冬灯夜
2024-11-18 21:45:24
4335文字
Public ルミナリア
 

手紙+紡ぐ

エドリディ合同誌「紅の真砂 藍の薄ら氷」に寄稿したものその二+ポスカ
本編後、手紙を交わす冒険者達



【紡ぐ】

 世界を巡る旅が終わり、五人はそれぞれの場所に帰った。旅の途中、バラバラになった時とは違い、各々が納得しての別れだった。
 とはいえ、親交は途絶えない。エドとアナマリアは自国の立て直しで忙しいので、残りの三人(シャルルはお嬢様の名代ですと言い張る)が会いに行くことが多い。そして何より、手紙だ。マメに書いては待って、日々の糧としているのだ。今もリディは大事に手紙を読んでいる。
……リディ」
 エドの背中に寄りかかりながら。
「背もたれに動かれると読みにくいんだけど」
「今、読む必要あるか?」
 忙しい五人だが、久しぶりに揃うことになった今日。先に到着したエドとリディは全員分の宿を取り、残りの面々を待っていた。
「暇が出来たら読んでるの。大切な手紙だから」
 一瞬の沈黙は、すぐにため息に変わった。エドの背中が離れる。バランスを崩したが、背中の代わりに胸板に支えられた。
 背後から、というより頭越しに覗き込まれ、黄金色の瞳を見上げたリディは思わず息を呑んだ。エドの手が伸びて――ひょい、と手紙を奪われる。
「あ」
「だから、今、本人がいるのに、読む必要、あるか?」
 いちいち区切って伝えられた言葉に、リディは――笑った。
 リディにとって手紙は特別だ。だから、隣に温度を感じながら、紡いでくれた言葉を反芻したかったのだけれど。
「エドも拗ねたりするのね」
「拗ねっ……ああ、もういい、それで」
 深い深いため息に再び笑う。でも、そうだ。
 今はここにいるのだから。こうやって二人、直接言葉を交わすことにしよう。




【こぼれ話】
よーし本編後だし甘くしちゃおう!(当社比)
旅の中で守る、守られるとは違う感情が芽生えて、それを周りにも悟られてたらかわいいですよね。あと手紙って特別だと思うんですよ、リディちゃんにとって。という「守りたいもの」がエドメインなら、こちらはリディメインのつもりで書いたお話でした。
ポスカは本文:冬灯夜から、じゃぶさんに絵を起こして頂きまして、それはもう大変かわいくてかわいい最強な仕上がりでございました。らぶ。ありがとうございました!