彼方の作品倉庫
2025-01-22 20:24:17
1080文字
Public 六い/文仙
 

【六い/小ネタ(会話のみ)】就寝間際、自室での文次と仙様

これを元ネタにしたSSを書きました→寝所彼岸問答

仙「文次郎、あの世を信じるか?」

文「はぁ? どうしたんだ急に」

仙「我々が卒業すると、みんな散り散りになるだろう? ならば再会できる可能性が最も高いのは、死後の世界だと思ってな」

文「縁起でもねぇ」

仙「それで、どうなのだ?」

文「見たこともないモノの存在について、とやかく言えるか。そういうお前は信じてんのか?」

仙「あればいい、とは思っている」

文「そうかよ」

仙「お前との縁が、卒業ごときで切れるとも思えんからな」

文「……

仙「地獄の底でも繋がっていそうだ」

文「なんだ仙蔵、極楽に行く予定はねぇのか?」

仙「我々が極楽に行ける訳ないだろう。せいぜい伊作が救済活動で情状酌量トントンくらいだ」

文「違いない」

仙「……どちらが先に逝くかはわからんが、待っていてくれるか?」

文「俺が先に死ぬ前提じゃねぇか」

仙「私は早々に死ぬつもりはないからな」

文「俺だってねぇよ。お前が三途の河で待ちぼうけくらって、飽き始めた頃に行ってやる」

仙「私がそんな無為な時間を過ごす訳ないだろう。万が一にでも先に往生したら、閻魔相手に文次郎の情状酌量でも交渉して、恩を着せてやるとも」

文「地獄の王に厚かましい対応だな。それでも作法委員会の委員長か」

仙「それは地獄でも現世の作法が通じれば、の話だ」

文「ならば俺も、仙蔵の八面六臂の活躍をこれでもかと閻魔大王に紹介して罪を減刑させてやる。感謝しろ」

仙「感謝も何も、まだ何もしてないだろう」

文「前払いだ。釣りは返さん」

仙「会計委員長とは思えん横暴な発言だな。きり丸辺りが聞いたら血の涙を流すぞ」

文「何とでも言え。地獄に委員会はないからな」

仙「それもそうだ」

文「……どうせ俺達は、まともな死に方をしない。名前も残らず消える存在だ。地獄の記録に残るかどうかも怪しいな」

仙「そうだな。……だが文次郎」

文「あ?」

仙「私は、お前の名前を覚えているぞ。今際の際でも、死出の旅路でも。何度でも思い返してやる」

文「……暇人め」

仙「文次郎は思い返してはくれないのか?」

文「……名前くらい、暇があったらいくらでも思い出してやるよ」





……という、物騒かつ暗く切ない世間話を何気なく始めるけど、結局はどっちもそこそこ長生きして

仙「お互い案外しぶといな」
文「生き延びてこそ、の忍者だろ」
仙「そして年齢が老け顔にとうとう追いついてしまった、と」
文「『様になった』と言え、バカタレ」

と相変わらず軽口を叩き合う六いはいる(確信)