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2023-05-06 12:59:31
2610文字
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家族の距離感

pkg、ウテンとうにの日常話。まだダーテングになったばかりの頃のお話。古参組だけど育てたのは割と後の子で、頑張って仲良くなろうとしているトレーナーとの奮闘しているお話。
・.。*・.。*祝50話投稿・.。*・.。*

家族の距離感


 愛したこともないくせに何を言っているんだ。仮面の下で思っいきり眉間のしわを寄せると大きくため息をつく。
「何でおぬしは声をかけてくる」
「もちろん家族だから」
 にこにことだらしない顔で目線を合わせる赤い服の男にまた一つ、これみよがしよにはぁぁぁと息を漏らす。
「遭遇した同族たちと戦闘していたことも、我しが女子なのに気づくと捕獲を躊躇ったことも知っておるぞ」
 捕まえた当初のことをなと目を細める彼女は変わらないその声色で、目の前の相手を突き放す。手に持つ葉でできた扇で口元を隠すとこれ以上話すことはないと態度で示した。だが、そんな彼女の手をバッと掴む彼の動きに思わず苦虫を噛み潰したような顔をする。
「ごめん! そんなつもりはなくて!! 格好良い君たちを育てるのに覚悟が足りなかったんだ……
 目線が同じ筈だったのに相手が少し高くなったと気づいた自分に毒づきながら、だから何だと無言の返事をする。答えを探すように口を何度も開いては閉じていた彼が、グッと一度噛み締めた後、グレーの真っ直ぐな瞳で彼女を捕まえる。
「今は君だから、成長が嬉しくて傍にいて欲しいんだ。それは嘘じゃない」
 じっと見つめ返す目線に逸らすことなく答える彼に一つ瞬きをする。
……それでも、おぬしは近過ぎるぞ」
「ううん、君が少し遠いんだ」
 へらっと口元が緩む彼は嬉しそうにでも寂しそうな声で返事をする。彼女は長い袖をふわりと揺らしながら彼の顔へと手を伸ばす。
「馬鹿たれ」
 バチンと大きな音と共に額には赤い指の痕が残っていた。イッタァ……とその場に踞る彼の上から声をかける。
「距離感はポケモンも人もそれぞれじゃ。我しがおぬしに近くなるのはもう少し待て」
「うっ、コレだと主従関係が逆だよ……
 涙目になりながら上目遣いで見ている目の前の相手に、クイッと顎に手を添えて更に上へと顔を向けさせる。長い白い髪がはらりと顔に落ちていく。
「家族なんだろう? マスター」
「あぅ、そうでず……ウテン……
 そう泣くなと額の痕を少し撫でる。それはそれで痛そうなマスターに思わず口の端を曲げるウテン。そんな急がんでもここまでいるのに何を今更と、口にはせずに手を差し出す彼女は泣き虫の彼を立たせる。少し日差しが強くなったこの場から離れるように二人で歩み出した。少し前のお話。増えていく家族とウテンの夏が始まる。