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2025-04-30 02:40:41
9509文字
Public movie100
 

054:すべてをあなたに

映画タイトル100題からおかりしました。
Δコユ拳。ケンが結構死にかけます。女子攻めwebオンリーにて展示しました。かきたいところだけ。




「具合はどうだ」
「もう特に異常はねえや。検査入院だしよ」
「引き継ぎに来た。この案件は俺が締めておくからアンタは退院次第帰ってくれ」
「悪ぃな半田帰ったらすぐ、」
「ギルドマスターが『迷惑料に三日間謹慎』だと」
「あ!? ふざけんな何でだよあのヒゲ……
「ケン、こうでもしないと休まないだろう。報告書はどこだ?」
「お、おま……鬼かよ……
 
「そういえば、コユキは来てるか?」
「あ?」
「コユキだ。飛び出して行って、アンタを病院に運んだは良いんだが……
「すげー聞きたくねえ〜」
「ギルドに直接、森の中で男女が凍りつけになってるって通報があった。『偶然』その場に居合わせたらしい杭打ちがそれを見つけて、溶かしながらVRCへ移送したら、ケンに嘘の依頼をした上で薬を盛って昏倒させ、小屋に運び込んで一酸化炭素中毒死させようとしたのは自分たちだと泣きながら自供した」
「聞きたくないってばァ」
「動機は女が昔お前に『弟が大学卒業するまでそういうのは無理』と袖にされたこと、そのくせ最近SNSで見るお前の横に女の影があるのに腹を立てたことだそうだ。男の吸血鬼は女の仕事先の同僚で、能力は『手にしたものを無味無臭に変える』こと。コレで薬を誤魔化されたんだろうな。ケンが簡単に盛られるとは思えない」
「ほらやっぱり聞きたくなかった〜」
「杭打ちに人命救助及び犯人捕縛と移送の協力金を要求された。吸血鬼対策課の本部長が頭抱えてるところだ」
「聞きたくねえしめちゃくちゃしやがるなあのオヤジ……

「ところでコレは見舞いだ」
「なにコレ」
「こっちのポットはセロリ茶。こっちはりんご剥いたやつ」
「お前最近単にセロリ好きなやつだよな。あんがと」
「それからこっちの紙袋はトオルくんから預かった着替え一式だ」
「サンキュ」
「そういえばコユキには会ったか」
「んー、会った会った」
「怒らせたろう」
「それなり」
「今どこにいる? 杭打ちが帰ってきてないって血眼で探してるらしい」
「ここ。胸ンとこ」
「え」

……寝てら」
「不潔だ」
「俺は無実だ! 何もしてねえ!」
……その、別に口外するつもりはないんだが。アンタのためにも早く返したほうが」
「そうしたいんだがなあ……疲れてんだろ。適当に帰らせる。それまで諸々、頼むぜ」
……努力はする。引き継ぎ事項は」
「あぁ、まあ依頼人と吸血鬼そのものはいいとして……人の手が入ってねえ森だったから下等吸血鬼が沸くのも時間の問題って感じしたな。念のため南から忌避剤を──」


「──承知した。アンタは養生してくれ。ミカエラさんも透くんもひどく憔悴してる」
「すぐ治して帰るさ、スマホねえし伝えといてくれ。あとバイク回収頼んだ」
「わかった。もう若くないんだ、己を過信するなよ」
「お前はもーちょい歯に衣着せような?」





「まったく……可愛くなくなったなアイツ」



……起きてんだろ」
〝ぢゅ〟
「わからいでか。顔に出てんだよ」
〝チューン〟

「俺はまた少し寝る。お前は居るなり帰るなり……ま、好きにしろよ」