退屈係
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霊芹小説の導入

1.二人きりの依頼で待ち合わせ

2.酔って潰れて全裸(パンイチ)で寝覚めた霊幻、隣で同じ格好で毛布に包まる芹沢を見て現実逃避の末覚えてない事にする。※実際覚えてない [2023年10月31日]  



2


「んがっ」 

けたたましくアラームが鳴り響く前、薄暗い部屋で目を覚ます。枕元に置いたはずの携帯を求めて伸ばした右手は、さらさらとシーツを撫でるばかりで、固い感触に出会わない。
舌を打って、重い瞼を半分開く。 

見上げた天井は、知らない天井だった。 

は?」

間の抜けた声も大きく響いた気がする。
ここはどこだ? 
見回して、心臓が跳ねる。

誰かいる。 

左隣で寄り添うように膨らんだ人型に、嫌な汗が出る。
心当たりは全くない。ただ、昨夜はひどく酔っていた。

連れ込んだのか、連れ込まれたのか、こんな失敗─と、今は仮定しておく─は初めてで、流石に目が逸らせない。

意を決して、そろりとシーツを捲った。 

叫ばなかっただけ上出来いや、かなり優秀だった。
と、霊幻新隆はのちに語る。
音を立てずにベッドから這い出て、スーツを搔き集める。
ジャケットはハンガーに掛けられていた。 

─それはきっと、俺じゃない。

『先に帰る。ジャケット、ありがとな。』

紙幣と一筆を残して部屋を後にする。 
覚えてねーけど。」 
まだ地平線に近い日の光を浴びながら、後頭部を掻く。

澄んだ朝の空気を肺いっぱいに吸ってみたけれど、焦燥が残る胸につっかえて、ケホ、と噎せただけだった。

大きなあくびで朝焼けが滲む。 あいつはどんな顔で目覚めるんだろう。先に起きたのが俺で良かった。多分、あいつじゃ隠せない。

って。いや別に、何もなかったけどな!?
捲った白いシーツの先、芹沢の寝顔を見なかったことにした。