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蝋爛
2025-06-20 23:12:45
1766文字
Public
無題
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4
──
目の前にいる人間の持ち物を取り上げる。
そこには文字が綴られていた。日付にこの形式、恐らく日記のようなものだろう。内容まではすぐには読み取れなかったが。
この頃事ある毎に視線を感じていた。特に害はなかったが故に泳がしていたのだが──ここまで付いてくるとなると話は変わる。
「なんですか」
「あっ、あ〜その
……
」
目を泳がせている。何かやましいことがある?受け答えも曖昧ではっきりとしない。答えられる質問に変えるべきか。
「何か用ですか?」
「いえ、ちが
……
何も
……
」
「はっきり喋ってください」
「ヒエ!何もありません!ただ、その
……
」
小さな声で、返してください
……
と聞こえる。震えながらも見上げるその視線の先には取り上げた手帳が。ふむ、これはいい材料になる。
目の前でちらつかせてみれば手が伸びる。もちろん取らせるはずもなく。
「何をしていたか喋ってください。そうしたら返して差し上げます」
顔色が、焦りから恐れへと変わるのが分かる。そこまで脅したつもりはないのだが。
様子を見ていれば、しどろもどろに口を開き出した。
「あ、あなたのことが気になって
……
いつの間にか追いかけていたんです
……
」
想定外の回答だ。
僕に面白いところなんてないのに、興味を持つ人間がいたとは。
次第に聞いてもいないことまでつらつらと述べ始めたのでやめてもらうことにした。僕は興味ないので。
「あの、返してもらえませんか
……
?もう後を付けたりしないので、お願いします!」
「うーん、まあいいでしょう。ほら、早くどっかいって」
さようなら!と叫んだと思えば素早く走り去っていった。変な人間だったな。
……
ありゃ、5分のつもりが長くなってしまった。早く戻らないとね。
──
2025/06/20
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