orikoriko1125
2024-07-30 23:23:00
1879文字
Public カキゼイ
 

竜の水の得る如し

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続き
カキゼイだけどカキツバタは出てこない

何か増えてる……

 「ねぇ、うちのとーちゃんって何してる人なの?」
ピカピカのアカデミーの制服にまだ着られてる長男が、今更な事聞いてきた。あんた八年生きてて何で今朝疑問に思ったの?とか、顔だけじゃなくてこういうぼーっとしてるとこ小さい時のスグそっくりね……とか言いたい事はあるけど、
「な、何で? そういう宿題あるの?」
……アカデミーの友達の家にはこんなにいっぱいポケモンいないって。うちってもしかして普通じゃない?」
「あ〜、そういう事ね。痛っ! 叩かない!」
娘が空になったお皿であたしの手を叩く。誰に似たのか赤ちゃんなのに気が強い。
ちぎったパンを乗せたらすぐ口に入れた。噛んでる?
「かーちゃんは何してるか分かってる?」
「テラスタルの事なんかやってたり、たまにアカデミーでも会うよね」 
それは知ってるのね。アカデミーで会うといっちょ前に照れててかわいいの。
「とーちゃんは家によくいたり、いなかったり、一緒にゲームしてくれたり、ポケモン勝負してくれるけど……仕事とか……してる?」
……してる……
ここだけ聞くとあたしも怪しく感じるけど、してる。……あんまり出番ないだけよ。
自分の好きなテレビ番組が終わったのか、静かにしてた次男が「ハイ!!」と会話に参加して来た。
「スグにぃが言ってた。うちのとーちゃんのこと、ほぼヒモだべって。ヒモってどんなヒモ?あかいいとみたいなの?」
……今度スグに会ったら手ェ出す事に決めた。子供に余計な事言って……
「一応ヒモじゃないから大丈夫、安心して」
「だよな〜、とーちゃん人間だもんなぁ〜」
どこへ行ってもお父さんそっくりと言われる次男はテレビに夢中になってる間に、妹に朝食を横取りされた事に気が付いてべそかいてる。赤ちゃんの妹に泣かされてるなんて先が思いやられる……
新しいパンを乗せてあげると、再び長男が質問した。
「結局何してるの?」
……言っていいの?」
べつに隠している訳でもないし。
「いや! 自分で当てたいから言わないで!」
この子はそういう子なのよね。遅刻しない程度に考えみたらと伝えると、リュックからまだ新しいノートを出して何か書き始めた。ちらっと見えた最初のページは数字の羅列。
……何書いてあるの?」
「ドラゴンタイプの種族値!! 図鑑見なくても言えたらカッコいいから覚えたい!」
普通に図鑑見たら? 男の子分からなすぎる……。あとそういう男知ってるけど、女子はそんな部分にカッコいい〜! とか絶対ならないから。
ページをめくってかわいい字で『手がかり』と書いた。
「まずうちには友達の家よりポケモンが多い、あととーちゃんはポケモン勝負が強い」
「何で強いって分かるの?」
叔父は四天王、叔母はトップチャンピオン、両親の友達たちも皆強いポケモントレーナーしかいないのに分かる?
よく考えたら周りがそんな人ばっかりだから、今まで気が付かなかったのかも。
……最近気付いたけど、相手を見て勝ち負けをコントロールしてるよね。そういう事ができるのって強いからじゃないかなって思った」
ついこの間までよちよち歩きだったのに、なんだかしっかりしちゃって。これはカッコいい所じゃない。
「よく見てて偉いわね」
「凄いでしょ? もっと褒めて!」
リクエスト通り頭を撫でてたら、髪がぐしゃぐしゃになった!って怒られちゃった。
「あとドラゴンつかいは普通に強いし!」
途中まで理論的だったのに、最後主観になるのおかしいでしょ。大きい字で『ドラゴンさいきょう!つよい!』書き足す。それは書かなくていいんじゃない?
「で、分かった?」
「う〜ん、ジムトレーナーとかリーグ関係の何かかな。もう少し観察してみる!」
もっとよく観察すること、活動時間も記録する、と書いてノートを閉じた。息子に野生ポケモン扱いされてるの面白すぎるでしょ。
「まぁ、あんたがアカデミーでしっかり勉強してポケモン強くすればそのうち分かると思うから、けっぱりなさい」
「は〜い! ……やば! そろそろ行かないと」
弟と妹にハイタッチして相棒のミニリュウのボールを掴んだら転がるように出てく。
「いってきます!!」 
「いってらっしゃい、気を付けて!」
自分で確認するのが先か、どこかしらから耳に入るか分からないけどその時まであんたのとーちゃんがちゃんと働いてるよう見張っておくわね。









長男 Lv.8  叔父似 やんちゃなせいかく
次男 Lv.6  父似  のんきなせいかく
長女 Lv.1 母似  ずぶといせいかく