【能楽鑑賞】#197 東西狂言の会

狂言「梟山伏」「月見座頭」「武悪」

東西狂言の会

三鷹市公会堂 光のホール
2025年 4月12日(土) 14:00開演

解説 高野和憲

狂言「梟山伏」
山伏:深田博治
 兄:岡聡史
 弟:内藤連
後見:飯田豪

狂言「月見座頭」
  座頭:茂山七五三
上京の男:茂山千五郎
  後見:鈴木実

狂言「武悪」
   主:野村万作
  武悪:野村萬斎
太郎冠者:野村裕基
  後見:高野和憲


*・*・*


毎年恒例の東西狂言の会。今年はどうしようかと思っていたら、演目が野村家親子三代による「武悪」だったので、そこに釣られて行ってきました(笑)

この親子三代シリーズの中でも「武悪」は特にお気に入りでして、一昨年のござる乃座以来でしょうか。当時も二日間とも観に行ったのを今でも覚えております⬇️



それをまた観れる機会が訪れるとは、ありがたや〜🙏✨


*・*・*


まずは、高野さんの解説から。
この日も高野節が絶好調でした🤣

配布された解説のプリントには、もう来年の開催予定が書かれていたので、「帰ったら、そこ切り取ってカレンダーに貼っておいてくださいね」とか、「その前に、ウチの師匠が川上の映画を作りまして、夏に公開しますから、それも書いておいてくださいね」とか、新情報もありました。

しかし、武悪の解説をする前に、時計を見て「あ、時間になっちゃった😅」といいつつ、「でも解説しないといけないので、しますね」とそのまま続けてくれました🤭



狂言「梟山伏」(和泉流)

山から戻って以来、様子がおかしい弟を心配した兄は、山伏に祈祷を頼みにいく。山伏が弟の様子を見て祈り始めると、弟はうつろな目つきで鳴き声をあげる。聞けば弟は山で梟の巣にイタズラをしたことが分かる。梟が取り憑いたものであろうと、山伏は懸命に祈るのだが、症状はますますひどくなるばかり。そしてついには


もう何度も観てますので、詳細は割愛しますが、たかのん解説の「笑って良いんですよ」効果もあってか、この日も大ウケでした🤣

今日は、内藤さんから岡さんに明確に感染🦉してて、そこから深田山伏を追い詰めていくのが楽しかったです(笑)何処か頼りなさげだけど、本人は真面目に祈祷してるので、深田さんならではの味が出ておりました。

深田山伏もラストは自我は残ってそうな気がしたなー。
まさに世にも奇妙な物語(笑)

てか、アレって本当に治す術無いの?🦉
凄い感染力なんだけど😅💦オソロシヤー



狂言「月見座頭」(大蔵流)

仲秋の名月の夜。座頭が河原で虫の音に聞き惚れていると、洛中から月見にきたという若い男が声をかける。歌の詠み合いで意気投合した二人は、謡いつ舞いつささやかな酒宴を楽しむ。和やかなうちに別れの挨拶をかわし、座頭は気分良く帰途に着くが、突然


随分前に観た記憶があって調べたら、
その時の上京の男役が七五三さんでした⬇️
https://chaosnokanoke.xxxx.jp/archives/26574

ということで、和泉流ではまだ観たこと無いです。

七五三さんの座頭は、流石人間国宝。虫の音で名月の夜を楽しむ風景がこちらまで伝わってきましたし、千五郎さんの豪快さも、どこか気前の良い男に見えて、前半は本当に気が合う男同士が風流を楽しむ酒宴に感じました。

しかし、男は帰り際に気が変わり、座頭に容赦ない意地悪をします。時代背景を考えると、割と昭和頃までは障害者差別がありましたから、この男も心の何処かで相手を見下して居たのでしょう。相手が盲目でなかったら、そのまま満足して帰宅していた筈です。

今の価値観で観たら酷い結末ですが、ふと、笑いとは真逆の展開の狂言が何故存在しているのだろう?と思った時に、観る者に自分と異なる存在への在り方について問われてる気がして色々と考えさせられました😌

というのも、前日にYouTubeのオススメで流れてきた、見た目に関わる難病の人のドキュメンタリーを観たから、余計に考えさせられたというのもありますが。

異なる、と言っても身体障害者の場合、一部ハンデがあるだけで他の部分、特に心は自分と同じ人間で、何も変わらないんですよね。だから、この演目を観た時に、どちらに賛同(同情)するかで、観る者の人間性が浮き彫りになる気がします。

他の演目でも、人間の失敗談や、事件になる一歩手前の部分を描いていたりしますので、ただ、笑って終わりだけじゃないところが、狂言の良いところなのかな、と思います。



狂言「武悪」(和泉流)

武悪の不奉公に怒り心頭の主人は、太郎冠者に武悪を討ち取ってくるよう命ずる。太郎冠者はやむなく、腕の立つ武悪をだまし討ちにしようとするが、最期に臨み覚悟を決める様子にどうしても討つことができない。太郎冠者は武悪に逃げることを勧め、主人には武悪が神妙に討たれたと偽りの報告をする。主人はせめて跡を弔ってやろうと東山に向かうが、ちょうどそこへ命拾いのお礼参りに来た武悪が鉢合わせてしまい


改めて鑑賞して感じたのは、歌舞伎用語でその役者らしさを表す“ニン”という言葉がありますが、その万作さん、萬斎さん、裕基くんの“ニン”と配役がピッタリ過ぎて、これぞ最高傑作だと改めて思いました。

これを超える狂言「武悪」は有るのだろうか?

そう思うくらい仕事休んで観に行った甲斐がありました😊


一昨年、初役で演じた裕基くんの太郎冠者は、更に馴染んできて、とても真面目で心熱き太郎冠者でした。

武悪をそのまま後ろから斬っちゃえば良いのに(コラ!w)そうしないのは、やはり彼の中で斬れないという答えが無意識にあったのかもしれません。




一方、謎多き武悪ですが、やはり萬斎さんが演じると最強です!

🦊顔で飄々としてたかと思えば、
斬られそうになって真剣モードになり、
助かるとまたチャーミングに戻る。

そしてラストは何とも胡散臭い幽霊👻(笑)となるのですが、これだけコロコロと表情を変えて、かつそれが全て似合ってしまうのだから、まさにハマり役。

てか、一度にこれだけ、狂言師・野村萬斎の魅力が存分に堪能できる演目もなかなか無いんじゃないだろうか。今後も萬斎さんの武悪が観れる機会があったら喜んで行くと思います(笑)

でも怯える主人役(笑)の方も一度観てみたいと思っていたので、今度の狂言ざゞん座も楽しみです(武悪役は、たかのんなのだが、萬斎さんのイメージが強烈過ぎて、ちょっと想像できない😂)


そして、万作さんはこの日もお元気で、強面で武悪を斬れと言った時と、武悪を斬ったと報告を受けた時の目の輝き方、そして武悪の幽霊(嘘w)と出会って怯える姿、全てのギャップが可愛くて、かつ面白可笑しくて😂

こうやって見ると、主人もなかなかチャーミングな役柄だな、と思うと同時に、これはコレで万作さんに似合う役だなと再確認しました。


ということで、前回も言いましたが、三代共演による「武悪」は名作です。今しか出来ない演目なので、また近い内に観れると良いなぁと思います。



2023年 東西狂言の会の感想⬇️
https://chaosnokanoke.xxxx.jp/archives/26735

2024年 東西狂言の会の感想⬇️
https://privatter.me/page/6612436dcded9

過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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