観世九皐会別会
国立能楽堂
2025年4月27日(日) 13:00開演
連吟「弱法師」
観世喜正・光岡良典・久保田宏二・高橋康子
坂井隆夫・柴田孝宏・平野真樹・深津紘
能「草子洗小町」
小野小町:長山耕三
紀貫之:桑田貴志
壬生忠岑:石井寛人
河内躬恒:金子仁智翔
官女:筒井陽子・長山芽生
帝:長山三誉(子方)
大伴黒主:舘田善博
黒主の家来:若松隆
笛:松田弘之
小鼓:幸正昭
大鼓:安福光雄
狂言「縄綯」
太郎冠者:山本東次郎
主:山本則孝
何某:山本則秀
仕舞「卒都婆小町」
観世喜之
能「正尊」起請文・翔入
土佐坊正尊:小島英明
源義経:観世和歌
静御前:小島史織(子方)
江田源三:佐久間二郎
熊井太郎:坂真太郎
姉和光景:中森健之介
正尊の郎等:新井麻衣子・奥川恒成・石井寛人
金子仁智翔・桑田潤之介
武蔵坊弁慶:宝生常三
下女:山本凜太郎
笛:栗林祐輔
小鼓:大倉源次郎
大鼓:亀井広忠
太鼓:梶谷英樹
*・*・*
推し様が地方公演で居ない週末。
なら、気になっていた公演に行こう!ということでコチラへ。
演者さん達が馴染みのある面々かつ豪華だったのでね🤭フフッ
能『草子洗小町』
和歌の優劣を競う「歌合」が催され、天皇の御前には小野小町や紀貫之ら和歌の名手が集う。そんな中、小町の歌合の相手である大伴黒主は事前に小町の歌を立ち聞きし万葉集に入れ筆して、小町が古歌を盗用したように偽装した。窮地に立たされた小町は潔白を示すため、万葉集を水にさらして洗う。平安貴族たちが舞台を彩る華やかな曲。(公演チラシより)
初見。実在の人物が出てきますが、出来事は全てフィクションなのだそう。だけど、ライバルに濡れ衣を着せられても、万葉集の筆の濃淡に気付いて不正を暴くなど、小野小町の聡明さや、相手を許す懐の深さなど、主人公のカリスマ性の描き方が、まさにフィクションだからこそ描けるドラマと言った感じで、とても楽しめました。
そのカリスマ性ある小野小町を長山耕三師が、凛とした佇まいとイケボで表現されてるのがとても印象的でした。途中、自分の推理を証明するため万葉集を洗いたいと申し出るも難色を示され泣く泣く帰ろうとするのですが、橋掛かりで佇むその表情(能面)が、ホントに悲しげに見えて凄く人間味を感じた場面でした。
その後、帝からの許可が降り万葉集を洗ってみせるのですが、脇正面からの鑑賞だったので、その様子をとてもいいアングルで観ることが出来、その所作の美しさも印象的でした(益々、脇正面が好きになりました・笑)。
そして、悪事を暴かれた大伴黒主は自害しようとするのですが、小野小町と帝は、同じ和歌の友として相手を許します。狂言でよく見る罪を憎んで人を憎まず精神がここにも
…!私だったら絶対に許さないけどな!(てか信用ならんでしょ😂w)
でも気持ちのいい終わり方だな、と思いました。
終わり良ければ全て良し?的な?🙄
たまに『綺麗事』を嫌う人居るけどさ、『汚いもの』と『キレイなもの』だったらキレイなものが良いに決まってるし、全然アリっちゃアリなのよね。てか、綺麗事を実践して積み重ねて行くことで、今回の小野小町みたいな心を手に入れられるんだろうな、と。
最後に小野小町が舞う、喜びの舞もとても素敵でした。てか、舞う姿を観ながら思ったのですが、能面も装束も、美術品として展示されてる物を観るより、プロの能楽師が身に着けて一体となって血を通わせてるものを観るのが好きだな、と感じました。私が能に惹かれるのも、こういった部分なのかもしれません。
一方、大伴黒主を演じたワキの舘田さん。とても好きなワキ方さんの一人なんですが、今回は小野小町に万葉集を差し出す場面で「これでお前も終わりだ😏」みたいな、悪ーい顔をされてたんですよね😂。狂言方以外は、あまり表情で演技する事はありませんから、ちょっと意外と思うと同時に、似合い過ぎてて更に好きになっちゃいました🤣💕
悪役もイケるんですね🤭
今後の活躍にも期待👍✨
狂言『縄綯』
太郎冠者は主人の博奕のカタに相手の何某へ引き渡されることに。納得できない冠者は何某の命令に従わず、主人の元へ返される。それが策略と知らず喜んで帰宅した冠者は主人の命令で縄を綯い始めるが、何某への愚痴が止まらなくなり・・・。(公演チラシより)
和泉流では何度か拝見しておりますが、大蔵流では初見。とは言っても大筋は一緒です。ただ、東次郎先生が演るとどうなるのかな、という意味ではとても楽しみでしたし、実際に観て、東次郎先生の太郎冠者の可愛らしさと不貞腐れる姿には楽しませてもらいました😂
てか、語りが上手すぎてな、愚痴る場面では、その様子がリアルに伝わってくるんですわ🤣
以前、和泉流で観た時は、解説で太郎冠者の悪口は盛りに盛ってると聞いたんですけど、この太郎冠者
…いや、東次郎冠者はね、ガチだね、ガチでやっちゃってるね(爆)🤣
もう手振り身振り添えて愚痴るのに夢中になってる姿は、まさに立体落語と言った感じ(てか、縄綯うの疎かになってるのも面白い。仕事してないじゃん🤣)
この語りのうまさは流石でした。あと、誰よりも機敏で摺り足も早かったのも流石でした。相変わらずお元気でほっこり
…というか、逆に元気を貰った感じがします😂
やっぱ良いなァ、東次郎先生好きだわー🤭💕
能『正尊』起請文・翔入
鎌倉より土佐坊正尊が上洛したと聞きつけた義経一行。源頼朝の命令で義経を闇討ちに来たに違いないと問い詰めるが、正尊は神に誓ってそんなことはないと起請文を読み上げる。義経はその見事な書きぶりに感心し、酒宴を開いて静御前に舞を舞わせる。やがて各々の宿に帰り、敵を待ち受ける義経一行の元に、正尊が郎等を引き連れて討ち入る。(公演チラシより)
過去にも何度か観てる演目です。というか、最近よく観ている気がするし、何なら今後も観る予定がある😅(流行ってるのかな?)
観世流では「起請文」の小書きが無いと、起請文を読み上げる場面が入らないのですが、最近では小書きありが常の型になりつつあるようです。確かに今まで観てきた「正尊」も全部小書き入りでした。
長い起請文を読み上げるシーンは、シテの小島英明師からその緊張感が伝わってくるようでした。そこへ、背中を押すような力強い広忠さんの大鼓と、シテの詞に肉付けするような絶妙な音色で盛り上げる源次郎先生の小鼓が合わさって、場面が進むにつれ緊張感はどんどん高まっていき、なんだかとても贅沢なものを観た(聴いた)気分でした。
もう一つの小書き「翔入」。これがあると戦いの場面も追加されます。チラシで見た時は書いていなかったのですが、当日、蓋を開けてみたら書いてあったので✌️やはりね、正尊はコレがないとね😁
ただ、戦いが橋掛かりと本舞台の二手に分かれて展開するので、脇正面前方で観ていた私は首が忙しかったです😂(笑)
今回は、お笛が最近お気に入りの栗林さんだったのも良かったです。風情を感じさせつつ、勇ましさもある音色は、これから一戦が始まる予感だったり、いざ始まった時の緊張感だったりを表現しており、今回の演目に上手くハマっていたなと思いました。
あと子方の史織ちゃんの舞が、とってもキレイで驚きました。姿勢がキレイで軸がブレてない。凄く体幹が良いのだろうな、と思います。将来有望ですな😊
*・*・*
今回は2本とも多人数もので見応えがありましたが、片や、ライバルを陥れようとして失敗したけど許された話で華やかさがあり、もう片方は、ピンチを切り抜けて闇討ちしようとしたら返り討ちにあった話で緊張感があり、その対比も面白く、良い番組だったなと思います。
全く眠くならなかったし、上演時間約4時間があっという間に感じました😊
とても満足度の高い、お能の会でした🥰
観世九皐会 十月定例会【第二部】 感想⬇️
https://privatter.me/page/670c782fc37a2
過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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