sousakuyamamusume
2025-07-20 12:46:31
614文字
Public 一次創作
 

天使

『天使の耳』と子どもの再会


 人間がいる。
 こんなところに侵入してくるとは、敵か?
 俺に危害を加えるだけならまだいい。
 『天使の目』に危害を加えるなら、辺り一帯を更地にしなければ。
「パパ!」
「誰だ?」
「忘れたの!?自分の、娘の顔を……!」
 娘。
 娘?
「薄情だねぇ。あんたがまだ人間だった頃、アタシに自慢してたろ?『俺の天使だ』ってさ。」
「あなたが、あなたが、パパを」
 ああ
 危害を加えるなら、殺さないと
「やめときな、お嬢ちゃん。死にたくないだろ?」
……パパを、かえして……
 人間が泣いている。
 『天使の目』は優しいから、相手をしている。
「ごめんよ、お嬢ちゃん。あんたのパパは死んだ。ここにいるのは、パパに似てるだけの別物だ。……そう、思った方が良い。」
……せめて、名前、よんでほしかったな。」
 人間が呟いた。
「名前も何も、人間は人間だろ。」
「ちょっとややこしくなるから黙ってな。」
 『天使の目』に言われたので、黙る。
 俺の全ては、彼女のために。