木蔦(キヅタ)
2020-02-15 19:01:03
3891文字
Public
 

一切会話がないから仲悪いと思ってたけど、実はお互いの考えてることがわかるちょぎくに【ちょぎくに】


ちょぎくに
審神者視点

ある日聚楽第の通達で謎の人物が来る。審神者は怪しがりつつも政府からの使者ということで、半信半疑で帰す。謎の人物が帰る際に、まんばが驚いた顔をする。
そして、嬉しそうに審神者に言う。
「聚楽第に出陣するのか?俺も行きたい!」
まんばは話を聞いてなかったはずだし、謎の人物とも言葉を交わした様子はなかったのに、なんで聚楽第のことを知ってるんだ?と疑問に思う。

まんばにねだられたが、まんばは練度が高くなく、聚楽第は危険ということもあって、出陣させなかった。
まんばは留守番。

特命任務は長期間になる。長い間出陣部隊は帰ってこない。
しかしまんばは言う。
「今、部隊は順調に進んでいるらしい」「怪我をしたから勝栗を食べた」「なかなか先に進めない」

なぜまんばは出陣してもいないのに、そんな情報を知り得るのか。審神者は疑問に思う。

そんなこんなで聚楽第を攻略し、謎の人物改め、監査官から優の判定をもらう。
そしてその報酬として本丸に配属されたのはまんばの本歌、長義だった。

まんばと本歌は仲が悪い。偽物云々の会話以来、話しているところを誰も見たことがない。しかし折り合いがつかない刀もいるだろうと、みんな無理矢理仲を取り持とうとせずにそっとしている。

しかし不思議なことが起こる。
「あ〜!ボールペンのインクなくなっちゃった!」
「替えがあったんじゃないかな?」
「俺、このメーカーじゃないとダメなんだよね。本丸の在庫は別のメーカーだし
「うーん、あ。それなら偽物くんも同じのを使ってるから替えを持ってないか聞いてみたらどうかな?」
「へ?」
まんばと一緒にいることなんてないのに、なんでまんばの愛用してるボールペンを知ってるのか。審神者でも知らないのに。
しばらくするとまんばが来る。
「あ、国広、いいところに!お前ってこのボールペン使ってる?」
「ああ、同じやつもってるぞ。ほら、これだろ?」
まんばが手渡してくれる。なんて良いタイミングで手元にあったんだ、と審神者は喜んでもらう。
「後日新しいのを国広にはあげるね」
「いや使い掛けだし、ボールペンの値段くらい気にしない」
まんばは去っていく。
(あれ?国広は何の用事だったのかな?)
疑問に思う。
また別の時、まんばから変な事を聞く。
「今度政府で会合があってさ〜俺も出席なんだよね〜
「浮かない顔だな?」
「いや、政府のまとめ役に嫌な奴がいてね、いっつも嫌味を言ってくるんだよ」
「ああ」
「嫌だなー行きたくないな〜」
「まあ、あれは性格で誰にでもチクチク嫌味を言うからそんなに気にしなくてもいいんじゃないか?」
「そうかなぁ?」
「特別主が嫌われてるわけじゃない」
「そうだといいけど。それより国広はそいつに会ったことがあるっけ?国広、政府に連れてったことないよね?」
………推測だ」
「推測!?」
「嫌な奴は大抵パターンが決まってるから」
「そ、そう?」
審神者はあまり腑に落ちない。

そんなおかしいことがあったけど、審神者は特に追求しないでいた。




ある日長義が駆け込んでくる。
「出陣部隊は!」
「へ?」
そういえば出陣部隊との通信端末、見てなかったな、と思い、確認する。みんなが重傷になってて驚く。
「主、強制帰還させて!早く手入れの準備を!」
「え、え!?あ、うん!」
門前で部隊が帰ってくるのを待ってて、そわそわ。
長義が珍しく落ち着かない様子。
(部隊に仲良い子いたかな?それとも本丸の仲間はどの子も心配って言うこと?)
しばらくすると部隊が転送されてくる。みんなぐったりしてて、意識がない者もいる。長義を見れば何故かホッとした表情をしている。

他の刀達で、みんなを手入れ部屋へ運ぶ。
とりあえず、全員治して、ホッと息を吐く。何故か長義は手入れ部屋から離れない。
「えーっと、もう治ったから大丈夫だよ?」
「いや、でもまだ意識がないし」
「眠ってるだけだから」
「それは知ってるけど、意識がない時に何かあったらわからないから」
「???」
何がわからないのか、と疑問に思う。
「長義、一体何の話?」
「いや、何でもない」
「なんで言ってくれないの?そんなに頼りない??何か心配だったら教えてほしい」
長義は暫く黙った後、ポツポツと話し始める。
「くに……偽物くんが、心配で
「うんうん」
いがみ合ってたと思っていたけど、心の奥底では心配してたんだなと内心ニコニコしてしまう。
「俺と偽物くんは常に繋がってて、お互いの考えてることが筒抜けなんだけど
「ん?」
「今回急に国広の意識が途絶えて、何度呼びかけても応えてくれなくて、」
「んん??」
「すごく怖かったんだ。もう折れてしまったんじゃないかって
「んんん??」
待って、展開が早すぎる。爆弾発言と新事実が多すぎて、脳内処理が追いつかない。
「だからもう大丈夫ってわかってはいるけど、意識が戻って繋がるまでは側にいたい。この状態じゃ何かあった時にすぐ気づけないから
「待って待って、俺まだ置いてきぼり食らってるから!」
「置いてきぼり?」
「ふたりはいがみ合ってたよね!?」
「恋仲だが?」
「恋仲ァァ!?」
さらに目を剥く新事実に卒倒する。
「あと繋がってるって、どういうこと!?」
「聚楽第のことを伝えに来たあの日、国広に会った瞬間、バチっという感覚が走って、くに……偽物くんの心の声が聞こえるようになってた。」
「いやもう言い直しても遅いよ、『国広』でいいよ。なんて摩訶不思議な」
「お互い筒抜けで、お互い想い合ってることが、すぐ知れたから、恋仲になるまで早かった。あと離れてても繋がってるから、逢引の約束するのも便利だった」
「そりゃそうでしょうね!」
「国広は無口の割に心の中では饒舌でね、かわいいんだ。普段はああだけど、たまにおねだりなんかしてくるんだよ。閨なんてね、どこがイイのか筒抜けだから、そこを」
「確かに話してって言ったけど、惚気はいらないよ!?」
話の方向がおかしくなりそうだったので、ストップをかける。家族のセッ.事情など聞きたいものではない。

暫くするとまんばが目が覚める。長義は嬉しそうな表情になるが、すぐさま退散してしまう。
「え?ふたりは恋仲なんだよね?もっと感動の再会(?)的なのするかと思った」
「いや今まさに脳内で長義がそんな感じだが」
アッゴチソウサマデシタ、オジャマシマシタ。

ちょぎくにハピエンyeh!!
ここまでお読み頂きありがとうございました。お疲れ様でした。



わさび茶漬けさんがイラストを描いてくださいました!