鑑賞会(とどち)




要家に行った帰り道、山田と別れた藤堂と千早は駄弁っていた。

「そういえばどうするんですか?清峰くんに貰ったAV」
「せっかく貸してもらったから観たい気持ちはあるけどこういうDVDって高けーよな?」
「まあ、2千円から3千円くらいするんじゃないですか。詳しくないですけど」
「観る機械ないからポータブルプレイヤー買うか
「そういえば家に使わなくなったポータブルプレイヤーがあるんですけど要ります?」
「い、いいのか!?」
「処分に困っていたので、無料で良いですよ」
「あーでも貰っても俺の家姉貴と妹居るからAV観てるのバレたらヤバい、絶対軽蔑される!」
「フフッ良いこと思い付きました」
「ん?なんだよ?」
「家以外で観ればいいんですよ」

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翌日の朝。
教室に入ってきた藤堂は千早に声をかける。
はよ、ちゃんと持ってきたか?」
「ええ、ちゃんとここにありますよ。動作も確認済みです」
机に掛けた紙袋を指さす千早。

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放課後、野球部の練習を終えた二人は帰り道を歩いていた。
「さて、どうすっかなー流石に家は論外だし。」
「あそこはどうです?雰囲気ありません?」
公園の中にあるドームを発見し、ニヤリと笑う千早。

「うわ、思ったより狭いですね」
「お前が入るって言ったんだろうが!」
「藤堂くんの体が大きいんですよ」
「うるせー!でも何かこういうの久しぶりに入ったな」
「用意するので少々お待ち下さい。」
ポータブルプレイヤーを取り出し、イヤホンを繋げる千早。
「藤堂くん、例のものを」
「ん
DVDにセットし、再生ボタンを押して、音声がイヤホンから流れたのを確認した千早は藤堂にポータブルプレイヤーを渡す。

「ちゃんと見れてます?」
「おう」

千早は藤堂の肩にもたれて一緒に観る。
お前も観るのかよ」
「だってイヤホンを藤堂くんに貸していて自分の音楽が聴けないので。暗くて本も読めませんし」
潔癖の節がある千早は藤堂に貸す用に別のイヤホンを持ってきて使っているのだが、流れるように嘘をつく。
「そーかよ」
「ふーん藤堂くんの好みってこんな感じなんですね」
AVの冒頭のインタビューが流れている。
「悪いかよ」
「いえ」
そんなくだらない会話をし、自然と黙って集中してAVを観る二人。

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AVの映像に一区切りがつき
「あのさぁなんで俺らこんなことしてんの?なんか流れに任せてたけどよおかしいだろ!!」
今更ですね。続き観なくていいんですか?」
「集中して観れねーから明日返すわ。つーかお前はDVDの中身どうだったんだよ?」
「もう既に返したので、忘れました」
「はぁ?!俺だけお前に性癖晒したってことかよ恥ず
「いやー実に単純で面白かったです。藤堂くん、詐欺とかには気をつけて下さいね」
「おう
「続き観ないならさっさと帰りましょ、もう外も暗いですし」
DVDを片付けて公園を後にする。

「プレイヤーどうします?藤堂くん要ります?」
「いや、別にもうDVD観ないし要らねーわ」
ちなみにポータブルプレイヤーは藤堂が受け取り拒否したので、千早の元に戻ってきた。