Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
保科
2025-05-07 20:31:11
1406文字
Public
ひびちか
Clear cache
大体いつもこの距離
チカちゃんは最近ザッピングしてる最中にメロドラマを見て「こんな距離感でいちゃつく奴らの気がしれないなー」と思ったりしたかもしれませんね
お題
人の絵
「お風呂上がったよー!」
「おー
……
」
今日はチカちゃん家でお泊まり。ウキウキで報告しながら、チカちゃんの部屋のドアを開けて
――
淡白な返事に、ちょっとつんのめる。
部屋の奥の方。ベッドの側面を背もたれにしながら、三角座りのチカちゃんが、携帯を見つめながらポチポチと文字を打っていた。おろした髪とパジャマという格好含め、リラックスしているからかもしれないけれど。気の抜けた返事をしつつも、ずーっと視線は携帯に向けたままで、こっちを見てもくれない。
むう。
「
……
チカちゃーんっ」
大きめの声で再度名前を呼べば、ようやくチカちゃんがこちらに目を向けた。眠たい時のチカちゃんの視線が、ちょっと不機嫌そうに見えるのはいつものことだけど。その視線にちょっとドキッとする。
「なんだよ、何か用か」
「う
……
うん!そう!えっと
――
」咄嗟に頷いたけれど、何で呼んだか、なんて特に考えてなかった。でも、何でもない、って言うのは難しい呼び方をしてしまって、ごまかし方も分からない。
わたしは頭をぐるぐるとゼンリョクで回転させて、ふと、まだ湿ったままの髪に触れた。「!えっと
……
髪
……
を、か、乾かしてほしいな〜
……
って
……
えへへ
……
?」絞り出した言葉は、自分でも思ってみないこと。座るチカちゃんの横に転がってるドライヤーが目に入ったからかも。肩から下げるタオルを掴みながら笑えば、途端、チカちゃんが怪訝そうな顔をする。それは、そう。だってこんなおねだり、したことがない。
「
……
はあ?なんで私がお前の髪なんか」
「
……
えと、だめ、かなあ?」
ダメで元々。それでも、おそるおそると確認すれば、言葉に詰まったチカちゃんの視線が、わたしから逸らされて、落ち着きなくうろうろする。深い溜息。ぶっきらぼうに手が振られる。「別に
……
あーもう、分かったよ、やりゃいいんだろ」
「!」やった!
「なら、さっさとそこにでも座って、」
「はーい!」
「うおあ!?ち、違う違う違う違う!」
くるっと反転、座るチカちゃんの足の間に背中から飛び込んだら、すごい否定の声。顔は見えないけど、何だか想像がついた。
「ふえ?」
「おかしいだろ、距離ッ!」
「距離」
単語を繰り返しながら、今の状況を確認。後ろ、チカちゃん。前、わたし。
うーん?首をひねる。
確かに、
座っているチカちゃんに後ろから抱きしめられてるみたいな体勢になっているけれど
、こうじゃないと髪は乾かしてもらえないし
――
それに。
「いつもチカちゃんに抱きつくとこれくらいじゃない?」
「じゃあお前の距離感がバグってるんだってば!あのな、こんなの
――
」
真後ろから上がっていた声が、何故か不自然に止まる。なんだろう。首をギリギリまで回して確認しようとすれば、途端伸びてきた両手でぐっと挟まれる。ガッチリ固定されちゃった。
「ち、チカちゃん、後ろ向けない
……
」
「向かんでいい」
「ええっ!?」
「髪拭いてやればいいんだろ!?なら大人しくしてろ!」
「は、はいっ」
「
……
あーもう、なんだってこんな
……
」
ぶつくさ、チカちゃんは文句を言いながら、転がるドライヤーをケーブルで手繰り寄せる。スイッチを入れる。
「
――――
」
ごおお、と風が吹き出す音に紛れて、チカちゃんがなにか口にしたけれど、聞き取れない。
「チカちゃーん、何か言った!?」
「
――
ひびきのアホって言った!」
「ひ、ひどいよう!」
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内