ちこと
2016-08-21 23:34:11
969文字
Public poke小説・SS
 

無題

2016年に開催したゲコサト絵チャにて、チャット欄でぽつぽつと打ち込んだ短文2本のログです。


【2】

 ぽかぽかの陽気のもと、木漏れ日の下で、ゲッコウガはふと、心地良い眠りから目を覚ました。
 まだ眠気はあるというのに、つい目覚めてしまったのはなぜだろう。ぼんやりと寝ぼけまなこで考えていたゲッコウガのもとに、ふと、なにかの香りがかすめた。
 ああ、とひとり合点する。木漏れ日に負けないほど心地良く、いやに胸が温かくなるにおいが、ゲッコウガをふと夢から引き戻したのだ。
 ふわりと風が吹いて、黒髪がさわさわとそよぎ、ゲッコウガの鼻さきに触れる。すこしくすぐったくて、くしゃみが出そうになるのをなんとかこらえた。
 ゲッコウガにもたれかかり、すやすやと寝息を立てるそのやわらかな顔を見て、ゲッコウガも再び目を閉じる。
 すん、と、鼻さきが動く。心地良く、いとおしい、ただひとつのそのにおいを胸に吸い込みながら、ゲッコウガはふたたび、眠りの中へと戻っていった。