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けーだい
2024-07-10 01:09:12
1136文字
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手指・足指
初出24/4/14 匂わせたい人生だった
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手指
そっと、触れるかどうかの力加減というのは結構気を遣う。それでも細心の注意を払って触れるのは、そうした方が彼女の反応が「好い」からだ。
俺の上に座る彼女の背中に手を這わせ、指先で背筋を下から上に辿るように撫ぜる。その動きだけを繰り返していると、やがてもどかしそうに肩甲骨のあたりを指に押し付けきた。
まるで動物的で、普段の彼女からは想像できない動き。言外に触って欲しいとねだるその貪欲さが堪らなかった。そのくせ、いざそこに触れると嫌がるような顔をするから、なおさら。
無自覚らしいおねだりに応えて尖った骨の先を擽る。爪は使わない。引っ搔いた後は確かに敏感になるけれど、痛みも与えるから嫌だった。長く愛でるにはある程度の冷静さが必要で、そして俺は「痛いけど気持ちいい」なんて鳴く彼女を目の当たりにして冷静でいられるほど、人間ができていない。
じっくりと骨の輪郭を指で味わう。彼女の漏らす息が熱くて、気持ちよくなっているのを感じた。腰を支える掌の下で、熱を持った肌が震えている。それでもこれはおねだりだからと、それだけを繰り返す。
「あ、の」
躊躇いがちな、けれど物足りなさの滲んだ彼女の声を遮って口付けた。本当は他の、もっと直接的に「気持ちのいい場所」を撫でて触って揺さぶって欲しいのだとわかっているけれど、焦れている彼女なんてこんな時くらいしか堪能できないから、まだ動きたくない。
今まで大人しくしていた方の掌に少し力を入れて、胎の中を意識させるようにぐっと身を寄せる。
口の中で彼女の声が、蕩けて消えていった。
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