現パロアイドルビマのぬいぐるみがプライズで発売と聞いた社会人ヨダナ。どうしても欲しくて、でも誰にも言えなくて、勇気を出して入ったこともないゲーセンに足を踏み入れてほしい。(いいとこ育ち)
まったく場にそぐわない高級なスーツ着て顔を隠すためのサングラスをかけて、周りにジロジロ見られたりしてるのに緊張してるから気づかなくて、慣れない場所で一生懸命ビマぬい探してたら可愛い。
見つけてプレイしても当然全然取れなくて、サングラスで隠してる目もへにょ…とした時、「俺が取ってやろうか?」て突然声かけられて、びっくりして横向いたら真隣に大男がいて紫の長い髪を1つに括ってて被ったキャップを少しずらしたら目が見えて、その顔その姿間違いなくヨの好きなアイドルビマで。
「ビ……!」と大声出しそうなところを(シーッ)とビマにジェスチャーされて、むぐっと口を閉じるヨ。びっくりしてドキドキが止まらない中、ビマが「ずっと狙ってただろ、俺のぬいぐるみ」て言って、放心状態のヨから台を借りて、一発ゲット。
「ほら」と渡されてヨは恐る恐る受け取る。商品紹介で見てた可愛らしくも格好いいビマのぬいが自分の手のひらにあって、思わずふにゃりと笑みがこぼれる。「喜んでくれたならよかったぜ」その声にハッと上を向くと、ビマがキラキラ笑顔でニッと笑ってて、見惚れるヨ。
「じゃあな!大切にしてくれよ!」そう言って走り去っていく後ろ姿も格好よくて、ぽーっとしてたんだけど、後ろから別の客が来たので慌てて避けてゲーセンから出る。
今起こったことは夢じゃないのか、いや、ぬいぐるみがある…ビマと話した…わし様のために取ってくれた…ビマが…と、歩きながらぐるぐる考えてお家に着いてから、お礼を言ってないことに気づくヨ。わし様としたことが〜ッ!と頭を抱える。
そうして「お礼を言うために」(建前)もう一度会えないかヨが頑張るところから始まるビマヨダ〜♡
この(いずれ)ビマヨダ(になる運命)のビマは、自分のぬい見に行ったら偶然ゲーセンで頑張る同い年くらいの男を見つけて、どうも自分のを取ろうとしてるから興味津々で見守ってたんだよね。
それで、全然やりなれてないのがわかるくらい下手なのに、それでも頑張って頑張って頑張って、店員さんにアシスト頼むのも知らないまま続けてる姿になんだか胸がギュッとして、とうとうしょんぼりした背中を見て、つい声をかけちゃったっていう。
ファンにプライベートで話しかけられるの得意じゃないのに、なぜか自ら声をかけちゃったから、そんな自分に??となりつつ、ビマぬいを手にした時の名前も知らない男のふにゃりとした笑顔を思い出してなんだかドキドキしてる。
俺のファンなのか?いつから?本当に俺のぬいぐるみを大切にしてくれてるのか?聞いてみてえな…とまた同じゲーセンに行ってみたりして再会するといいな😊
一方その頃、ヨは「大切にしてくれよ」の言葉を守ってビマぬい用祭壇を作ってるし、🐼柄のポチ袋(アイドルビマグッズ)(使い所なく取っておいたもの)にクレーンゲーム代の100円を入れて持ち歩いている。ビマに会えた時にお礼と一緒に渡すのだ!
あのゲーセンに仕事帰りに通うこと1週間。同じ曜日同じ時間同じ場所でビマとの再会を果たしたビマヨダ(になる運命)のヨ、会えた時は「先日は、あの、ありがとうございました…」と普段のヨを知る人から驚かれるほど殊勝な態度でポチ袋を差し出しつつビマに深々とお辞儀する。
「あの時の!また会えて嬉しいぜ!」とかキラキラ笑顔のビマに言われて、またヨはぽーっとなっちゃうんだけど、いやいや、今日はちゃんと話すのだ!と頑張る。「ずっとファンで…」「ぬいぐるみは…とっておきの場所(※ド派手祭壇)に飾って…大切に…」とか一生懸命ビマの喉元あたり見ながら話して、
途中に勇気を出して目を合わせたらビマが嬉しそうに聞いてくれてて、その眩さにうっかり話したかったこと飛んじゃったりしたら可愛い。いつものわし様はもっとクレバーなのに!と思ってるヨ。ビマの前では形無し。
ビマに、グッズも持ってくれてたんだな、男のファンと話せて嬉しい、同い年?偶然だな、どこかでゆっくり話さないか?とか誘われて(はわわ…!)となりながら、この機会を逃すわけにはいかん!と、ヨはうんと大きく頷く。それを見てさらにビマは笑顔になるんだろうね。
そうしてなんやかんや何度か会った頃、ヨはいつもしおらしくしてたのに(※ビマが格好よくて見惚れてた)、ビマが異次元の量のメシを食べてるのを見て「おまえの胃袋はどうなっとるんだ!?」とつい大声をあげてしまう。
「おまえのパーフェクトボディがだるだるブクブクになってはかなわん!」
「加減しろ!」
「わし様の惚れ込んだアイドルだという自覚を持て!」
「栄養指導してくれる者はおらんのか!?」
とか指突きつけていつもの調子でベラベラ話しちゃって、目を丸くしたビマを見て(しまった…!!)となるヨ。後の祭り…もうオシマイだ…。ビマと会って話した数回の楽しい記憶が走馬灯のように浮かび、ヨの突きつけてた手が力なく落ちていく……のをガシッとビマが掴んだ。びっくりのヨ。ビマの目は真剣。
「本当のおまえはそんな風に喋るのか?」
「いや、これは」
「誤魔化すな」
「うっ、うう…っ」
「俺、こっちの方が好きだぜ」
「……は?」
「これからそうやって話してくれよ、その方が嬉しい」
「え、あ…」
「いいだろ?」
「い、え、う」
「な?」
ビマからの押しは強いし、言われてる内容もとんでもないし、大混乱でヨもついに「う……うむ……よかろう……」と頷く。するとビマが「ハハッ!こっちの方がやっぱりもっと可愛いな!」なんて言うから大変!「!?……!?!?」真っ赤な顔で口をぱくぱくさせて何もいえないヨと、晴れやかに眩しく大きく口を開けて笑うビマ。ビマヨダへ向けて順調に進展中♡
ゲーセンで出会ったビマヨダ(になる運命)のアイドルのビマは、デビュー当時からの自分のファンだと言って熱心に見つめてくるヨの眼差しも、自分の話を聞いてくれるヨのキラキラした瞳も、こちらが笑うと薄く染まるヨの頬もとても好ましく思ってた。だから何回も約束して会ってた。
で、いつもは珈琲や紅茶を飲むくらいだったけど、ある日ふと美味い店に連れて行ってやりたいなと思って、よく食事する店に連れて行き、いつもどおりの量を注文して食べ続けた。そうしたらヨがブワーッとまくし立てるように喋ってきたのである。
そこはかとなく偉そうな話し方で、内容は兄が叱ってくるような小言で、普通ならうるせえなと思うかもしれない。でも、くわっと開いた口も、ちょっと尊大な独特な話し方も、小言の割に自分のことを褒めてることも、なんだかとても可愛く感じてしまって、また胸がギュッとなる。
それで、落ち込むヨを見たくないし、もっとヨのことを知りたいし、もっと自分に素の姿をさらしてほしくて、「こっちの方が好きだ」「これからそうやって話してくれ」て素直に心のままにヨに伝えたんだよね。
ビマの場合はもうヨのこと好きになってて、この言葉も無意識のうちの本心なんだけど、そのうちいつか何かのタイミングで「俺はヨが好きなんだ」とはっきり自覚するんだと思う。そして、美味い店に連れて行きたいの気持ちが、俺の手料理を食べて美味いと笑ってほしいの気持ちに変わる。
一方のヨはずっとメロメロでビマに心めちゃくちゃにされている。もうアイドルとして好き、だなんてレベルは素の自分の性格を好きだと言ってくれたあたりで越えちゃってて、ビマの事務所は恋愛厳禁だったかどうかとか隠しきれるかとかを気にしてる。アイドルと一般人は釣り合わない…とかは思わないヨ。わし様は才能にあふれてるし、見目もパーフェクトな男なので。
ヨが付き合うための策略を練ってる間に、自覚したビマが「好きだ!」と伝えて、最初の頃みたいに真っ赤になりながらしおらしく「わ、わし様も……」とヨが応えて……ビマヨダになります♡よかった〜!
おしまい!
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