【能楽鑑賞】#110 立合狂言会

狂言「三本柱/薩摩守/因幡堂/磁石/禰宜山伏/福の神/入間川/岡太夫/井杭/首引」

立合狂言会
十周年記念~狂言五番立て×2 十番勝負

国立能楽堂
2024年2月25日(日)
午後1時開演

オープニングトーク
世話役:大藏彌太郎、野村又三郎
ゲスト:茂山千三郎、野村万蔵

【第一部】
狂言「三本柱」 狂言やるまい会
狂言「薩摩守」 山本東次郎家
狂言「因幡堂」 三宅狂言会
小舞「放下僧」 大藏彌太郎 野村又三郎
狂言「磁石」  茂山忠三郎家
狂言「禰宜山伏」野村万蔵家

休憩25分

【第二部】
狂言「福の神」 茂山千五郎家
狂言「入間川」 万作の会
狂言「岡太夫」 善竹家
小舞「景清」  大藏彌太郎 野村又三郎
狂言「井杭」  狂言共同社
狂言「首引」  大藏彌右衛門家

附祝言
笑い留め 全員(撮影タイムあり)

*・*・*

普段は和泉流の野村万作家贔屓(時々、大蔵流の山本家)なワタクシですが、大蔵流と和泉流の各お家をいっぺんに観れる貴重な機会ということで、立合狂言会を観に国立能楽堂へ。

十周年とのことですが、今年初めて拝見させて頂きました。

野村狂言座の狂言四番立てを遥かに超える、狂言五番立て+小舞(ノンストップ)×2!という、怒涛のタイムスケジュールでした🤣(先週の式能に引き続き満足感が凄い🤣)

なので、オープニングトークも普段は演目解説をしてるらしいのですが、今回はとにかく時間がない!とのことで、軽い挨拶で終了。休憩時間も女性用トイレは(回転率上げるために)さっさと済ませて戻って来てくださいね!って言ってました🤣

因みにゲストの茂山千三郎さんと野村万蔵さんは、初代世話役であり、5年務めて今の二人にバトンタッチしたとのこと。万蔵さんが狂言を盛り上げるために考案し、千三郎さんにお声がけしたのが始まりだったそうです。

この話を聞いて、万蔵さんは本当に狂言に対して真っ直ぐな人だなァと改めて思いました。横浜狂言堂の企画も「狂言堂」というネーミングが嬉しいと仰ってた方なのでね😌

ところで世話役って何だろ?司会??って思ってたら、全演目の後見を務めることだったんですね😳

各々の流派の演目を担当してたけど、段取りのすり合わせとか考えると、確かにこれは大変だわ、と思いました。
因みに茂山千五郎家の「福の神」だけは、大藏彌右衛門家(彌太郎さん)が地謡を担当してたので、茂山忠三郎さんが後見を務めてました。

*・*・*

狂言「三本柱」和泉流/狂言やるまい会

 果報者:野村信朗
太郎冠者:野口隆行
次郎冠者:奥津健太郎
三郎冠者:奥津健一郎

初見の演目。果報者が太郎冠者たちに「三人で三本の柱を二本ずつ持って来る」ように命じるのだが、どうしたら一人が二本持った状態に出来るのか、アレコレ試行錯誤する三人が微笑ましい。ちょっと数学的に賢い太郎冠者が見れます🤭


狂言「薩摩守」大蔵流/山本東次郎家

出家:山本則孝
茶屋:山本泰太郎
船頭:山本則重

萬斎さんVer.で過去に観たことありますが、大蔵流では初見。やはり和泉流と比べると言い回しはもちろん、型も微妙に違いますね。てか、山本家はあんなに堅物な芸風なのに、船上でバランス崩す所は、出家の動きが微妙に面白可愛くて反則(笑)

山本家は船辨慶のアイも拝見したことがありますが、船の漕ぎ方が、とてもキレイでカッコイイなと、今回改めて観て思いました。

因みにパンフのコメントによると「薩摩守」を演るのは20年振りだそうです。山本家的には遠い曲、なのかな。
あとこの日を改めて振り返ってみて、やはり山本家の芸風が一番クセが強いなと思いました(好き)


狂言「因幡堂」和泉流/三宅狂言会

男:三宅右矩
妻:金田弘明

初見の演目。大酒飲みで家事もろくにしないわわしい妻に一方的に離縁状を送りつけ、新妻を求めて因幡堂にやってきた夫。しかしお告げ通りに出会った新妻の正体が、実は離縁した元の妻であり、そうとは気付かずに元妻の悪妻ぶりを並べ立ててしまう。

ということで、新妻の正体を知った時の夫・右矩さんの表情がサイコーでした😂
もう、この世の終わりみたいな顔だった🤣


狂言「磁石」大蔵流/茂山忠三郎家

素破:山本善之
道通:茂山忠三郎
亭主:石倉昭二

和泉流では何度も観てる演目ですが、大蔵流では初見。和泉流では、亭主との金銭のやりとりは頭上で行いますけど、大蔵流では橋掛かりと本舞台を介して行うんですね。あと磁石の精も和泉流だと刀を飲み込もうとしますが、大蔵流だと首引の親鬼みたいな襲いかかり方してますね。話の大筋は一緒ですが、演出が微妙に違くて新鮮でした。

あと、忠三郎さん。先週の式能でも拝見しましたが、やはり存在感が素晴らしいですね。お声がチャーミングで、狂言師としての華を感じます。


狂言「禰宜山伏」和泉流/野村万蔵家

 山伏:野村拳之介
 禰宜:野村眞之介
 茶屋:野村万之丞
大黒天:野村万蔵(特別出演)

初見の演目。茶屋にやってきた横暴な山伏を、茶屋の主人とその場に居た禰宜が協力して追い出そうとする話。我儘で迷惑なお客、現代にも居ますよねぇ(苦笑)ってことで、ラストはスカッとジャパン的な展開になるんですけれども(笑)拳之介さんのコメントには「最初は観ていて嫌な気持ちになる方もいらっしゃるかも」なんて書かれてましたが、実際の見所ではウケてました🤣

以前、万蔵家のお狂言を観に行った時に、拳之介さんが「八幡前」のシテを務めておりましたが、その時の芸風にチャーミングさが感じられて、彼凄く良いなァと思ったんですよね。だから、今回も彼の持ち前のチャーミングさが、ただの嫌な奴ではなくて、最後に痛い目に遭う狂言のキャラクターとして成立させていたのかなーなんて思いました。

ま、要約すると、三兄弟の中で拳之介さんが私的に推しだということです(笑)

今回は三兄弟+万蔵さんという親子共演が観れたのが嬉しかったです。大黒天姿の万蔵さん、可愛かったー!😆✨


狂言「福の神」大蔵流/茂山千五郎家

福の神:茂山千五郎
参詣人:茂山茂、鈴木実
 地謡:大藏彌右衛門家

昨年のお正月に万作家の親子三代がラジオで演ってたのを聴きましたが、こうやって舞台で観るのはお初。なので和泉流との比較は出来ないんですけど、福の神、結構可愛いかも、と思いました🤭


狂言「入間川」和泉流/万作の会

  大名:内藤連
太郎冠者:飯田豪
入間何某:中村修一

ここまでずっと新鮮な気持ちで観てきたので、見慣れた万作家の芸を観るとアットホームな気持ちになりますね(笑)過去に萬斎さんVer.で観たことある演目ですが、今回は内藤さんがシテなので、そこは新鮮でしたが。

途中、大名が川で溺れて、

あーーーーーーーッ!(クルクルクルクル
‹‹\(´∆`⁠)/››‹‹\( ´)/›› ‹‹\(´∆`⁠)/››

ってなるところ(笑)
内藤さんが演ると何となくソフトで可愛かったです💕

逆さ言葉合戦が、見所でもウケてて良かったです😆


狂言「岡太夫」大蔵流/善竹家

   聟:善竹忠亮
   舅:善竹隆司
太郎冠者:善竹隆平
   妻:善竹大二郎

初見の演目。舅の家で食べた岡太夫=蕨餅が美味しかったので、妻に作って貰おうとするのだが、肝心の料理の名前が出てこなくて思い出すためにアレコレする話。これぞ人間あるあるですな。


狂言「井杭」和泉流/狂言共同社

算置:鹿島俊裕
何某:井上松次郎
井杭:井上蒼大

初見の演目。狂言共同社を観るのも初めてかも。

井杭は、いつも世話になっている檀那のところへ行くと戯れに頭を叩かれるので、清水の観世音にそれが嫌だと祈願すると《透明になれる頭巾》を授かる。早速この頭巾を持って檀那のもとを訪ね目の前で消えてみせると檀那は驚き、偶然通りかかった算置を呼んで居場所を占わせるのだが、、、というお話。

狂言にしては、ファンタジー色が強いお話。井杭のいたずらに振り回される何某と算置が喧嘩を始めると、二人を止めるために井杭は正体を明かして逃げていく。ところは優しいな、と思った。


狂言「首引」大蔵流/大藏彌右衛門家

親鬼:大藏基誠
鎮西:吉田信海
姫鬼:大藏教義
眷属:小梶直人、上田圭輔、高木謙成、
   大藏康誠、大藏章照

萬斎さんの首引は何度も観てますが、大蔵流は映像でしか観たことがなく、生の舞台は初見。これも和泉流と比べると色々と違う部分があり新鮮でした。

てか、和泉流の姫鬼は観客が思わず「可愛い🥹💕」って声を洩らしちゃう程プリティですが、大蔵流の姫鬼は面が、言い方がちょっとアレですけど、分類的にはブ●な方でして🤣あと普通に摺り足なので、ちょっと地味。

逆に眷属たちが甲高い声で「ホイホイ♪」言いながら出てくるので、コチラのほうがウケてました😂

エーイサラサ〜の掛け声も微妙に違うんですね。
エーイサ〜ラ〜って感じだったかな🤔

萬斎さんは、いつも締めは親鬼が姫鬼を慰めながら退場する方を採用してるので、姫鬼そっちのけで鎮西を追いかけていく親鬼と眷属たちの終わり方を観るのは久しぶりでした🤭

てか、私も連れて行って〜(意訳)と言いながら追いかけていく姫鬼、ちょっと面白かった😂

*・*・*

来年の立合狂言会は、2月23日の祝日だそうです
(基本的に天皇誕生日にやると決めてるそうです)

こんな会、なかなか無いから、
来年も予定が空いてたら観に行きたいです😌