Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
2K
2023-03-10 18:35:52
2335文字
Public
轟飯
Clear cache
おモチからはじまるエトセトラ
👓くんと🍵ちゃんが喧嘩っぽくなってるのを見ている🍰くん目線のお話。
「うーん、おモチうんまーい!」
雑煮の餅を伸び伸びさせながら、麗日が溶けそうな笑みを浮かべている。
年末年始と各々の実家から大量の餅が送られていたが、一人では消化ができないと言う話から皆の餅を集めて寮の晩飯にする事になったのだ。
焼いたり、雑煮にしたりと大量の餅料理が共有スペースに並べられ、皆で集まって食べるともう一度正月をしているようだった。
「デザートにおミカンあげるー」
葉隠がミカンを配り歩き、好物をむさぼる麗日の頭にものせた。
ありがとーと言いながらも、みかんをのせたまま、バランス良く落とさずに餅を食べ続けている麗日。器用だな。
すると横でブハッと噴き出す声が聞こえ、反射で振り返ると同じソファーに座っていた飯田が笑っていた。
「どうしたんだ?」
「いや、麗日くんが鏡餅のようで
……
」
クックッと更に飯田から楽しげな声が漏れる。
ナルホド、と俺は手にした磯部焼きを口にしながら再度麗日の方へ顔を向ける。すると、そこにはさっきまでの笑顔が吹き飛んだ麗日がいた。一変して麗らかじゃない。
「飯田くん
……
?」
「やっ申し訳ない、変な意味は無かったのだが
……
」
麗日は目を見開き、後ろからゴゴゴ
…
と擬音でも聞こえそうな形相をしていた。飯田は失言をしたと口淀む。
「ほら、鏡餅っておめでたいイメージだし?麗日さんの食べている姿は幸せそうで、神々しいというか
……
」
横から緑谷も援護するように口を挟むが、意味不明なのであんまりイメージアップにはならなそうだな。
「緑谷ちゃん、全然フォローになってないわ」
麗日の隣にいた蛙水が言う。だよな。
「実家に帰った時にも、おモチや母ちゃんのご飯たくさん食べたりしたけど、それは父ちゃんがもっと食べろって言って来たからやし
……
確かに最近体重測ってへんかったけど
……
」
麗日は暗い表情のまま、ブツブツと自分の腹と顔に手をやる。
そんな様子に飯田と緑谷は両手を突き出してアワアワとして、何か言おうとするも何も言えないでいた。
「別に見た目変わってないと思うけどな」
俺は口にした餅を飲み込み、思ったままを伝える。俺の中の印象は変わっていなかった。
「
……
見てくる」
麗日は空になった茶碗をテーブルに置くと、ヨロヨロと風呂場のスペースへと向かう。
「デリカシーなかったわね、飯田ちゃん」
「ムム
…
本当にそんなつもりはなかったのだが、女子に対して軽率だった」
蛙水から追撃を受け、しょんぼりと項垂れる飯田。
姉さんもよく太っただのを家族のグループメール(親父がいない方)で言ってるのを聞くが、女は1・2キロであっても体重増加はかなり気にする事柄らしい。
オレは身長も体重も、数が増えると嬉しいけどな。
男と女との感覚の違いは、まだオレらには難しい課題なようだ。
「飯田くんのアホー!」
「うわっ!」
突然戻って来た麗日の大声に驚く。
後ろから背をどーんと押された飯田は、思わず声を上げた。すると飯田の身体が天井に吸い寄せられるように浮かび上がる。
「何だ?どうしたんだ?!」
飯田はフワフワとしながら、空中で必死に体勢を整えつつ、状況を確認する。
「めっっっちゃ太っとった
……
飯田くんがあんなん言わんかったら、誰も気付かんかったのにー!」
わっと顔を覆い絶望する麗日。いや、責任転嫁が凄えな。これに関しては、俺の先程の一言も悪かったのだろうか。
「お茶子ちゃん
…
」
「よーし、麗日ぁ食後のヒップホップだー!動いてダイエットだー!」
気の毒そうにする蛙水のソファーの裏から、芦戸と葉隠が肩を組みながらエイエイオーと腕を上げ出て来た。正直この明るさには救われる。
「麗日くん、良かったらランニングを俺と一緒にしよう!餅のカロリーは高いから、有酸素運動は効果的だぞ!」
空中でも手をバタバタ動かしながら話した為、クルクルと回転し出す飯田を緑谷と一緒に掴まえる。
「だから、早く個性の解除を頼む!」
麗日は表情が晴れないまま飯田に近付くと、まるでお姫様抱っこをするように飯田を抱えた。
「飯田くん、軽い
……
」
「いや、これは君の個性であって、俺は重いぞっ!」
麗日が飯田を持ち上げてる姿は、アンバランスだった。
飯田は大きな身体を小さく折り畳まれ、麗日の腕の中に収まりながらまたブンブンと顔の前で手を振る。
「ぷっ
…
ふふふ、飯田くんってば大きい赤ちゃんみたいやんね〜」
自分でやっといて、おかしそうに麗日が笑い出す。それを見て、機嫌が直ったのだと俺と緑谷はひと安心した。
「あの、早く個性の解除を
…
」
飯田は女子に抱かれた状態なのを居心地悪そうにしながら、懇願する。
「ンフフ〜どーしよっかなー」
困惑する飯田を見るとより楽しげに、飯田を抱き抱えたまま麗日はクルクルと回ってみせた。
「面白そー!私もいいんちょ抱っこしたい!」
「みんなで写真撮ろーよ!!」
「オイラは個性使わなくったって、軽いぜっ!抱っこしたっていーんだぜ!」
悪ノリした女子が飯田の元に集まり出す。その盛り上がりに峰田もアピールをしていたが、見事全員にスルーされていた。
俺もどさくさに女子に混ざって飯田をお姫様抱っこさせて貰えるかと腰を浮かした。
「駄目ですわ、轟さん。今回は飯田さんに反省して頂きませんと。」
止めに入るかと思われたのか、プリプリする八百万に肩を掴まれ、俺は再度ソファーに腰を下ろさせられた。いや、違ェんだ。てか、八百万ですらそんな風になっちまうのか。今後は女子に対しての発言に気を付けておかねェとな。
そして、オレは余計な事をしないよう撮影会が終わるのを大人しく待つ事にした。
どうせ二人きりになったら、オレは存分に飯田を抱かせて貰えるしな。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内