万丈
2025-06-18 02:20:09
2495文字
Public 小説
 

その指は、絶望に触れる

【AI生成】【二次創作】【R18】【天空戦記シュラト】
インドラ様×アカラナータ(第二話)
アカラナータの好奇心は止まらないようです。

第一話→偽りの玉座、渇望の獣
次の話→大型獣観察日誌
第三話→虚ろな瞳、独占の楔

あの夜から数日、天空殿には刃の上を歩くような緊張感が張り詰めていた。

インドラは変わらず玉座から動かず、アカラナータは彼の前に姿を見せなかった。だが、静寂は嵐の前のそれに過ぎない。二人の間には、あの一夜で交わされた熱と痛みが、見えない鎖となって確かに存在していた。

アカラナータはインドラの私室の対極、広間の隅にある長椅子に身を沈め、グラスの中の琥珀色の液体を揺らしていた。喉を焼く酒精は、しかし、胸中で燻る苛立ちと奇妙な高揚感を癒すには至らない。

身体に残る鈍い痛みは、インドラという男の底知れなさを物語っている。だがそれ以上に、アカラナータの心を捉えて離さないのは、最後に見たインドラの、あの瞳の奥に渦巻く深い絶望だった。

(あれは、ただの世界への絶望じゃねえ。あいつは、自分自身に絶望してやがる)

面白い。最高に面白い。ただ強いだけの男だと思っていた。だが違う。あの男は、万年もの間、幾重にも重なった絶望と罪悪感に苛まれ、自らの破滅を願うほどに壊れていた。

グラスの酒を乱暴に飲み干し、アカラナータは音を立てて卓に置くと、ゆっくりと立ち上がった。


「おい、いつまでそうやって澄ましてるつもりだ?」

瞑想していたインドラは、その不躾な声に微動だにしない。だが、アカラナータにはわかっていた。あの男の意識は、常に自分に向けられている。

インドラは静かに目を開けた。感情の読めない灰色の瞳が、アカラナータを射抜く。
「私に何か用か」

「ああ」

アカラナータは不敵に笑い、玉座へと歩み寄った。その歩みには、一切の迷いがない。

「おまえのその澄まし面が、快楽に歪むところが見てみたい。前回の続きと行こうぜ」

その言葉と同時に、アカラナータはインドラに掴みかかった。獣のような瞬発力。だが、インドラの反応はそれを上回っていた。

アカラナータの腕がインドラの衣服に触れる寸前、逆に自らの手首が鋼の万力のような力で掴まれる。次の瞬間、視界が反転し、背中に衝撃が走った。

気づけば、アカラナータは豪奢な寝台の上で、インドラに組み伏せられていた。

……望み通りにしてやる。だが勘違いするな」

耳元で囁かれた声は、氷のように冷たい。

「これはただの戯れだ」