オメガバ強化週間④
ちょぎくに
まんばはβ。政府に勤めている。今日も真面目に仕事仕事。
廊下を歩いていると、前から同位体が走ってくる。
「同位体!これを!交換して欲しい!俺を助けると思って!」
いきなり布を強奪されてしまう。代わりに手元に残ったのは先程の同位体の布。
「な、なんだ
……??」
他人の布を被るのは気が引けるが、姿を晒すのは嫌だ。だから仕方なくそれを被る。
「あ!いた!偽物くん!!」
「ひっ
…!」
たくさんの山姥切長義に囲まれてしまう。
「もう逃さないよ!」
「俺と番おう!」
「俺の方がいいだろ!?」
「ひぇぇぇぇ
…!」
目の前の長義達はどうやらαらしい。まんばのことをΩだと思ってるようだ。
(なぜ俺をΩだと
…?αならフェロモンとかでわかるはずだろ
…?それなのにβの俺なんかをなんで
…)
政府勤めの山姥切国広は他の個体よりも幾分か賢いのでピーンと来た。
(この布か
…!?まさかさっきの同位体がΩで、彼らから逃げてたっていうのか!?俺を囮に使って
…!)
まんばは誤解を解くため、布を脱ぎ捨て、説明する。
さすがαと言うべきか、布を取り去った時点で、匂いの違いに気づいたらしく、長義は散っていった。(恐らく先程の同位体を追いかけに行った)
Ωは大変だな、βでよかった、と思う。Ωの匂いがついたままだが、仕方なく布を羽織り、とぼとぼ自分の部署に戻る。
その途中、まんばは一目惚れをしてしまう。とてもかっこいい山姥切長義に。
向こうもまんばを見てハッとなる。見たことない個体のため、どこかの本丸所属で、用事で政府に来たのだろうと推測。
長義はツカツカとまんばの前にやってきて、手を握ってこう言う。
「お前は俺の運命だ、付き合ってほしい!」
まんばは嬉しくて嬉しくて、こくりと頷いた。
が。
まんばは家に帰って、我に返った。
Ωだと思われてるのでは??
αとΩは運命の番というものがあり、お互いにそれがわかるらしい。だとするとあの告白はまんばに向けたものではない。布の持ち主が運命の番ということになる。
(じゃああの告白は人違い
…!)
まんばはショックを受ける。舞い上がってたのは自分だけ。
しかし次会う約束もしてしまった。
まんばはチラリと借り物の布を見る。あの長義にもう一度会いたい。
まんばは、弁解をしないといけないから、と思い、もう一度会うことにする。
会って、言わなければと思いつつデートを楽しんで、一日が終わってしまった。
(何やってるんだ俺
…!)
普通に楽しかった。
今度こそ、と次のデートで言おうと思う。しかし案の定言えない。それを何回か繰り返す。
俺は彼の運命じゃないから、身を引かなければならない。そう思えば思うほど、惹かれて行ってしまう。駄目だとわかっているのに、泥沼にはまって行く。
洗ってない布はどんどん汚くなっていく。デートに付けて行くのはまんばでさえ気が引けるほどになってしまった。
(そろそろ潮時だろうか
…)
まんばはついに伝える決意をする。
まんばは自分の布を身に纏い、彼とのデートへ向かう。
さすがに長義も会った瞬間から気付いたらしい。
「国広、その布
…」
「すまない」
開口一番謝る。
「俺はあんたの運命じゃないんだ」
「え
…?」
「俺はΩじゃない、いつも付けてた布はΩの知り合いの物で俺のじゃないんだ。だからあんたが感じていたフェロモンはその知り合いのもので
…」
言ってて辛くなってきた。じゃあそのΩを紹介してくれと言われるだろうか。しかし仲を取り持ちたくない。まあΩの同位体の連絡先を知らないから、取り持つこともできないが。
「あんたにはちゃんと運命のΩがいるんだから、そいつの
…」
「俺、βだけど」
「は?」
「βだよ」
「はぁぁ??」
話を聞いてみると、顕現して今までずっとβ。まんばに告白したのも、フェロモンに惹かれたわけではないらしい。
「運命って、運命の番じゃなくて
…?」
「お前に一目ぼれした。生涯愛するひとだってビビビッときたって思ったって意味」
「な、な
……」
それは正しくまんばも感じていたことで、へなへなと力が抜ける。
じゃあ別れなくていいんだなって思ってホッとして涙出てきてしまって、長義に慰められて、無事ゴールインするちょぎくに
…。
お付き合いありがとうございました!お疲れ様でした!
③
⑤
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