保科
2025-03-15 00:59:59
1867文字
Public ひびちか
 

なんか距離近いって!

3/9投稿
ひびちかちゃんがいちゃついてるところ見たかったシリーズ 多分チカちゃんの本心はひびきに悪い虫がつきまくっててムカつくだと思います 英霊相手に大分不遜だなこの緑……

お題
・照れるひびき
・デカい声でツッコむチカちゃん
・ひびき「ベタベタします!」

「チカちゃんは何か、わたしに直してほしいところってある?」
カルデアの食堂でのアルバイト、その休憩時間。不意の質問に、千鍵は持ち上げていたコップをテーブルに置いた。隣、妙に真剣なまなざしのひびきを、適当にあしらうのは気が引けたのだ。
……いや、っつったって」
雑談の中で、給仕中にサーヴァントの人達の口喧嘩を目撃した、と言っていた。それゆえの質問のようだけれど。依然向けられる視線に対し、千鍵は、どう答えたものかと逡巡する。
このところ、直してほしい、かはともかく。気になっているところがあるといえば――まあ、あるわけで。
……そーだな……サーヴァントの人達と距離が近すぎる気がするよーには、思……わなくも、ない」
「ええっ、そーかな?」
「誰彼構わずほいほいほいほい、私がどんだけ気まずいと思ってんだ……
英霊偉人が何百人も居る組織、というと威圧感がすごいが、言い換えれば年齢関係なくおよそ一学年分人がいる、ということだ。
コミュ力おばけのひびきときたらまあ早速いろんな人と仲良くなっており――それがなんだって話だけれど、まあ、いかんせん人によってはスキンシップも多いように見えるというか。あまりそういうのは、良くないのではないかとか――そんなことをつい考えてしまうわけで。
……向けられる視線がなんとも気恥ずかしくなってきた。千鍵は咳払いを一つ、仕切り直すと。
「ま、お前はいつものことだし、そんな直すとかってもんでもないだろうけどな」
一先ず、そんな言葉で締めくくる。ある意味、なによりも彼女らしいといえるところだ。
学校からバイトから果てはサーヴァントと、付き合いも長くなってきた千鍵もまた、彼女の人付き合いの距離感には慣れてきた。指摘してたとて――と、嘆息混じりに、あらためてコーヒーに口をつけて。正面、いつの間にか、ひびきが俯いていることに気づく。
……どうかした?」
肩をはねさせたひびきが、若干赤らんだ顔でおずおずと千鍵を見上げる。
「え!えっと。
……つまり、だよ?
チカちゃん、わたしが、他の人と……その」
「あ?」
……仲良くするの、ちょっと嫌だったってこと?」
――思考に空白が生まれる。
……べ、別に、嫌、とかじゃ――
そのせいで言い切ることができず、言葉が途切れる。不自然に、躊躇ったかのように。
まずった、と千鍵が否定を重ねようとして、間に合わない。
………そ、そうなん、だ……。えへへ、チカちゃん、ごめんね?」
照れたように頰を掻くひびきは、明らかに――千鍵が嫉妬している、というような、何か、大変良くない勘違いをしていることがありありとわかる。
「〜〜〜〜っ、待った忘れろ!違う!お前なんか勘違いしてるぞ!」
「え、ええ〜……
でもでも、今の言葉を忘れろ〜は、無理があるような……
「わーすーれーろ!いいから!冗談だって言ってんだろーが!」
「あうあう、でも、でもっ!」
思わず立ち上がりかけた千鍵の目の前、ばっと顔を上げたひびきがそれなら!と声を上げる。
「それならさ、わたしは、チカちゃんとならもっと距離が近くても、いいってことになるよね!?」
―――
数秒かけて、言葉の意味を咀嚼して。
その奇想天外な発想に、わなわな、堪えきれない千鍵の口元が震えだす。
……は、はあああ!?待て、何言い出してんだお前!?」
「だってそう――そうだよ!他の人とがだめなら、チカちゃんにはくっついていいってことにならないとムジュンしてます!」
「そ、んなこと……いやだから!前提が違うって、そーゆー話を私は」
「してます!ので!チカちゃん!」
「な、なんだよ無駄に力強いな!」
「はい!」
畳み掛けるような呼び掛けの後、ひびきが両腕をぱっと広げる。
「はい!?なんで手ェ広げた!?」
「ベタベタします!」
「やめろその絶妙に嫌な表現、ッおおおわあ人前で抱き着くなっつってんだろーッ!?」


どんがら。クー・フーリンは遠くで吹っ飛ぶ椅子の様を眺めながら、「おいマスター」と、向かい、ケーキを頬張る少女を呼ぶ。
「なに?」
「あの二人、いつもあんなんか?」
「ん?あ、日比乃さんと桂木さんのこと?
そうだと思うけど。隙あらばいつもイチャイチャしてるよ」
へぇ、とクー・フーリンが首をひねる。
……ちったあ素直になったんかねえ」
「?
あ、キャットー、ケーキのおかわりある?」
「ない!ニンジンは一日一本、それ故ケーキも一日1三角と決まってるワン!」
「わー、分からないけどケチー」