さもゆ
2024-11-25 12:18:23
2293文字
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【ザプレオ】火傷

ワンドロのお題「火傷」をお借りしました。
レオくんの怪我を焼いて止血するザップさんが、火傷の痕見て二ヨッとしちゃう話。二枚目はそれのやれやれ副官です。

2020.8.22 たまごのお粥pixiv投稿作品



「スターフェイズさぁん、ギルベルトさん今どこにいますか」
 あらかた殲滅し終えたところで、2ブロック離れたところで暴れていたはずの、しかも仕事が終わればすぐ帰るはずのザップ・レンフロが瓦礫の山を血法で飛び越えながら目の前に降り立ち言った。その背に自分よりひどい癖毛頭の少年を乗せ、白いジャケットの左腕部分を赤く染めている。スティーブンは実際疲れていたがそれ以上に疲れた気持ちで「何があった」と訊いた。常々何かあったらすぐ報告か連絡か相談をしろと言いつけているのに、この部下ときたら何一つ守らない。それどころか包帯と連休と早退を搾取しまくる大変な部下なのだが、案外と面倒見が良いところは評価していた。
 そのありがた迷惑な面倒見で守られているレオナルドの肩口といえば、切り裂かれた服の間で肌を赤く露出させていて、スティーブンはこめかみが痛くなる思いがした。
 ザップが言う。
「こいつちょっと撃たれたんで、焼いて止血したんすよ。ギルベルトさんの車だったら病院なんてすぐでしょ」
「バカヤロウ」
 シンプルに罵倒し靴裏を地に叩きつける。と、出力を間違った氷が背丈以上に伸びて冷気を漂わせた。それをそのまま蹴り砕いて綺麗な部分(血液を媒介にしたものに綺麗も何もないのだが)の割れた氷を気絶している少年の肩に押しつけるも、病院まで付き添うわけにはいかないので手のひらの皮膚を傷つけ、結局押しつけた手のひらで氷を生み出し火傷に張り巡らせた。傷口から、この傷を負わせた部下へと視線を移す。
「あーあーあー……これは痕残るぞ……お前の焼灼はあてにできるけどな、こーいうのはもっと慎重に……ウワ」スティーブンは痛むこめかみのまま眉間に皺を刻んだ。「お前その顔絶対に少年に見せるなよ」
 ザップは白い眉毛をひょいと上げて見せた。「どんな顔してます?」と言えど本人が一番よく分かっているふうだったので、答えてやらずにギルベルトの所在を伝える。スティーブンはやはり疲れきってため息を吐いた。

 そのときのザップの表情は先ほど既にレオナルドの義眼に焼きついていて、負った火傷と同じくらいやっかいな類のものだったのだが、前者を知らないスティーブンはただ後者がこの哀れな一般少年に知られないことを祈るのみだった。生憎と、自分の面倒見は良くないのだ。