ボツネタの小話

シナリオネタバレなし

書きたいとこだけ
自陣聖.杯.戦.争 殺vs狂+?



 深夜2時、公園。オレはベンチに座り、隣で駆動音を鳴らす自動販売機に照らされて俯いていた。左手には冷たい珈琲、右手は甲を上に。刻まれた令呪を睨みながら、バーサーカーの気配を背後にしながら考える。


「(ヴァントくんは、戦争に巻き込まれた被害者やった)」


 回想する。ヴァントの頭が、背後から銃弾に貫かれる光景。駆けつけた頃には遅く、遺言も残せず即死した少年。驚愕に悔しさを混じらせた表情でマスターを抱え、光の粒子となり解けたセイバー。


「(オレは、何もできへんかった)」


 額に開いた穴から赤色と桃色を流す少年、動揺と混乱により彼の傍らで崩れ落ちるオレ。我に返るより先、バーサーカーに気絶させられ場を離脱した。ただ呆然として動けなかったオレは、文字通り何も行動できなかったのだ。

 拠点に帰り、思わず背後の従者に詰め寄ろうとした。けれどこれが八つ当たりであることは理解できたので、歯を食いしばり頭を抱えた。頭痛、目眩、吐き気、目眩に呼吸の異常。心身が憤怒に蝕まれ、叫ぶこともできず蹲る自分。気が付けばこのベンチで眠っていた。おそらく無意識で歩いたのだろう、バーサーカーは何も言わない。


「(何のために、オレは戦っているんやろ)」


 バーサーカーがどんな顔で背にいるのか、オレには全く想像できない。彼の言うことは正論ばかりで、下手な刃物より鋭利だった。戦争に参加している以上、死について文句を言う道理はない。それでもヴァントの死は、オレにとって強い衝撃だった。深く深く刻まれた後悔と、助けられなかった無力感。


『マスター』


 唐突に響く念話に、思考が暗闇から引き上がる。無言で続きを促せば、バーサーカーは霊体化したまま言葉を続けた。何処か固い声色は、彼にしては珍しいとボンヤリ思う。


『西の方角から、近付いてくるサーヴァントの気配がする』

「敵か」

『たぶんな』

「分かった、一旦ここから離れよ。
 ……ここを巻き込みたくない」


 オレはゆっくり立ち上がり、公園を一瞥した。子どもが駆けた多くの靴跡は、この公園が多くの人に愛されていることを語っている。ここを戦場にするなんて、考えただけで吐き気がした。
 大通りに戻るわけにもいかず、ベンチの後ろに回り林を歩く。裏山の方まで行けば、多少暴れても被害は最小限で済むだろう。先を見て回るバーサーカーに続いて、獣道を進む。草木を掻き分け、山の深くへ向う。


 それは本当に、本当に突然の出来事だ。

 パスを通じてバーサーカーの驚愕した気配が伝わるのと同時、一発の銃声が耳に届く。それは自分の背後、それなりに近い場所から鳴ったと理解する。既視感のあるそれは、それはヴァントを殺した音と全く同じ。彼を殺した銃に撃たれた、反射的に脳はそう答えを出した。