ナタル(娘)の気付き

五歳児とは思えない聡明なナタル(娘)視点。
コノとハイが仕事で留守。チャノイが子連れでスーパーに行く話。
セレネ10ナタル5ソーマ3
コノ54チャ40ノイ41ハイ42

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https://www.pixiv.net/novel/series/12007385
を全部読まないとわけがわからない仕様。



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 事件から三日。ダリダは入院はしなくてよかったけど、怪我が完全に治るまで家から出ないんだって。身体だけじゃなくて心も傷ついたからお仕事は少しお休みするって。
 アーニー父さんもダリダに合わせてお仕事を休むことにした。マリューさんもカガリさんもダリダのためにアーニー父さんがお休みする許可をくれたんだ。
 毎日ダリダの家に連れて行ってくれるから私は嬉しいけど、とにかくダリダのケガ、早く治って欲しい。
 事件から、先生はアル父さんと「大事な仕事」と言って日中はずっと出かけているからその間アーニー父さんがダリダのそばに居る。昨日の夕方、二人が話してるのを聞いちゃったけど、私とダリダを誘拐した犯人たちの調査をしてるんだって。
 私はダリダに酷いことをした犯人たちが許せなくて、しっかり罰を与えて欲しくて先生や父さんたちにダリダの受けた被害を伝えた。
 犯人たちにはしっかりと罪を償わせると言ってくれた。

 ダリダのケガは少しずつ治って元気になっているから少し安心。だって多分私のお母さんなんだよね。
 思い返せば、ダリダは私が横に座ってぴったりくっついて話しかけるといつも嬉しそうに笑ってくれる。ソーマのお母さんもきっとダリダなんだと思う。
 そうかもって思ってからちゃんと勉強した。たくさん本を読んだの。男同士のパートナーであるアーニー父さんとアル父さんがどうやって血の繋がった子ども、私とソーマを作ったのか。
 卵子提供者が居るんだ。それはきっとダリダ。
 父さんたちがダリダをとても大切にしていること。ダリダのことを誰よりも大切にしている先生が私とソーマをセレネと同じように扱ってくれること。私の髪質がダリダに似てること。アーニー父さんが弟にインド神話に出てくる月の化身、ソーマという名前をつけたこと。
 ダリダが命をかけて私を守ってくれようとしたこと。
 私はずっと、本当は要らない子なんじゃないかって思ってた。
 昔、アル父さんの研究所に行った時にスタッフの人が言ってたの聞いたの。私は優秀なアル父さんの遺伝子を次代に繋ぐために作られたって。私を作らないと父さんたちは結婚できなかったんだって。
 知った時は、なぁんだって納得しちゃった。
 だから私だけコーディネイターで、みんなと違うお勉強をしなくちゃいけない。たくさん運動をしなきゃいけない。そしていつかはプラントに行って働かなきゃいけないの。
 私もソーマやセレネのようにナチュラルに生まれたかった。ソーマはすぐ熱が出ちゃうからアル父さんにいっぱい抱っこされて心配されて桃缶いっぱい食べられて羨ましいんだもん。
 ただ、父さんたちに可愛い可愛いって言われて、抱っこされていたかった。

 でも違うんだ。私が誘拐された時、父さんたちはちゃんと助けに来てくれて、助け出された私を抱きしめてくれた。
 あとから家に帰ってきたアル父さんなんてアーニー父さんがいい加減にしろ!って怒るくらい私のことぎゅーって抱きしめて、ソーマみたいに泣きながら無事で良かった。本当によかった。って言って離してくれなかった。
 仕方ないから一緒に寝てあげたけど、私って思ったより愛されてたんだね。
 それにダリダがお母さんなら、私は、いいえ、私と弟は父さんたちだけでなく母となる人からもそのパートナーからも、みんなに愛されて望まれて生まれてきたんだね。

 ダリダはあの事件の後心がとても不安定になってしまって、なんでもない時に突然涙が出てしまうんだって。
 セレネや私やソーマに泣いてるところを見せないように気を張ってるのに気づいてから、なるべくアーニー父さんと二人きりにしてあげてる。アーニー父さんとダリダは昔からの友達でダリダが先生以外で唯一くっついていられる人なんだって。アル父さんはダメみたい。
 ダリダだって誰かに抱きしめて欲しい時ってあると思う。セレネや私や弟だってくっついてあげられるけど泣いてる顔を見られたくないからってダリダは悲しいのを我慢しちゃうんだ。
 そんな時は外で遊んできてってお庭に出されちゃうからやっぱりアーニー父さんか先生しかダリダを抱きしめてあげられないの。
 私だってダリダを抱きしめてあげたいのに。

 じゃあせめて私にできることってなんだろう。
 ダリダが、お母さんが悲しい思いをしないで良いように守ってあげたい。アル父さんのようにハロを作ったりしてあげればいいのか。それともアーニー父さんみたいにすごい操舵士になればいいのかな。
 ううん、私はアル父さんとダリダの遺伝子を受け継いだコーディネイターなんだからうんと勉強して、もう二度とダリダが泣かないで済むように立派な技術者になりたい。大切な人を守れるように。
 だから私はコーディネイターとして生まれてきたんだね。

 私の大切な人を泣かせるやつは絶対絶対許さない。
 私は私の全力でダリダを守るからね!