだ、しなければならない、我が、我がやらなければ他に誰ができるというのだ。
……いやだ。」
 ぽつりと、言葉が零れた。
「我は、おぬしを傷付けたくない。」
 治療のために必要だとわかっている。それの証拠に、既に準備は済ませてしまった。
「ああ、おぬしに我の声がきこえていなくてよかった。今の我を見られていなくて、良かった。」
 優しいおぬしはきっと、今の我を見たら傷つく。
 それこそ、そのまま死ぬことを是としてしまいかねないほどに。
「おぬしのご両親に、なんて言えば良いんだろう。」
 一つ工程を済ませる毎に、返事のない問いばかりが増えていく。
 皮膚を切り、肉を切り、血管を結ぶ。
 骨を切り、血を止めて、皮膚で覆う。
 たった、それだけだ。
 いままでの、どんなときよりもずっと、胸が痛くなった。
 ……この痛みの正体は、いつになればわかるのだろうか。