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ぷの
2024-10-27 10:22:49
3337文字
Public
レイチュリ ※ベ限
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ゆだねる猫とキャッチボールしたい犬
レイチュリの小話を2本まとめたものです。
P1 - ゆだねる猫とキャッチボールしたい犬
P2 - 貢ぎたい猫と仕留めたい犬
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【ゆだねる猫とキャッチボールしたい犬】
ちゅ、ちゅ、と唇を吸われるたびに強い酒精の混ざった吐息がアベンチュリンの鼻先を掠める。どれだけ飲んだんだっけ。ブランデーのボトル一本空けちゃったんだよな。その前にワインも一本空けていた。レイシオの酒の限界は知らないけれど、かなり飲んだ方なのでは。
吸われて舐められ続けている唇が腫れぼったくなってきた気がする。舌を差し出してこっちにしようよと誘っているのに、レイシオは無視して唇をひたすら味わっている。舐めて、食んで、吸って。顔を背けて逃げようとすればがっちり頭を掴まれてしまうし、喋ろうとすればぴったりと塞がれて離れなくなるし、逆に口を固く結べば鼻を摘ままれて酸欠で開かされた。
じゃあもう好きにしてと無抵抗になってみれば、ずっとむにむにむちむちと唇に懐いているのである。なんだろうこれ。さっさと欲の波に浚われたいのに、ずっと冷静でいるのはつらい。いっとき下腹に灯った熱も、何もしないなら用無しですねとばかりに引いてしまった。
まあ今日はお礼のために家に呼んだので、レイシオのしたいように楽しんでくれてるならいいか。
でもこのままでは眠くなる。欠伸したら怒るかな。それとも白けるだろうか。一方的に触りたいだけなら、アベンチュリンの意識はいらないのでは。
「へーひお」
「なんだ」
「寝てていい?」
「なぜ?」
「飽きて眠いからだよ。君は好きに触ってていいからさ」
口が解放されたのでついでに欠伸もする。浮かんできた涙の向こうに憮然とした顔をしているレイシオがいた。
「君に拗ねる権利はないだろ
……
」
目を閉じる。意識が遠のいていく。ソファの背もたれを横に滑って座面に倒れる。追いかけてきた重たい体に押し潰されて、太ももにゴリゴリと固いものを擦りつけられた。えー、そんなご立派にお育ちなのに、なんにもしてこないの?
「寝ないでくれ」
やーだね。
「君からたくさん誘われたかった」
その憐れっぽい声音は、アベンチュリンの重たい目を開かせるくらいには刺さった。ときめきは脳に効く。空腹や眠気を紛らわせる効果がある。
「そういう
……
しっかり酔っぱらってたんだね。素直でいいこだ、よしよし」
レイシオの首に手を回して引き寄せる。うなじを撫で、首筋をやわやわと甘噛みしながら横移動して、まあるい喉仏に唇を当てた。
「なにかしゃべって」
レイシオはごくりと唾を飲み込んだ。上下する喉仏を唇でねぶる。押しつけるように後頭部を支えられて、アベンチュリンより一回り太い指が髪の中に潜り込んで地肌をさすった。心地よさでまた意識が遠退いて、自分で支えなくてよくなった頭がカクンと落ちた。
「寝、る、な」
「はーっ、ごめん。バスルーム行こ」
支度も後始末もらくちんなそこは、そろそろ第二のベッドルームと言っても過言ではない。レイシオは気が変わる前にと性急にアベンチュリンを抱き上げた。
「あんなに飲んで、途中で折れない?」
「フンッ、見くびるな」
「すごいねえ、元気だねえ、ベリタスくん」
「どこを見ている」
お尻に当たるわんぱく小僧に向かって話しかけていたアベンチュリンは、俯いた旋毛に顎を乗せられてウッと呻いた。
「首がやられる」
「寝るなよ」
念押し三回目。どれだけ必死なのかと面白くなってきて、アベンチュリンはケラケラと笑いだした。また変な焦らし方でもされない限りは、もう寝たりしない。すっかり冷えたと思っていた熱が、再びじわじわと燻り始めていた。
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