【能楽鑑賞】#190 第11回 立合狂言会

狂言「附子/鏡男/文山賊/飛越/腰祈/棒縛/二九十八/箕被/土筆/蟹山伏」

第11回 立合狂言会 ~狂言十番の上演~

国立能楽堂
2025年2月23日(日・祝) 13:00開演

世話役(監修・後見)
大藏彌太郎、野村又三郎


(第一部)

お話:大藏彌太郎、野村又三郎

大蔵流 狂言「附子」
山本東次郎家:山本則重、山本則孝、山本則秀

大蔵流 狂言「鏡男」
茂山千五郎家:鈴木実、島田洋海

和泉流 狂言「文山賊」
三宅狂言会:前田晃一、髙澤祐介

和泉流 狂言「飛越」
狂言やるまい会:野村信朗、奥津健一郎

大蔵流 狂言「腰祈」
善竹家:善竹隆司、善竹大二郎、善竹隆平


(第二部)

お話:大藏彌太郎、野村又三郎

和泉流 狂言「棒縛」
万作の会:飯田豪、福田成生、岡聡史

和泉流 狂言「二九十八」
狂言共同社:鹿島俊裕、井上蒼大

大蔵流 狂言「箕被」
大藏彌右衛門家:大藏基誠、大藏教義

大蔵流 狂言「土筆」
茂山忠三郎家:茂山忠三郎、石倉昭二

和泉流 狂言「蟹山伏」
野村万蔵家:野村眞之介、石井康太、野村万之丞

附祝言
笑い留め


*・*・*


昨年に引き続き、今年も行って参りました。

まずは、世話役の彌太郎さんと又三郎さんのお話(解説)から。

今回はお能の五番立に基づいて選曲したとのこと。五番立×2なので「2日分ですよ!」と彌太郎さん😂。又三郎さんは2時間の映画2本分だと思って頂ければ、と例えてました。一曲一曲は短いけど、トータルで観ると、とにかく大ボリューム!

また流派の違いについて説明してくれたのですが、大蔵流が歴史のある流派で、鷺流が幕府に仕えてた流派で、和泉流は江戸時代にセミプロでやってた狂言師たちが集まって明治維新後に確立した流派というお話も聞けたので、とても勉強になりました。だから、歌舞伎に出てくる松羽目物は、大蔵流や鷺流が元になってるのね🤔

和泉流の方が小道具を使ったりして、演出も比較的新しめって又三郎さんが言ってたけど、確かに大蔵流より和泉流の方が小道具を使ってる事が多い気がする🤔

あと、彌太郎さんが「今日、流派によって紋付きの時の扇の差し方が違うと気付いた」という話をされてて、そういえば、お能の流派でもそんな話あったなーと思い出しました🤔

ちなみに大蔵流は袴の紐の部分に差すけど、
和泉流は袴と帯の間に差す。
更に又三郎家だと紋付きと装束でも差し方が変わるらしい。

そういう違いも楽しんで頂ければ、と真面目に話す又三郎さんとは対照的に、「ま、どうでもいい話なんですけどねっ!」と締めてた彌太郎さん、ワロタ😂


*・*・*


狂言のあらすじはコチラになります⬇️(ざっくり過ぎる😂)



【第一部】

狂言「附子」

山本東次郎家(大蔵流)
太郎冠者:山本則重
   主:山本則孝
次郎冠者:山本則秀

大蔵流で「附子」を観るのは初めてでした。個人的に山本家の中では、則重さん、則秀さん御兄弟が特に好きなんですが、今回も動きがキレッキレで、美声がハモってて、兄弟通り越して双子のような太郎冠者と次郎冠者でした😂

扇で仰ぐ型なんか、段々と高速&全力になっていくのがガチすぎて面白かった!🤣

和泉流では砂糖を奪い合って二人で分けて食べるけど、大蔵流では、取り合った後に、なら一緒に食べようと言って、ひとつの桶のまま、向かい合って二人一緒に食べるのね🤗(仲良しw)

あと流派の違いとしては、主は中入りせず、ずっと橋掛かりに居ました。

彌太郎さんは後見をしながら、思わず笑いそうになったそうで、大蔵流は五家あるけど、その中でも附子は山本家が一番面白いでしょうね、と太鼓判押してました!😁



狂言「鏡男」

茂山千五郎家(大蔵流)
男:島田洋海
女:鈴木実

昨年の、よこはま「万作・萬斎の会」で観たやつだ!⬇️
https://privatter.me/page/662fef1518d45

でも男の初めの台詞がこんな長々としてたっけ?🤔と思ったら、後で又三郎さんが解説してくださって思い出したけど、和泉流だと鏡売りの役も出てくるんですよね。

つまり、和泉流だと男が鏡を買うシーンから始まるけど、大蔵流だと鏡を購入した後から話が始まる。だから、男の説明台詞が長いっ!💦ということで、又三郎さんは、男の台詞量を聴いて、これは覚えきれないと思ったそうです😅

鈴木実さんの妻役が、すっごい怖くて最高でした!🤣🤣🤣
内面から沸々と怒りが湧き出てるのが伝わってきましたね!

そこに写ってるのは、自分の姿なのに🥹笑



狂言「文山賊」

三宅狂言会(和泉流)
山賊:前田晃一
山賊:髙澤祐介

先週の式能では大蔵流でしたが、こちらは和泉流。和泉流だと、果たし合いの最中に、後ろが崖だ!と言うと、相手がそれは危ないから、もっとこっちへ!と安全な場所に誘導する理由が「優しさ」のあたりが、もうこの時点で仲良し度が滲み出ていて好き🤣🤣🤣

仲直りする話ということで、彌太郎さんが好きな演目だそうです。「観てる方は、何を見せられてるんだ?って感じでしょうけど」って言ってましたけど、ソレが良いんですよ🤣



狂言「飛越」

狂言やるまい会(和泉流)
新発意:野村信朗
 壇家:奥津健一郎

以前、野村狂言座で観た演目。今回は、小柄な信朗さんと、背丈のある健一郎さんの組合せが画的に良かったです。そりゃ、あなたは軽々と飛び越えられますよね!って感じが出ていて、余裕がある者とない者の差が明確に現れていました🤭

ちなみに世話役の解説によると、和泉流では、両足でピョンと川を飛び越えますが、大蔵流では「やっとな!」と言いながら、一回転する型になるそうです。

又三郎さん的には、健一郎さんの足の長さ的に、もっと大きな川をイメージして飛び越えて欲しかったそうですが(笑)長袴だし難しいよね、と。てか、これを小学校などで演ると、外を歩いてる設定なのに、袴引きずってるとか、草履履いてないとか、子供たちからツッコミが来るそうです😂

でも、そういうところも狂言の良さだよね、とも話されてました😌



狂言「腰祈」

善竹家(大蔵流)
  祖父:善竹隆司
 郷の殿:善竹大二郎
太郎冠者:善竹隆平

これも以前、万作家の親子三代で観ましたが、大蔵流では初めてです。大二郎さんがとても大柄なので、祖父が「こんなに大きな山伏になって」と言ったところで、ちょっと笑いがおきていました😂

祖父の曲がった腰を治そうと山伏が祈祷するわけですが、その時の祖父のクネクネっぷりが、面白過ぎて!🤣

それだけで山伏の祈祷のヤバさが伝わってきました🤣


*・*・*


【第二部】

お話:大藏彌太郎、野村又三郎


休憩を挟んで第二部へ。
「1日目、お疲れ様でした〜」
と言いながら出てきた彌太郎さん🤣

まずは、ここで第一部を振り返り。

実は演者ご本人たちも他家の狂言を観る機会が無いので、楽屋でもモニター越しに観ながら「ウチと違う!」「アレはなにやってるの!?」と盛り上がってるそうです😂

演者にとっても貴重な狂言会なんですね。
今後も末永く続けて欲しいです🤗


振り返りの後は解説へ。

第二部の「二九十八」「箕被」は女性が出てくる演目で、通常は女性が出る演目を立て続けに並べないんだけど、今回は流派の違いもあるから、敢えてこうしたと。

んで第一部の「文山賊」では男同士が仲直りする話なので、第二部では男女が仲直りする「箕被」を持ってきたと。

又三郎さん曰く、選曲する時に彌太郎さんは、御自身が好きな演目を言ってくるらしい。んで、それは若手が演る曲じゃ無いだろう?というと「そんなことない!」と(笑)

彌太郎「みんな、自分はベテランだと思ってますよ!」

又三郎「えぇ!そんなこと無いですよ。(自分を指しながら)まだまだ若いと思ってますよ😆」

まぁ、伝統芸能の世界では、どっちとも取れる、絶妙なお年頃ですよね🤭


*・*・*


狂言「棒縛」

万作の会(和泉流)
太郎冠者:飯田豪
   主:福田成生
次郎冠者:岡聡史

箱推ししてるお家が出てくると、アットホームなものを感じてホッとする(笑)し、他の狂言ファンに万作家の芸を観てもらえるのも嬉しく思う😊

飯田さんの太郎冠者の棒捌きお見事でした!👏✨
お酒を呑もうとして飲めない!って大口になる所は、以前観たマグネットマン(磁石)を思い出しました😂

福田さんの主も様になってたし、岡さんの次郎冠者とのコンビも良かったです😊

あと、お酒を飲んだ時に喉を鳴らす型は、推し様の面影を感じられて良きでした🤭



狂言「二九十八」

狂言共同社(和泉流)
男:鹿島俊裕
乙:井上蒼大

初見の演目でした。妻定め物で、話の流れは「因幡堂」に近く、焦らされるあたりは「伊文字」っぽくもあり、オチは「吹取」などにみられる毎度お馴染みのパターン。男がハッキリ「なんだ、この化物は!?」と言ったのヒドイ😂

女性を演じた井上蒼大さんが、中性的なお声でホントの女性の声に聴こえて、ちょっとビックリ😳✨



狂言「箕被」

大藏彌右衛門家(大蔵流)
男:大藏基誠
妻:大藏教義

大蔵流では初めて。題材的に演り方次第では笑処が難しかったりするのですが、基誠さんは終始“真面目に”寝ても覚めても脳内は連歌のことでいっぱいな夫で可笑しかったし、見所もウケておりました🤣

この演目は演ってることが一緒でも、演者によって夫のイメージに対するニュアンスが変わってくるのが面白いです(万作さんは文化人、萬斎さんは趣味に没頭する駄目夫、基誠さんは連歌に取り憑かれてる夫って感じ😂)。



狂言「土筆」

茂山忠三郎家(大蔵流)
野遊山人甲:茂山忠三郎
野遊山人乙:石倉昭二

初見。「つくづくし」が現行の読み方ですが、山本家では「どひつ」と読むそう。さらに、忠三郎家では代々「つくし」と読んできたので、忠三郎家では今回を機に「つくし」読みに決定します!とパンフに意気込みを書かれていたのですが、それが伝わっていなかったのか「つくづくし」と普通にフリガナが振られていました(彌太郎さんが、これルビ間違ってるんですよ!って😂)

忠三郎さん、久しぶりに観ましたが、やっぱり上手いなァと。歌の詠み間違いを馬鹿にされて、相撲で勝負を挑むのですが、結果は言わずもがな、ですな😂



狂言「蟹山伏」

野村万蔵家(和泉流)
 山伏:野村眞之介
 強力:石井康太
蟹の精:野村万之丞

締めは万蔵家の皆さんで、配役ピッタリ!😆
眞之介さんが真面目に祈る姿と、蟹の精から逃げる姿のギャップが滑稽で面白かったし、何より石井さんの耳を挟まれてる姿が似合い過ぎて🤣、表情から痛そうなのが伝わってきて、流石だなァと思いました🤭

最後は山伏も耳を挟まれてしまうのですが、その時の万之丞さんの手の動きがスマートで、その美しさからは「狙った獲物は逃さない!」感が出ており、お兄ちゃん強い!と思いました🤣🤣🤣



ラストは演者の皆さんで附祝言と笑い留めで終了。笑い留めでのみ写真撮影OKで、宣伝・拡散お願いしますとのことでした😊

ということで、来年も天皇誕生日の2/23の祝日に開催しますので、よしなに〜🙇



昨年の立合狂言会の感想はコチラ⬇️
https://privatter.me/page/65db7425ec5c7

過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
.