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ひつじのゆめ
2025-01-04 18:40:33
4780文字
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What if……?
我が道を行くアシュと振り回される砂の、付き合ってるアシュ砂です。砂がちょっと女々しい。
後半へ行くにつれて空気が怪しげに……
🔞は無いのでパスつけませんが、♡は飛んでいます。ご注意ください
注意書きは以下の通りです↓
※何でも許せる方向け
※口調が迷子
※捏造注意
1
2
「子を作るなら何人が良い? 」
突然そんな事を言われて、思考が止まらないヤツがいるだろうか。いや、ない。
何とか少しばかり頭を回してから、とりあえず青い額に手を当ててみる。柔らかな肉の身には、サンシャインの持たない穏やかな温みがあった。が、過ぎた熱を持っているということはなさそうである。つまり、だ。
「アシュラ、お前もう寝た方が
……
」
「一つ言っておくが、私は別に疲れて妄言を吐いているわけではないからな」
「そ、そうか
……
。悪かったな」
謝罪してみて気づく。いや、そうではない。疲れ果てての言葉でないとしたら、とんでもない質問をぶつけられたことになる。
「
……
すまん、アシュラ。さっきの質問、もう一回聞いてくれるか? 」
「子を作るなら何人が良い? 」
「聞き間違いじゃなかったか
……
」
迷いのない即答である。正直なところ、聞き間違いであって欲しかった。魔界のプリンスたる男が突然、いや突然でなくても問うて良いことではない。
「あのな、アシュラ。オレは男だぞ」
「知っている」
「それでもって砂だぞ」
「それも分かっている」
「じゃあ何でそんなこと聞いてくるかね
……
」
サンシャインが確認した通りだ。まずもって男は孕まない。かつ仮に女体であっても、己の身体は砂で出来ている。臓器が碌にあるのかすら怪しい身体で、子を作るなど大いに無理がある。
それを分かっていて、何故この男は未だ期待を込めた瞳でこちらを見上げているのか。それが分からなくて、サンシャインは只々困惑していた。
まさかと思うが、本当のところは子が欲しかったのだろうか。
何やかんや押し切られる形で付き合うことになったが、そもそもアシュラマンは非常にモテる男である。当然だ、見目麗しく力もある魔界のプリンスなのだから。
そんな男が何をどうしてかサンシャインに猛アプローチしてきたのだ。告白された時は勿論、口で言うのも憚られるあれそれの際にも散々愛を囁かれてきてはいるが、正直未だに実感がない。
それ故に、ふと思い浮かんだ仮定はサンシャインの心へささやかな影を落とした。
例えこの男が受け止めきれないほどの愛をくれたとしても、子を作ることだけはしてやれない。仮にそれを望まれたとしても、その願いを叶えてやることはできないのだ。
ではもしや、このよく分からない質問は遠回しの別れ話だろうか。
ガラにもなく思考が後ろ向きになり始めた時、不意に強く腕を引かれた。驚く暇もなく、視界いっぱいに端麗な顔が広がる。思わず目を瞑った直後、唇に温かいものが触れた。
「んぐ、ぅ⁈ む、ッ
……
」
キス、をされている。そう気づいた時にはもう遅い。閉じていた唇をこじ開けられ、柔らかな舌が口内へ入り込んでくる。逃がそうとした自分の舌は、いとも簡単に絡め取られてしまった。そうなれば後はもう、窒息しないように息を継ぐことでいっぱいになる。
「ふ、ぅん
……
ん、んッ♡ 」
濃密に触れ合う粘膜が気持ちいい。耳から脳に響き渡るような水音で、頭の中がすっかり満たされてしまう。これはマズい。こんな昼日中にやっていいことでは、ない。ないのに、とても気持ちがいい。
ああ、これではもう
――
うっすらと意識が白みかけてきたところで、口腔を貪る熱が動きを止めた。途端にひやりとした空気が流れ込んでくるのを、短い息継ぎでなんとか循環させる。
今になって気づいたが、自分の身体はすっかり背にしていたクッションの世話になっていた。もちもちと可愛らしい蜘蛛が、見るも無惨に我が巨体の下敷きだ。
それを申し訳なく思いながら、サンシャインは目の前の乱暴者を睨みつけた。息も絶え絶えな自分と違い、青い相貌は笑みすら浮かべる余裕がある。
「こっの
……
! 急に何しやがる! 」
「余計なことを考えているようだったからな、塗り替えてやったまでだ」
「余計なことったって、ッ⁈ 」
湧き上がる文句を吐き出しきる前に、アシュラの双腕がサンシャインの肩を抑えた。これがただの膂力勝負であれば、簡単に押し除けることができただろう。だが、事はそんなに単純ではないのだ。
「ッひ、ぃ」
煌びやかな冠に覆われた頭が沈み込んだと思うと、胸元に生ぬるいものが這わされる。不自由な身で何とか見下ろせば、アシュラの舌がキーパーツを舐っているのが見えてしまった。サンシャインは隠す事なく舌を打つ。
この男ときたら、すっかりサンシャインの弱いところを知り尽くしているのだ。ともすれば、本人以上に。故に、迷いなくそこを責めてくる。今だってそうだ。
元々サンシャインにとって弱点であるキーパーツ。そこにこんな慣れない責め方をされれば、情けない声が漏れるのを止めることすらできなくなる。
「ば、っか
……
やめ、やめろ、ってぇ」
「っは
……
それがやめて欲しい者の顔か?」
「ゔぁ、んなかお、してね、ッえ♡ 」
「カカッ、どうだかなあァ」
――
ああ、何て意地の悪い男だろうか!
そんな事は言われなくても分かっていた。どうせ今の己は、見られてたものじゃない顔をしている。嫌だやめろと口にしておきながら、その実とろけきった顔でこの捕食者を見ているのだ。
それをどうしても受け入れたくなくて無理に身じろいでも、残る四腕によって無に帰される。
逃げられない、逃してくれない。
改めてそのことに気づいてしまって、サンシャインは身を震わせる。しっかりと六つの腕全てを使って身体を押さえつけている男は、それを如実に感じとっているはずだった。
だのに、こちらを見下ろす双眸に気遣いなんてものが浮かぶことは少したりとも無い。
むしろ、逆だ。
「
……
サンシャイン」
「ん、だよ
……
!」
「怯えるお前というのは、何故こう『快い』んだろうなあ」
知るか! と叫ぼうとした口は、また為す術なく塞がれる。舌先で撫でられた上顎から走る痺れは、拒絶し続けたい意志を簡単に奪い去ってしまった。苦しさと快楽のせいで滲み出す視界に、自身の片脚が映る。
いつの間にやら担ぎ上げられていたそれが情けなくて、同時にこのあと待ち受ける我が身への仕打ちを現しているようで。サンシャインは思わず音にならない悲鳴を上げるのだった。
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