木蔦(キヅタ)
2021-12-26 16:51:44
11928文字
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別本丸の同位体と精神が入れ替わってしまったまんばの話【ちょぎくに】



極んばは頭を悩ませていた。

毎日他の本丸の長義がやってくる。出陣で忙しいだろうに合間を縫って。

自本丸の長義も小まめに恋刀に会いに行ってるようだがこんなに頻繁じゃない。(代わりに毎日連絡は取り合ってるようだが)随分マメだ。
他本丸の長義からは言い寄られている。
極んばにそのつもりはない。

布んばと自本丸の長義をくっつけるために入れ替わったのだが、その時に他本丸の長義から告白された。断ったが極んばの居場所を嗅ぎつけて(たぶん自本丸の長義が入れ替わりも含めてバラした)毎日愛を告げてくる。



極んばはあの時のことを思い出す。

バッタリ廊下で会って、彼の様子に(同位体はまた舐められてるな)と思った極んばは喧嘩をふっかけた。そして対抗心バリバリの言葉が返ってくると思いきや

「お前のことが好きだ!!」

正直「はぁ??」となった。

「会えなくなってからお前のことばかり考えていた。そこでようやくお前が好きだと気づいた。お前は、昨日まで会ってた偽物くんとは別なんだろ?」

バレてる。

「いや同じだ、全く一緒、同一人物」
「嘘だ!態度が全然違いすぎる!態度がでかい!」
「山姥切国広なんてこんなもんだろ!?」
「亜種すぎる!」

かなり布んばを忠実に再現したつもりだったが、やはり親しい者から見たら気づいてしまうらしい。本歌だからか?

「どうやったらいつでもお前に会える!?また突然いなくなるのか!?」
………( °-° )」

あんなに喧嘩腰だった長義がこんなにキャラ変するのか?何があった?
自分がいない間に布んばが調教したんだろうか?と考える。

「お前に惚れてるんだ!なんとか言え!」
「あーもーごちゃごちゃうるさい!」
「うるさいってなんだ!人が真剣に告白して!」
「うるさいからうるさいって言ったんだ!」
「お前と一緒にいたいんだ!必死にもなるだろ!俺と付き合っ!」


ウルセー!ダマッテロ!!
( °Д°)=○)`Д)、;'.!!!!!!


_(┐「εx)_ 〜( ε¦) 0


ヽ(・_・ ;)=))))タタタタ


その後一日中長義を避けて、布んばと交代した。

あちらの本丸に行かなければもう会うこともないだろう。布んばには会いたいが、自本丸の長義と恋仲になったようだから、布んばがこちらに来る時に話をすれば良い。

……と思ったのだが、どうやら情報漏洩したらしく長義に見つかった。

「まだ返事を聞いてない」
それが不法侵入の第一声だった。
全部バレてると腹を括った極んばは面倒臭いと思った後、一言吐き捨てた。

………お断りだ。さあ返事はしたから出てけ。他所の本丸に勝手に入ってきて良いと思うな」
「生憎ちゃんと許可を得てここにいる。俺は諦めないからな、お前がうんと言うまで通い続ける!」
「そんな日は来ないからもう来るな時間の無駄だ」
「別に恋刀も、想いびともいないんだろ!?」
「アーいる、いるいる。かわいい恋刀が。だから諦めろ」
「適当なこと言うな!いないことは確認済みなんだよ!お前のとこの同位体に!」
「チッ余計なことを」

そして毎日長義が通う事になった。

自本丸の長義は他本丸の長義を歓迎しており仲良し。手引きしているらしい。協力してやったのに裏切り者が。
「通うなんて大変だろう。同位体同士を交換しないか?」とまで言い出したので夜道を襲いたい。
交換は彼にとって恋刀の側にいられるチャンスなので同位体をその気にさせたいらしいが、その後話は立ち消えになった。きっと審神者が却下したに違いない。ホッとした。

それでも毎日顔を合わす。ここまで来るのも面倒だろうに。
「あいつらみたいに端末連絡で良くないか?」
「お前絶対返事しないでしょ」
「しないな」
「ほら直接会った方が確実じゃない」

そんなある日布んばがやってくる。
「同位体、元気にしてたか?」
ずっと自本丸の長義が妻問いしてて、こちらに来なかったので、なかなか会う機会がなかった。
「うちの本歌が迷惑かけているようですまない。何かあれば力になるから
きゅっと手を握られる。
長義に促され、布んばは本丸に帰っていく。

夜、久々に夢で布んばと会う。
「俺に何の用だ」
「いや、あの場だと本歌がいるから話しづらいかと
「気遣い無用だ」
昼間、ぎゅっと手を握ってきたのは夢で会うためだったらしい。
「うちの本歌とは、その、どうなんだ?」
「どうって?」
「毎日通ってるから、その、迷惑とか……あんたはその……本歌とは折り合いが悪いだろ?」
布んばはわかってくれているらしい。少なくとも自本丸の長義と違い、好いてないことはわかってくれているようだ。
「迷惑だからもう来るなって言っておけ」
「ははは……だよな

どうやら布んばが伝えてくれたらしく、次の日長義は来なかった。清々する。

次の日も来なかった。強く押して言い聞かせてくれたんだな。
その次の日も来なかった。布んばが言うと聞き分けが良いのか。あんなに邪険にしてもやめなかったのに。
さらに次の日も来なかった。言われて止める程度だったんだな。
そして次の日も来なかった。そろそろ痺れを切らすかもしれないと思った自分が馬鹿だった。
また次の日も来なかった。別の刀に夢中になってるのかもな。
そして今日も来なかった。やっぱり愛想を尽かしたのか。

なんで自分が気にしてやらねばならないのか、ムカムカしてきた。こんなに不快にさせて一言文句を言ってやりたい。言わなきゃ気が済まない。
そうだガツンと言ってやろう。いきなりプツリと途絶えたら誰でも気になる。何の前触れもなし、連絡もなしで、こちらの気持ちの配慮すらしてない。
乗り込もう。決して会いたいわけではない。

そして夕方単身布んばの本丸へ。

この本丸に来るのは久々。極んばの体では初めて。キョロキョロと辺りを見回す。しかし挙動不審にならずとも堂々と入れば良いと気づく。後ろめたいと思ってるから挙動不審になる。

布んばに見つかる。ちょうどいい、長義の所まで連れてってもらおうと思ったら、「本丸内がバタバタしてるから対応できない。日を改めてほしい」と追い出される。仕方なく会えずに帰る。

しかしちゃっかり布んばに触れていた極んばは夢で再び会う。そして布んばの隙をつき、交代する。
「ちょ、同位体!」
「文句を言ったらすぐ返す」
「ま
静止を聞かず、現実世界へ。

起きるとまだ外は暗い。夜中らしい。
本人は寝てるかもしれないが叩き起こせば良い。極んばは勝手知ったる他人の本丸、長義の部屋へ。

部屋を訪ねるがもぬけの殻。もしや遊郭でも通ってるのか。まんばに飽きたならあり得る。
出直すか、と踵を返すと南泉とバッタリ。
「ん??写しの方の山姥切??なんでここに?」
「来ちゃ悪いか?」
「悪かねーけど手入れ部屋の方じゃねーの?」
「手入れ部屋?俺はどこも怪我してないが」
「いやおめーじゃなくて

事情を聞くと1週間前長義は重傷になり手入れ部屋に担ぎ込まれたらしい。最近腑抜けてたこともあって、しばらく療養せよとのこと。手伝い札を使ってもらえなかった。

それで1週間も掛かってるらしい。どんな酷い怪我だ。

極んばは手入れ部屋を訪れる。
長義はすやすや寝てる。怪我ももうないらしい。文句を言いにきたはずだが起こすのも忍びない。
どうしたものかと思っていたら長義が起きた。
「ん?偽物くん……??」
「随分鈍らだな、本歌。1週間も寝込むなんて」
「その容赦ない物言い。向こうの国広かな」
まんばは答えずにじっと見つめる。
「会いに来てくれて嬉しい」
「文句を言いに来ただけだ」
「文句?何の?」
そういえば何のだっけ?と極んばは頭を捻る。
「ムカついたから」
「もしかして会いに行かなかったから寂しくて?」
「うぬぼれるな」
ニヤニヤしてるからカチンと来てぺしっと頭を叩いた。
……っっ!」
悲痛な顔になる物だから、そうだ怪我人だったと気づく。叩いたのはまずかったかもしれない。
「だ、大丈夫か!?」
がしっと腕を掴まれる。ニコニコ笑顔。
騙された!
「タチの悪い冗談が言えるようならもう大丈夫みたいだな??」(・言・)

腕を振り解こうとしたが力が強い。本当に病み上がりか?
「お前は本当にああいえばこういう」
「嫌なら構わなければ良い!」
「お前のそういう所が好きだ」
「頭どうかしている」
「自分もそう思う」
長義が極んばを引き寄せる。

「お前と口喧嘩できないだけで物足りない。だからどうか受け入れてほしい」


ちょぎくにハッピーエンド!
お疲れ様でした!ありがとうございました!
この後極んばが頷いてくっつきます!

身体は布んばなのでチューとかはしませんが!おめでとうおめでとう!