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racmon
2024-12-10 22:38:27
2202文字
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冬のラッキー
クリスマスマーケットとささろ
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「そう、俺たちは少しはしゃいでしまったため、盧笙の喉はカスカスになってしまったのだ!」
上裸の簓は人差し指を立てて高らかに発した。途端に枕が飛んでくる。
──お前は誰になにを言うとんねん!
そう言ったはずの口からはヒューヒューと細く息が抜ける音しかしなかった。悔しそうに喉をさする盧笙を見て、簓が大袈裟に眉を下げる。
「オォ可哀想に。無理はあかんよ」
「お前が言うなお前が
……
」
ひそひそと反発する盧笙は迫力に欠ける。背中をさすってやると、案外肩にもたれかかってきたりするものだから可愛い。
「
……
喉痛い?」
簓は昨夜の自分のしたことを思い出して、今更冷や汗をかいた。乗り気だった盧笙も、目が覚めて後悔しているのかもしれない。
「痛くはない」
「よかった──」
「ちゅうか俺も俺やねんから真面目に聞くなアホ」
言われてみれば確かにそうかと簓は顎をさすった。一旦体を引いた際に、もっとと手を伸ばしたのは盧笙だ。やはりお互い様である。
「そしたら粥でも作ったろかいなっと」
「なんか上着ぃ。ほんまの風邪ひくぞ」
今から介抱される人間が、口だけで世話を焼いてくる。普通なら誰が誰に言うとんネンだが、これが盧笙だと愛おしくなるのだから救いようがない。
「ありがとぉ。ちゃんとおよふく着るさかい。美味しいお粥さん待っとってなぁ」
「朝からよう喋るやっちゃ」
いくら小言を言おうと、簓にとっては痛くも痒くもなければいっそ気持ちよい。惚れられたモン負けである。
「熱いのもぬるいのも嫌や」
「ハイハイ」
「シャケと昆布乗せて」
「ハイハーイ」
「
……
自分の分もちゃんと作って。一緒に食べる」
「うん! そうしよ!」
余韻が残ったままの盧笙を背に、簓は部屋を出た。パタン、とドアが閉まった後に「クリスマスマジックや!」とガッツポーズを決める。盧笙に知られては魔法が解けてしまうため、何があっても知られてはならない。簓は努めて冷静に、キッチンへ向かった。
その甲斐あって、盧笙からはお粥のお礼を2、3回いただけたのだった。
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