和泉 小夜
2018-05-03 17:04:22
1402文字
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薬研と五虎退

さだふどの続きみたいな。五虎退の好きな人について。


『五虎、好きな奴は居るのか?』
『え?何でですか?』
『いや、ちょっと気になってな。もし居るなら、』
『俺と一緒だと、相手に悪いだろうからな』
『いませんよ、僕に好きな人なんて』
『そう言ったら薬研は、ずっと僕に構ってくれますか?』

……あ、分かったかもしれない。
五虎退の好きな人。何で気付かなかったんだろう。

今思えば、五虎退は薬研からのお土産を殊更に嬉しそうに受け取っていた。
どんな些細なものでも、お揃いだと分かるとしあわせそうな表情だった。
薬研に五虎って呼ばれる度、嬉しそうな顔をして。

嗚呼、失恋の理由も分かってしまった。
薬研は五虎退のことなんて、最初から見てないと。五虎退自身が思ってるんだ。
薬研は誰にでも優しいから、と。だから弱い自分にも、変わらず平等に優しいのだと。
五虎退は、そう思い込んでいるんだ。

『五虎に好きな奴が居ても、変わらず構うに決まってるだろう』
『五虎は俺にとって、かわいい可愛い兄弟なんだからな』
『そう、ですか?えへへ、うれしいです……

あぁ、かわいそうに。
薬研がそういう返答をするから、今日も五虎退の恋は実らないんだよ。

薬研が自分の恋を潰すと同時に、想い人の恋心を踏みにじってると気付くのは。
果たして、いつなんだろう。