みみみ
2024-07-27 20:35:39
2119文字
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so sweet

初書き16×26なので色々と大目にみてください



「はぁ~疲れた疲れた」
晩餐会が終わり、仁武の執務室に戻った十六夜は
スーツをソファに放り投げると、カマーバンドの留め具を外しながら大きく息を吐いた。
……ん、どうした仁武?」
 振り返れば、ジトりと自分を睨みつける赤褐色の瞳。
生憎十六夜には可愛らしい恋人が眉根をひそめる原因に心当たりがなかった。
「なになに、俺晩餐会結構頑張ってたと思うけど」
 仁武が華やかな社交の場を得手にしていない事を十六夜は良く分かっていた。
玖苑程ではないにしろ、十六夜もそれなりににこやかにお偉方の相手をしていた筈だ。
だと言うのに、目の前の仁武はまるでデッドマター襲来の知らせを聞いたかのように険しい顔をしている。
「なんだよ、行きがけにからかったことまだ根に持ってんのか?」
 次の瞬間口をつぐんだままの仁武がツカツカと十六夜に歩み寄ったかと思うと、
先刻自分で整えた金糸雀色の髪をガシガシと乱していく。
「ッ……失礼します」
「ちょ、ちょっと待てって」
 盛大に髪を乱しておいて、逃げるように立ち去ろうとする仁武の手首を掴むや否や
十六夜は自分より上背のある仁武の背中をあっという間に自分の胸に抱き寄せた。
「離してください!」
「だ~め」
 腕の中で暴れる体を器用に抑え込み、十六夜が仁武の薄い耳たぶに軽く歯を立てると
ビクッと震えた仁武の体は、ようやく大人しくなった。
……なあ、何であんな事したのか教えて」
 畳みかけるように十六夜が耳元で低く囁くと、ようやく観念したのか仁武が口を開く・
「貴方が……過ぎる……から」ご婦人
「何て?」
「貴方が、格好良すぎるからです!!」
 俯いてぼそぼそと呟く言葉を拾いきれず十六夜が聞き返すと、
勢いよく振り向いた仁武は火を噴きそうなくらい顔を真っ赤にして
やけくそのようにそう言い放った。
「は?」
「貴方を見るご婦人方の目、気づかなかったんですか?!」
 まさかそんな可愛い嫉妬をされていたとは思いもしなかった十六夜は
口元が緩むのを抑えることができなかった。
「わ、笑わないでください」
「悪い悪い……でも、お前さんが仕度してくれたんだろう」
「それは……そうですけど」
 プイっとそっぽを向く仁武の頬に手を添えると、十六夜は逆の手で腕を引っ張りながらソファへと寝転んだ。
「十六夜さん、何をッ」
「なあ……これ外してくんねえ?」
 そう言って十六夜は自分の第一ボタンまでしっかりと止まったシャツと黒い蝶ネクタイを指で突いた。
少し戸惑った表情を浮かべた仁武だったが、長い指で十六夜の蝶ネクタイを緩め、ボタンを一つずつ外していく。
普段執務室でちょっかいを出すと烈火の如く怒る仁武の意外な行動に十六夜は一瞬目を丸くして、それから口の端をつり上げた。
……何、俺の大人の魅力に当てられちゃった?」
「責任……取ってください」
「お任せあれ」
 そう言って覆いかぶさって来た仁武の唇の間に十六夜は舌を滑り込ませる。
「んッ…………

(流石に最後までは……駄目だよなあ)

 自分を見つめる熱っぽい瞳に自制心をぐらつかせながら、十六夜は仁武の体を強く抱き寄せた。