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せいたろ(sitr)
2025-03-30 11:04:23
1397文字
Public
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普通のこと
花のかたち(
https://privatter.me/page/67d45806c293f
)のそばで起きていたこと
伊仙 仙伊 の同軸 仙←←←綾
単話では読めないです
綾にかかわる濡れ場なし
転載・改変禁止
ただ、好ましいと間違いなく思っていただけ。
ただ、その清潔さに感心していただけ。
ただ、その盃に満ちたものが
四年置く間に腐ってしまうなんて思わなかっただけ。
眠れなくって夜中に歩き回ったのが始まりだった。
穴でも掘るか、と忍たま長屋の外れの方を歩いていて、遠目に六年い組の部屋で引き戸が全開に開いているのに気がついた。夜半にどうして、という思いと、単純に興味が湧いた。
立花先輩が寝起きしている部屋。
抜足で、様子を覗く。遠く、気取られない様に。同室は潮江先輩で、そもそも優秀な者が集まるのが恒例のい組だから気を張った。
もう陽が落ちてしばらく経つ時間なのに、将棋をさしているようだった。
潮江先輩と盤を挟んで向こうにいる人物の、髪が短い。
じっと俯いているその人は食満先輩のようだった。
こんな夜半に、勝負好きだな、相変わらず。
そして部屋の奥まで目を凝らしても、もう1人いるはずの姿がない。
まあ別の部屋で話したり呑んだりしているのだろうか、そう思ってぼうっと見ていたが、この二人、ちっとも将棋を進めない。
何か話すわけでなく、じっと盤面を見て、時折小声で何かを話している。
何を話しているか、わかるだろうか。
じっと耳を澄ます。
『ごめんなさい』
『悪い子』
『気持ちいい』
『はしたない』
舌っ足らずに甘えた様な涙声で謝る声。
掠れているけれど、これは善法寺先輩の声だ。い部屋の2つ隣、は部屋から聞こえてくる。謝っているけれど、息の乱れ方から夜伽のさなかと伺えそうだ。
『悪い子なものか、良い子の伊作。』
ぞぐ、と、心臓が痺れる。
僕がこの声を聞き違うことはない。
『可愛い伊作。優しい伊作。賢い伊作。』
『こんな宿題に付き合って、身体を開いてくれる伊作。』
宿題
……
実習があるとは聞いていた。忍として、色に係る事象は発生する。くのたま達は早期に教えられると聞いている。僕らがうっすら見下されていたのは、性に係ることを学ぶ時期にズレがあってガキ臭く映るから、と。
座学は、もうあった。
精通や妊孕については一年、二年の時から教本があったし、変装術の延長には如何に懐に入っていくかがある。
その先には色仕掛けがあるし、線の細い者は女装、身体の大きい者は虚無僧など坊主とか、色々だ。
学園は僕らが忍という、暗殺を軸にした少年兵として成長するのを粛々と支援する。
だから当たり前。
身体の全てを使う事は、普通のこと。
その学びを同級生と行うのも、普通のこと。
僕の足が、土に根を張ったように動かない。
動いて欲しい。
普通のことでも、僕はこのまま聞きたくない。
学園の実習であっても、聞きたくない。
盃に満たした透明な蜜が、濁って腐ってゆく。
甘くて、清くて、美しくて、透明だった、僕の盃の中身が、腐って冷えて僕の心臓に垂れ落ちる。
『いいこと
……
して。』
しないで。
『勿論。いいぞ。お前にいいことをしてあげる。』
吐息を混ぜた声の出し方で、立花先輩が応える。
少し低く、張りを抑えたその声が、僕の知らない声色で、善法寺先輩を甘やかしてあげている。
僕に微笑みかけた唇で
僕についた泥を払った指で
僕を叱った目で
僕の知らない事をしている。
立花先輩、
二年早く産まれていたら
あなたは、それを僕としてくれたのでしょうか。
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