Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
保科
2025-03-18 23:41:57
1476文字
Public
ひびちか
Clear cache
花びらはきっと奇数
AATM、普通に面白かった Bすけ先生のひびちかちゃんスマートかわいい プリヤなイリヤもかわいい おい桂木千鍵お前他作品ヒロイン公認なのかお前!?
お題
・花占いの後の話
「塩
……
塩撒かなきゃ
……
」
「チカちゃん、チカちゃん」
どうにかこうにか、トラブルしか持ち込まなかったお客様共を追い払った後。疲労のため適当なテーブルに突っ伏し呻く私をひびきが呼ぶ。くいくい、と控えめに袖が引かれるので、顔を少し動かして返事をした。
「
……
なんだよ、皿なら全部洗ったぞー
……
」
「あ、ありがとう。
……
って、そうじゃなくて」
「
……
?」
「さっき、何を占ってたの?」
「
―――
」
今、一番聞かれたくない問いに口元が引きつる。チクショウ恨むぞあの客ども!
聞かれているのは、買い出しに戻ってきたひびきが目撃した私の奇行だろう。金髪の少年がくれた怪しい手袋と花で花占い
――
などと。まさか、頼んでもいない謎の恋愛指南の果てに、あんな醜態をひびきの前で晒す羽目になるなんて。今日は本当に災難な日だ。
「あー、あのな?ひびき」私は仕方なく体を起こすと。やれやれ、という雰囲気を滲ませながら、ひびきに切々と語りかける。
「あれは、なんか流れでやらされるはめになっただけで。
特に深い意味も何もないというか、むしろ私も被害者で
……
」
「
……
ふーん、そうなんだ」
「あ、ああ
……
」
返事はあるものの、じっ、と無表情にこちらを見つめるまなざしには、何かしらの疑いが含まれているような気がしてならない。
――
緊張に、私の顔が険しくなる。
「
……
なんだよ」
「
――
ううん、ならよかったなって!」
「
………
」
つっけんどんな私の声を気にもせず、ぱ、と、切り替えたようにひびきが笑った。拙い説明でも納得してもらえたことに胸を撫で下ろしつつ。
なんとなく、その言葉に引っかかる。
ならよかった、とひびきは言った。
よかった、ならば。
――
逆に、何なら、彼女にとって都合が悪くなる?
「ひびき」
「ん?」
――
お前、私が何を占ってるって、思ったんだ?
口にしようとして、言葉に詰まる。カウンターに向かっていた足を止め、振り向いたひびきが首を傾げる。
「チカちゃん?」
「
……
いや、何でもない。ごめん」
「?うん」
聞いて何になる。むしろ墓穴を掘るだけだ。触れない方が良いに決まってる。
「
………
」
でも。なんとなく、問いかけるひびきの顔は、ほんの少し、こわばっていたような
――
「
――
よーし、張り切って作るぞ〜!
チカちゃん、今日のまかないどうする〜?パンケーキでいい?」
「
……
おー。生クリーム多めな」
「おっけー!」
カウンターの向こう、袖捲りをしてガッツポーズをする顔には何の陰りもない。
……
ま、気のせいか。
チカちゃんが、欠伸をしながら顔をそらしたのを確認して。わたしは静かに息を吐く。
「
…………
」
ごまかされたなぁ、わたし。
「んー
……
」
ホットケーキミックスの袋を開けながら。チカちゃんは、一体、誰が好きなんだろうって思う。クラスの誰か?年上の先輩?それとも、わたしの知らない人?
だって。花占いなんて、好きな人を占うこと以外、目的ないのに。
「
……………
ふう」
そっか。チカちゃん、好きなひと、いるんだ。
……
そっかあ。
「そっかあ」
声に出しても、胸の奥のぼんやりとしたもやもやは消えないまま。それが無性にざらついて、なんだか、どこか遠くへ行きたいなあ、と思って
――
「あ、ひびき、そうだ!チョコシロップもかけてくれよ!」
――
顔を上げる。向かい、カウンターに手をついて。な、と笑うチカちゃんの顔に、わたしは、うん、と頷く。頷いて、つられるように笑う。笑って、そうして、ああ、きっと離れられないなあって、どうしようもなく、思い知る。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内