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万丈
2025-07-03 19:02:11
881文字
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小説
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静寂が呼び覚ます影
【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
ミトラを思い出すインドラ様の話。
インドラ様も候補生から神将になって数年間は仲間と平和に過ごしてたはず。
コメント欄に後書きアリ。
インドラを想うミトラの話→
宛名の無い手紙
アカラナータが戦場に赴いてから、天空殿には絶対的な静寂が戻っていた。
破壊を求める獰猛な声も、無遠慮に空間を揺らす光流の気配も、今はどこにもない。インドラは、その静寂を求めていたはずだった。
自らの思考を妨げるものは何もなく、世界は再び、己の完全な支配下に置かれている。
だが、その完璧な静寂が、不意にインドラの心の奥底に眠っていた扉を、軋ませながらこじ開けた。
玉座から立ち上がり、月光だけが差し込む長い回廊を、インドラは一人歩いていた。コツ、コツ、と己の足音だけが、大理石の床に虚しく響く。あまりに静かすぎる。
その静けさが、彼の記憶を遠い過去へと引き戻した。
(
――
この回廊を、お前と共に歩いたことがあったな)
それは、まだ彼が雷帝として、デーヴァの神将として光の中にいた頃の記憶。次の作戦について議論を交わしながら、この回廊を並んで歩いた。
「お前の策はいつも回りくどい」
「お前の戦い方はいつも脳が筋肉でできている」
そんな、他愛のない軽口を叩き合った日もあった。
あの頃は、隣に誰かがいることが当たり前だった。背中を預けられる存在が、すぐ傍にいるということが。
インドラは、ふと歩みを止めた。
今の自分の隣には、誰もいない。アカラナータがいた時でさえ、それは「隣」ではなかった。ただ、同じ空間に在っただけだ。
インドラは、自らが望んで手に入れたはずの「孤独」の、その途方もない重さを、一万年という時を経て、今更ながらに感じていた。
(もし、今ここにミトラがいたら
……
)
その思考は、自嘲の念と共に浮かび上がる。
(彼は何と言うだろうか)
きっと、眉をひそめ、呆れ果てた顔でこう言うに違いない。『愚か者め』と。あの頃と、寸分違わぬ声で、私を罵るだろう。
(
……
それも、良いかもしれんな)
インドラの唇に、誰にも見せることのない、微かな笑みが浮かんだ。それは、自らの愚かさを嘲る、乾いた笑みだった。
彼は再び、静かに歩き出す。
その背中は、一万年の孤独を一身に背負い、どこまでも重く、そして哀しく見えた。
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