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きなこ
2025-05-25 12:35:51
1539文字
Public
帝ボク
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【帝ボク】キスのお題
お題ガチャで出たのを書いてみたよ。
お題↓
居眠りをしている帝を見つけたので、しっかり寝ていることを確認してそっとキスをするボク。ついでに頭も優しく撫でておいた。
#お題ガチャ
https://odaibako.net/gacha/21387
扉を開けた瞬間、ボクオーンは動きを止めた。
昼下がりの穏やかな陽光が差し込む部屋で、光の粒がきらきらと舞っていた。
その光の中で、皇帝が寝ていた。
長い足を手すりにかけた、だらしない姿でソファに寝転がっている。
普段であれば、行儀が悪いと文句を言いながら、引きずり下ろしてやるところだ。
だが、差し込む光は祈りのように彼の姿を慈しんでいる。まるで聖域にでも入り込んでしまったような錯覚を覚え、ボクオーンは部屋に足を踏み入れることを躊躇った。
何度か瞬きをして、深呼吸をする。
改めて見渡してみれば、そこはボクオーンの部屋でしかない。皇帝は不法侵入者である。
――
そもそもの話、ここが彼の城であり、ボクオーンは居候の身なので不法侵入も何もないのだが、それはこの際どうでもいい。
今はまだ政務の時間だ。書類仕事が苦手な彼のこと。おおかた嫌気がさしてボクオーンの所へ逃げてきたのだろう。
あの無作法者を叩き起こして追い出してやろうと、あえて強い気持ちを自身に植え付けた。
わずかに緊張した足取りで、気配を消してソファに近づく。
遠目から見れば、まるで宗教画のような神秘性と荘厳さを醸し出しているというのに、その寝顔はひどく無防備で、あどけなかった。
夜遅くまで書類仕事をしていたのか、目の下にはうっすらとクマがある。
だが、陽の光を浴びた白銀に煌めく髪は滑らかな絹糸のようで、瞳を縁取る銀のまつ毛が目元に影を落としている。とても美しいひと。どきどきと鼓動が高鳴る。しばらくの間、視線は彼に縫い止められた。
その精悍な顔は緩み、わずかに開いた口の端に涎の跡を見つけ、ボクオーンは吹き出しそうになった。
こんなにきらきらしているくせに、涎を垂らすなっ!
寝ているのだから不可抗力であるが、ついつい内心でツッコミを入れずにはいられなかった。
そんな間の抜けたところがとても愛おしくて、胸が温かいもので満たされてくる。
彼を見つめるボクオーンの表情も、優しく緩む。
愛おしさが溢れて、彼に触れたい衝動に駆られた。
触れたら壊れてしまいそうな静寂を破るように、ボクオーンは皇帝の傍に跪いた。唇を寄せようとして、ふと動きを止める。
まさか狸寝入りなどしてないだろうな。
鼻の前に手をかざして、耳を澄ませて呼吸音を確認する。規則正しい一定間隔の息遣いに、寝ているなと判断をして安堵した。
軽く触れるだけの口付けを落とす。
唇を離して、そっと息を吐いた。目を閉じたままの彼をしばらく見つめる。胸がときめいて仕方がない。
機嫌よく顔を綻ばせて、髪を梳くように頭を撫でた。優しく、指先に慈しみを乗せて。
さらさらの髪を十分に堪能し終え、ボクオーンは立ち上がった。
しばらくこのまま寝かせてやるかと踵を返した、その時。ソファから身を起こした皇帝の手が、素早くボクオーンの腕を掴んだ。
しまったと思った時にはすでに遅く。ボクオーンは皇帝の腕の中にすっぽりと収まっていた。
「起きてましたねっ」
「ボクオーンは慎重すぎる。寝たふりがバレるかとヒヤヒヤしっぱなしだった」
言葉の内容は苦情だが、その声は愛おしさに溢れて甘く響く。
ボクオーンの金色の瞳を覗き込んできた、ブルーの瞳が優しく細められた。
吐息が混じるほど間近に顔を寄せられて、ボクオーンは瞳を閉じた。
だが、いつまで待っても唇が重なることはない。
「
……
もっと、して」
掠れた甘い声で請われる。
そんな可愛いおねだりをされて断れるはずがない。胸の中は彼への愛おしさでいっぱいだ。こちらこそ待てができない。
ボクオーンは内心舌打ちをしつつ、観念をして、今度は深く唇を重ねた。
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