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おたる
2024-12-15 16:55:54
1855文字
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羂髙異日常譚 書き下ろし分再録(2本)
2024年にPixivで公開した小話集「羂髙異日常譚」を加筆修正し、本の形で頒布するにあたって書き下ろした2編の再録になります。
ピンチャン結成1周年であり、また頒布より半年ほど経過したため公開という判断をいたしました。人生初の同人誌であったため至らぬ点が多かったと思いますが、購入して頂いた方はありがとうございました。
本編Pixiv版→
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21695431
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〈やまのへさま〉
深夜、隣で相方の動く気配がして目が覚める。暗い中で目を凝らすと、のそのそとした動きで布団を出て、身支度を整え始めている髙羽が見えた。
「たかば~?こんな夜中に何してんのさ」
「ああゴメン羂索、起こしちゃったな。ちょっと出かけてこようと思って準備してんだ」
「どこに行くのさ」
「やまのへさまのところに行ってくるんだ」
えへへと心底嬉しそうに笑いながら、髙羽はいそいそと準備を進めている。その目は虚ろで、誰がどう見てもおかしな様子であることが伺えた。
おそらく昨日ピンのロケで行った山で何か引っかけてきたのだろう、ちょっと目を離した途端これだと溜息を一つ。
「やっぱり私がいないと駄目だねぇ、命がいくつあっても足りやしない」
「何か言ったか?」
荷物を纏め終えた髙羽が振り返るが、目線は私ではなくどこか遠くを向いている。音に反応しただけ、というようなその態度に、ほんの少しだけ腹が立った私はその頭に拳骨をひとつ食らわせてやった。
「痛っ
……
、え?なに?何すんの?」
目を見開いた相方は困惑した様子で私を見る。
「おはよう相方。やっぱりおかしくなったモノは一発ぶん殴るのが効くね」
「なんとなーく状況は分かったけどさぁ、ぶん殴るのはナシだろ。昭和じゃねぇんだからさぁ」
「失礼だね、私は平安生まれだよ」
「なお悪いじゃねぇか」
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