木蔦(キヅタ)
2020-09-21 15:07:50
3672文字
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オメガバ強化週間⑧αを警戒し、βを装ってた極んばがぺろりと頂かれる話【ちょぎくに】


オメガバ強化週間⑧(おかわり!)
ちょぎくに
グラさんからのリクエストです。
※リクエストは普段募集しているわけではないので、お声がけなどはご遠慮くださいませ。

※思い込みの激しいまんばがいます。冒頭に過激な表現が出てきますが、まんば個人の思い込みなので、真実と思わず流してください。



まんばはΩだった。
顕現して早々、ある事件を知った。

Ωである多くの山姥切国広がαである山姥切長義に無理矢理番い関係を結ばされたというニュースだった。
ある刀は同じ本丸で、ある刀は町で、ある刀はなんと政府内で、有無を言わさずうなじを咬まれたというのだ。

これは云わばごーかんいや、誘拐婚だ。

まんばと審神者は震撼した。
αの山姥切長義はごーかん魔、ゆーかい犯。近づけば番いにさせられてしまう。

まんばはその時決意した。
βとして生きて行こうと。

そしてまんばは審神者の協力もあって、Ωであることを隠し、日々過ごしていた。

まんばはΩであることに引け目を感じ、男らしく、逞しく生きようとした。Ωのように弱々しく、女々しくならないよう努めた。卑屈もなるべく言わないようにした。発情期も抑えるため、強い薬を飲んだ。

「おっはよ~!まんば!」
「ああ、おはよう、清光。あんた今日もかわいいな」
「ぎゃっ///な、なんでお前は息を吸うように人を口説く言葉が出て来るのさ///」
「?思った事を言ったまでだが?」
「そういうとこだぞ!!」
「??」

そんな態度の所為か、本丸内では「攻めんばでは?」とか「もしかしたらαじゃない?」と名を馳せていた。
まんばは初期刀だったこともあり、極の修行が解禁されてからすぐに向かった。そして帰還し、極としてより一層審神者の為に尽くそうと心を新たにしたところだった。





ついにその時がやってきた。本丸に山姥切長義が顕現した。

まんばは警戒した。会った途端取って食われる可能性すらあった。彼らはケダモノだ。何を考えているのかわからない。

しかし意外にも彼はまんばに会っても冷静だった。偽物云々の話はあったが、それ以外は誠実に真摯に対応してくれた。

「おい、偽物くん!」
「なんだ」
……いや、何も」
「?」

山姥切長義はαかβで顕現実績がある。まんばに会ってすぐに襲い掛からなかったことから、彼はβなのだろうと思う。

もちろん彼がαの可能性もあるが、強い抑制剤でヒートは抑えてるし、練度もまんばの方が高い。

それに彼と番うなど考えられない。

「はっ、偽物くんと同じ部隊なんてね!」
「いやならあんたが降りろ」
「お、俺は隊長だぞ!?降りるならおまえの方だろ!」
「主が決めた編成に文句があるんだろ?直接言えばいいじゃないか」

長義は何かとまんばに突っ掛かってくる。まんばはそれを軽くかわす。
まんばはβだとしても長義とあまり関わりたくないのに、面倒だな、と思っていた。

あの日までは。

まんばはその日少し熱っぽかった。一応その日は発情期の期間に入るがいつものように強い抑制剤は服用しているため、ヒートはあり得ない。だから風邪か?と思う程度だった。

まんばは発情期の期間、薬で完全に抑えられるため、βと同じ生活を送れている。だから一度もヒートを体験したことがない。
どちらかというとβに近い体質なのだろうと考えていた。

まんばはその日新人教育のお目付け役として、出陣部隊が組まれていた。練度が低い刀が5振り、極のまんばという編制。
古参と言えど、極の所為で練度は低くなっているため、検非違使などは問題ないはず。

その部隊の隊長が長義だった。


「国広くん、助かった」
「いや、たまたま間に合っただけだ」
他の刀をフォローしながら進軍する。やはり経験が少ないため、みんなは未熟。ただそれはまんばも同じ時期があったため、練度が上がれば問題なく戦えるだろうと考える。フォローが必要なのは今だけだ。
長義にも手助けが必要だろうか、とチラリと伺うと彼はちゃんと敵を葬っていた。
(まあこの部隊の中では一番先輩だしな)
新人と言っても時期にばらつきがある。長義がこの中では最も早く顕現した刀だ。

まんばは長義は問題ない、他の4振りに目を配っておこうと考える。


敵との交戦中、まんばは違和感を感じる。その違和感が何かはわからない。目の前の敵に集中しなくてはいけないのに、気が乱れる。刀を持つ手も力が入らないようで、斬りかかっても弾かれてしまう。おかしい。

びゅん、と敵の刀が向かってくる。
問題なく太刀筋は見えた。だから刀で受け止めることもできるし、避けることだってできる。そう思ったが、がくん、と急に足の力が抜け、まんばはその場に崩れ落ちる。

(まずいっ)

体勢を立て直せない。わかっているのに迎え撃つことも回避もできない。
まんばは斬られる覚悟で目をぎゅっと閉じた。

ガキン、と金属同士がぶつかり合う音がした。
そっと目を開けると真っ白の布が目の前にある。
「なに交戦中に呆けてんだ偽物くん!さっさと立て!」
長義は敵を斬り伏せると別の敵を切り捨てて行く。

まんばはポカンとした後、ドッと胸が高鳴った。
(なななななんだこれ!)
自然と顔が熱くなる。

きゅーんとしてしまった。今まで男にときめいたことなどないし、そもそも自分が男らしくあろうと思って努めてたのに、今長義のことをかっこいいと思ってしまった。

(違う!違う!これは初めて手助けされたからであって、別にそんな!)

ドキドキはなかなか治らない。まんばは今は戦闘中なのだからと立ち上がって、敵と対峙しようとするが、その時は既に終わっており、まんばの出る幕はなかった。

「偽物くん、貸しだな?」

人に借りを作るなんて惨めでしょうがないのに、まんはは気持ちが昂揚してしまう。長義に話しかけられて嬉しい、気にかけてもらえて嬉しい、そんな感情が湧き上がる。


帰城し、戦装束を着替える。いよいよおかしくなってきた。息が荒く、頭はくらくら、体は熱い。力が入らず、畳の上に寝転がる。

本格的に風邪をひいてしまったらしい。

「国広さん!夕食だそうでえ!?」
「ちょっと……俺は……体調が悪いから……いらないとつ、たえて……くれ、ないか?」

途切れ途切れにお願いすると、呼びに来た短刀は慌ててすっ飛んで行く。しばらくして審神者が来て、まんばの様子を見た。他の刀に指示し、布団を引いたり、氷枕を用意したり

修行から帰ってきた後も忙しなかったから、無理がたたったんだろう、と審神者が言う。おかゆを食べさせられ、風邪薬を飲まされ、みんなは去っていった。

風邪だと言うのにまんばは眠れずにいた。早く身体を休めなければと思うが、目は冴えきってる。その割に体は重くて動かない。しかも風邪だというのに妙な気分になってきてしまう。このままでは休めないと思ったまんばは、そっと手を伸ばす。しかしまんばは発情期なんて今まで体験したことなかったこともあり、じーすら初めてだった。

ただただこうすると気持ちいいな、という本能だけでそこに触れる。これが恥ずかしいことなのだろうという自覚はある。

「偽物くん、風邪ひいたんだって?」

外から声を掛けられ、どきりとした。手が止まる。長義だと気付き、あわあわ。いやでも普段通り、冷静に対処しなければ、とまんばは気を引き締める。
「少し熱が出ただけだ、問題ない。少し寝ればよくなるから」
言外に『寝たいから邪魔するな』と告げる。その意図を理解しているだろうに、長義は勝手に障子を開けた。
「なっ」
「やっぱり」
まんばは掛け布団で覆われているものの先程まで己がしていた行為でびくつく。


「こんな甘い匂いで誘っておいて、風邪っていう言い訳はないんじゃないかな」
「甘い?」
すんと首元を嗅がれる。
っ!」
「αを誘う、Ωのヒートの匂いだ」
「!!!」
まんばはそこでようやく自分がヒートだったことに気づく。風邪だと思い込んでいた。



:*:.。.:*( ´ ∀`*)*:.。.:*:




まんばは朝起きて呆然とする。

勢いで、番ってしまった。
あんなにも嫌悪していたαと。

まんばは頭を抱える。なぜこうなった。ヒート中の記憶はぼんやりしているが、自分からせがんだような気もする。なんてことだ。まんばは青ざめる。

ちらりとまだ寝てる長義を見る。

だけど、ごーかん魔とか無理矢理とか、聞いてた話とは少し違うなと思った。強引さはあったが、ちゃんとまんばの了承を得たうえで事を進めていたし。

なにより、まんばは少しおかしいと思っていた。
長義を見るとドキドキしてしまう。
とにかく番いになってしまったわけだし、腹を括るしかないなと思うのだった。

ちょぎくにハッピーエンド!お付き合いありがとうございました!お疲れ様でした!