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ぎん
2024-06-30 17:36:43
2139文字
Public
アオアイク
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恋人らしく
アオアイク 暁月⚠️
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2
「アイツ不能なんじゃねぇのか?」
突然エスティニアンがそんな事を言い始めた。アイツというのはそう、英雄アイクの恋人であり、暁のメンバーであるアオの事だ。
2年という月日を経てようやく目覚め、暁のメンバーとして世界を救う旅にでた。それも少し落ち着いたと言うのにアオは恋人らしいことをしてこないのだ。
「そんなこと無いだろう。きっとアオだって手を出さない理由が〜
…
」
「
…
アオは元々毎日のように娼館に通ってたな」
サンクレッドが此処には居ないアオを庇うが、アイクは過去のアオの行動を思い出し、口にする。別に気にしては居なかったが抱かれたのは出会った頃の最初の一回きりだけだった。エスティニアンはそれを聞いて余計に呆れたような声で言う。
「だって2年寝たきりで目覚めなかったんだろ、生殖機能だって落ちて
…
」
「誰が生殖機能が落ちてるって?」
エスティニアンの肩を掴んで、通りすがりのアオが睨みをきかせる。エスティニアンの顔が少し歪んだので結構な力で肩を掴んで居るのだろう。
「俺は恋人に手出さないお前に呆れてるだけだぞ」
「うるせぇな、お前には関係ねぇだろうが、あと俺は不能じゃねぇ」
お互い睨みをきかせ、下手したら一触即発という空気が二人の間に流れる。エスティニアンとアオは相性が悪いせいか時たまこう言った場面が出てくる。
「落ち着け二人とも
…
全く、どうしていつも
…
」
結局この場をサンクレッドに収めてもらい、解散する事になった。
その場に残されたアオとアイクは、二人顔見合わせ、アオはバツが悪そうな顔でため息混じりでアオは言う。
「
…
アイク、夜お前のナップルームに行く」
「
…
わかった」
日が落ち夜になり、月も高く登り始めた頃、アオに改めてそう言われると緊張すると言うもの。アイクはナップルームでソワソワとアオが来るのを待つ。
扉をノックする音と共に、聞き慣れた声がする。「入ってきて大丈夫だよ」と促せば、アオは扉を開けて、部屋に入ってくる。手には軽いツマミとワインを持っており、アオはアイクに声をかける。
「
…
少し話そう」
部屋の訪問者はそう言うと、テーブルに置いてあるワインに目をやる。
「
…
なんだ、考えてることは一緒か」
「
…
そうみたいだな」
お互い笑みが溢れる。二人きりの時間も久しぶりな気がしてならない。英雄を世界は休ませてくれなかったから。
「それで話って?」
「
…
その、恋人らしいことをしない
……
理由だ」
まさかアオからそんな言葉が出ると思わなかったアイクは口を開けてポカンとしている。ワインを一口飲み、アオはバツが悪そうな顔でふいっと横に向ける。
「
…
悪かった。お前の身体を気遣ってたつもりが気にしてるとは思わなくて」
「気にしては
…
」
気にしていないと言えば嘘になる。少しばかりは恋人らしい事もしたいと思っていた。英雄は休む暇がないから触らないで居てくれた事も理解していたつもりだった。
「
…
本当は今すぐお前を抱いて、ぐちゃぐちゃにして俺の物だと周りに見せつけたいが、そうもいかないだろ」
少し、不貞腐れたような声。そう言って本音を漏らすアオはサングラスを外し、テーブルに置く。
「
…
男同士の負担を理解してるつもりだし、お前を大事にしたい気持ちで触らなかった。英雄なんて箔がついちまったから余計な。キスだってしたかったがそうなると歯止めが効かなくなる気がして
…
」
自分が情けないと漏らす目の前の男に、アイクは愛おしいという気持ちでいっぱいになる。昔アオの親友に言われたとおり、本当に本命には不器用なのだ。そこがまた愛おしくて堪らない。
「アオ」
テーブルから身を乗り出し、アオの頬に手を添えて触れるだけのキスをする。少し驚いた顔をするアオを見て、少し悪戯な笑みを浮かべる。
「俺はいつだってアオに愛されたいよ」
なんて誘い文句を言えば、アオの瞳に火が灯るようなそんな気がした。テーブルの先に居るいじらしく愛おしい恋人を見つめれば、アオはアイクの身体を引き寄せる。
テーブルの上が散らかろうとお構いなしに、アオは引っ張り、アイクを膝の上に乗せ深くキスをする。深く濃厚で苦いキス。お互い舌が絡まり、静かな部屋に響く。ゆっくり唇を離せばお互いどちらかのものかもうわからない銀糸が伸びる。
唇が離れれば、アオは真っ直ぐ、アイクの瞳を見る。アイクの瞳も、何処か期待に満ちたそんな目をしているような気がして、アオは堪らなく嬉しくなる。膝に乗せた愛しい恋人。愛してやまない俺だけの恋人。
「俺の恋人は本当に誘うのが上手くなってしまったな」
「
…
まあ2年も待ったしな」
「
……
今夜はもう、止まれそうにないぞ」
「ん、いいよ」
「
……
本当に久々だからな
…
優しく抱くつもりだ」
「最初抱いた時だって優しかったろ」
アオは嬉しそうにアイクの頬を撫でる。また唇を重ね、お互いの熱を感じながらこれからする逢瀬に期待に胸を膨らませて。
「アイク、愛してる」
「俺も、愛してるよアオ」
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