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保科
2025-03-20 15:39:07
1552文字
Public
ひびちか
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いちゃいちゃしろ
いちゃいちゃした えっこれ付き合ってないの?付き合ってるの?付き合ってないならそれはそれで問題だろ
(誘い受けとヘタレ攻めを私なりに解釈した結果……とも言えるし……そうでないとも言えるね……)
お題
・ひびちか
・あえての両想い設定
「チーカちゃーん」
どさり。
「う
……
いや近いって」
私のツッコミに、ほえ、とひびきが首を傾げた。「そうかな?」
「疑問を挟む余地ないだろ
……
?」
はあ、と息を吐く。ため息というよりは、緊張しきった自分を落ち着ける意図だった。自室の床の上、足を伸ばして座っていた私の太ももの上に、向かい合うようにしてひびきが乗っていた。太もものあたりに重みを感じて非常に居心地が悪く、なおかつひびきの顔がだいぶ近い。私が仰け反るのをやめたら鼻が付く距離だ。いや、本当に近すぎるってちょっとマジで。
「
…………
」
「何
……
?」
「えい」
「どぅお」
暫く間近で見つめられた後、そのままぎゅ、と抱きしめられる。たまらずひっくり返った声が出た。行き場を失った私の両腕が、ぐでんと虚空に伸びる。
「お、お前なあ
……
!?」
ひびきが正面からもたれかかるような体勢になったため、こう、なんとも、彼女の髪とか、弛緩した身体とか、諸々すべてが密着しまくっている。早鐘を打つ心臓の音が聞こえてなければ助かるけれど、この距離じゃあ望み薄だ。
「んー
……
ふふ、チカちゃんのにおい」
「っ
……
」
肩口に置かれた頭がぐりぐりと押し付けられて、囁く声が耳朶を打つ。指の先まで熱くて、ぼうっとして声も出ない。
……
まずい、このままだとのぼせる。サウナでもないのに。散り散りになりかけた意識を、気合で何とかかき集める。
「ひびき、あの、少し離れ
……
」
「
……
嫌?」
「いや、とかでは
……
ないんだが
……
」
嘘でも否定はできなかった。もごもご、煮え切らない返事をする私に反抗するように、不意に強めに抱き寄せられる。
「
―――
」
ひゅ、と、息を吸ったのか吐いたのかも分からん声が喉から出た。軽く心臓が止まりかけた。頼むから話聞いてくれ早々に死ぬぞ私がおい。
「な、なんだよもお
……
いきなりさあ
……
」
「チカちゃん、すっごいどきどきしてる」
「だあっ、わざわざ言わんでいいっての
……
!」
「んふふ」
くつくつ、笑う彼女の喉の震えが、肩越しに伝わってくる。くすぐったさに震えつつ、あのな、と文句の一つも言おうとして
――
ちらり、髪の隙間から辛うじて見えた彼女の首筋が、赤く染まっていることに気がついた。
その意味を考えて。ほんの少し、冷静になる。
「
……
なあ、ひびき」
「んー?」
「もしかして、なんだけど。
今、お前も、結構恥ずかしい?」
思えば、ひびきはスキンシップは多くても、ここまで密着してくるようなことはあまりない、ような気がして。
もし、これが、今日の彼女なりの甘え方だとしたら。
「
…………………
」
珍しい無言。自然、よく聞こえてくる、嫌に速いと思った自分の心臓の音は、近くの音と重なっていた事に気づく。どくどく、どくどく。
「
…………
そんなことないよ?」
「
………
」
あからさまにとぼけたひびきの返答に対して、悪戯心がなかったと言えば嘘になる。
――
目を閉じて、決心に一秒。行き場を失っていた手を彼女の背に回す。それで動きが固まったのを良いことに、片方の手で、彼女の後頭部を私の肩口へ軽く押し当てるようにした。ひう、とひびきが悲鳴みたいな声を上げる。
「え、あ、ち、チカちゃん」
「
……
何」
ふわふわな髪をすくように、頭をゆるく撫でながら返せば。ひびきは、あの、とか、えっと、とか、何か言おうと数度惑った後。
「
……
なんでも、ないです
……
」
「ん」
僅かにかすれた声の後、ぐたりと力が抜けた。小さく息を吐く。これで痛み分けのおあいこだ、と思う。
ううう、と小さく唸りだしたひびきが何を思っているのかは置いておくとして、取り敢えず、こうしていれば私のことは見えないはずだ。今はそれで良しとする。
……
。よしとしたとて、この後、どうしたもんか。
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