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さもゆ
2024-12-06 15:56:16
3601文字
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BBB
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【ダニレオ】誕生日/充電
ワンドロワンライで書いた短いの二つです。どちらも付き合ってないですだはは。
2020.12.27 たまごのお粥pixiv投稿作品
1
2
ワンドロワンライ
誕生日
「やべ、今日何日だ?」
「え? えー
……
あー
……
十九日っす。十月の」
「ハ、一週間経ってら」
何からですか? レオナルドが素直に口にした疑問は、そばで放たれた迎撃音によってあっけなく爆風に飲まれていった。風圧で吹っ飛びかけた体を、横から伸びた手で掴まえられる。ぐえ、絞まった首根っこのまま錘のように圧し掛かられて「俺たちみたいなのは大変だよな、すぐ吹っ飛ばされちまう」と忌々しげに吐かれたけれど、いやアナタ俺より背ェ高いでしょ。爆風がおさまるまでの僅かな間にそう心の中で突っ込んだ。有り難いですけどね。吹き飛ばされて入院することなんてザラなもんで。
それにトレンチコートの内側に庇われるような姿勢も大変好感が持てた。これがザップなら火の粉や砂塵、礫なんかからは絶対に守ってくれない(しちょっと大きめの瓦礫が飛んできたって自己責任回避だ。おかげで最近は半々の確率で避けれるようになってきた)し、むしろ盾にしてきそうなところではある。
ザップの葉巻とは違う煙草のにおいを肺いっぱいに吸い込み、吐き出して、耳をつんざく音に耐えていると、ようやく絞まっていた首が解放され一人で立たせられた。爆風はおさまり、吹き流されていた霧がいがらっぽさを纏って戻ってくる。その霧の合間に、敵を仕留めたライブラの面々が覗いていた。終わったんだ、レオナルドはほっと息を吐いた。今回の共同戦線は、ちゃんと、今回も、終わったんだ
……
。
レオナルドは自分が役に立たない戦闘になってからずっとお守りをしてくれていた警部補を振り返った。共同戦線を組んだこの四日間ですっかり見慣れた前髪がぼさぼさと垂れてきている。自分の癖毛にも盛大に砂埃が絡んでいるに違いなかった。ぱららと落としながら口を開く。
「それで、何から一週間経ったんすか?」
ダニエル警部補は改めて問われるとは思っていなかったのだろう、多少意外そうな顔をしてコートの内側を探り答えた。「マーカスの誕生日。お前らと組む予定があったからな、当日でさえ頭からすっぽ抜けてた」そして探り当てた煙草に火を点けた。
漂う煙を目で追いかけながら小首を傾げる。「マーカス? 友だちですか?」
「あ? あー、いや、双子だよ」
「は? 誰の」
「俺のに決まってンだろ。そーいう話してたじゃねえか」
「は?」レオナルドは素っ頓狂な声を上げて言った。「いや、だったら警部補も誕生日ですよね」
「当たり前だろ。じゃなきゃ双子って言わねえ」
「え? いや
……
そりゃそうっすけど」
霧の奥から自分を呼ぶ声がした。戻らなければならないだろう。いくら協力をしていても、HLPDとライブラだったら自分はライブラの人間なのだから。
警部補は面倒くさそうな顔をしていた。顔に慣れた表情だ。この会話は、きっと彼
――
もしくは彼ら
――
にとってもう何度も他人と交わしてきたのかもしれない、レオナルドはピンと来た。ここまであからさまな態度を取ったことはないが、学生時代に覚えのある態度だ。
――
レオナルド、お前妹いるんだって? うん、いるよ。じゃあ今度一緒に遊ぼうぜ。あー、あの、妹は足が不自由でさ
……
――
自分にとって当たり前なことを、他人に配慮してわざわざ申告しなければならないあの嫌な感覚。なんなんだろうな、あれ。レオナルドは更にスクール時代を思い出して、目の前の男に申し訳なくなった。
「あー
……
すんません。なんか双子って、そうなんすよね。クラスにもいたんすけど、どっちが兄とか弟とか訊かれるのすげー億劫がってて
……
」
「突然なんの話だよ」前髪の下の瞳が訝しむ。
「えーと」彼の特徴的な前髪は片側の目を隠しているものの、レオナルドにはよく見える。
――
身長的な意味で。「つまり、対等で特別な存在だから、自分の誕生日っつーより片割れの誕生日っつー意識が強い
……
みたいな
……
」しかしそれは自分が知っている学生時代の双子であっていま目の前にいる大人とは微塵も関係のない経験だった。「スンマセン。知ったかしました」見上げていた糸目を気まずく下にやる。
ダニエルはほーと言った。感心とも無関心ともとれる息の吐き方。それから何の予兆もなくレオナルドの頭をがしがし撫でた。乱暴な手つきだ。砂がぱららと落ちる。「わっ! わっわっぎゃ
……
なんすか!」叫び、再び見上げた先の三白眼は大層ご満悦ににやけていた。凶悪さに拍車がかかっている。レオナルドは思う。どうして俺の周りはこうも笑うと怖いひとたちばっかなんだろう
……
。
「誕生日祝われるより嬉しいわ。よくやった糸目、もう戻っていいぜ」
そうしてそのまま機嫌よくレオナルドの背を押しやった。向こうから、優しくない先輩と優しい後輩の呼びかけが飛んでくる。はーい! 返事して、振り返る。警部補はもう背を向け、ポリスーツたちに指示を飛ばしていた。
レオナルドは腑に落ちない思いで、そんなことはないだろ、と心の中で突っ込んで、分かりやすく一応、叫んでおいた。だって誕生日は知った時点で祝われるためにある日なのだ。
「ロウさーん! 誕生日おめでとうございましたァー!!」
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