MN*B
2024-06-20 22:07:47
19824文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

E.7 破鏡 ―鏡映反転―

シリーズ中第21話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。
このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいねを、いつもありがとうございます。
お待たせしました。
今あげないとずっと推敲しちゃうので、勢いであげます。
 今回、長くなったので二つに分けました。それの前編に当たります。
久しぶりに精神的描写が重いのあります。大方、わかりやすい形として『記憶_』の表記あるんで、その単語が出たら、あっ…って感じです。

 そしてこの小説は、また一つの山場を迎えることができました。
今まさに越えている途中になりますが、ここまで読んで頂けていることが本当に嬉しいです。
ありがとうございます。
まだまだ先はあるので、必死こいて文字に落としこんでいく所存です。
 次回、文字数未定です。
一週間から二週間のうちにあげたいと思ってます。
さらにそっちは描写が重たくなる予定です…どちらかと言えば過去編にも近いかもしれません。これが終われば、青嶺過去編はほぼ終了レベルで描写し終わるかと。
いろいろ明らかになっていくんで、書き手としては山場かつ解放感ありますね。
 今回も、今までにこんなセリフあった?ってとこがあるんですが…それは時系列的に、すでに起こっている出来事の中で言われた言葉です。
…つまり何かっていうと、今後そのことについて言及する予定じゃあります。最悪、番外編行きになりますが…。

 
【書き手の独り言】
 息抜きで書いた文にて、伊地知さんにツナマヨおにぎり作ってもらったり、チャーハン作ってもらったりしてました。
もっと伊地知さん書きたい欲が、本編でも若干滲み出ています。趣味です。

2021.6.22 描写ミスあったんで修正しました。というか単語間違ってただけなんで大筋には関係ないです。

#オリ主 #夢術廻戦 #虎杖悠仁 #真人(呪術廻戦)
2021年5月14日 00:10



 七海さんを見送って、しばらくしてから。

さぁ、私たちは私たちのやるべきことをしましょう」

そう言って促してくる伊地知さん。
その彼のケータイから着信音が鳴り始めた。
彼は一言俺たちに断ると、すぐそれに応答する。

「はい。"帳"が!?」

そんな声をあげた伊地知さん。
俺はとっさに集中して音を聞く。告知のない帳?それが下りた

「里桜高校?いえ、こちらは関与していません!」

それを聞いた虎杖が、ハッとした顔をする。

「順平の学校だ!」

その言葉に、俺は思案する。
どういうことだ偶然か?そもそも、誰がなんのために帳なんて

「二人とも待っていてください!状況を確認しだい、七海さんの指示を仰ぎます!」

電話口を押さえた伊地知さんが、焦った様子で俺たちに声をかけてきた。
それを聞いた虎杖は、自らのケータイを取り出しておそらく七海さんへ連絡をし始める。
俺はそれの傍で、成り行きを見守っていた。



「ナナミン俺は行くよ」

「ダメです」

電話で七海さんと話している虎杖。
それ越しに聞こえるのは帳の下ろされた里桜高校には、今回俺たちが追っていた呪霊がいるだろうという予測。

「虎杖くんと聞いているんでしょう、青嶺くんも待機をしていてください」

虎杖は通話を切った。そしてこちらを見てくる。
俺は頷いた。

二人で歩き出そうとしたときそんな俺たちの前に立ち塞がる彼。

「どいてくれ伊地知さん」

虎杖は彼にそう告げる。
それを受けた彼は、私たちの仕事は人助けですと、静かに話し出す。

「君たちは学生助けるべき相手に、君たちも含まれます」

そんな彼の言葉に、俺は思わず口を挟んだ。

俺も止めるんだな」

「当然です。行ってはいけません虎杖くん、」

そう言う彼の横を、虎杖は駆け抜けていった。

「青嶺くん

俺の名を呼ぶ彼に、俺は首を横に振った。
俺にも止められない。かと言って一人で行かせるわけにもいかない。だから俺は頷いた。


 彼の横を通り過ぎるとき、ぽつりと彼から疑問が落とされる。

「子ども扱いが嫌だというのなら、なぜ君はその姿をとるのですか」

それに俺は足を止めて、同じようにぽつりと、その答えをこぼした。

「『俺』という"人格"が死んだときの年齢がこれだからだ。死人は成長しない」

はっと息を呑んだ気配。
そちらへ視線を向けないまま、俺は言葉を続ける。

「俺はアンタらが守るべき存在じゃない。俺に気を遣う必要はない」

俺が足を踏み出そうとしたとき、また話し出す気配がして止まる。

「私はあなたの事情を知っていますそれでも私は止めます。あなたは決して強くない」

強いから行くんじゃない。アンタもわかるだろ」

返答はなかった。
俺は虎杖のあとを追うために、今度こそ足を踏み出す。

「ありがとう、伊地知さん」


音も置き去りにして、俺は外へ飛び出した。







 ケータイをしまいながら、踵を返す。

そういうことなので。ここは任せました、猪野くん」

置いていかれる側の猪野くんは、えぇっ!?と大袈裟な声をあげた。

「何か問題でも?」

数がさぁ、多いよね。しかも人間なんでしょ?」

その言葉に、"だからこそ"こちらへ来る気だった彼のことを考える。
この状態の人間を放っておくことができないから、殺そうとする。それは、歪んだ優しさ、慈悲なのかもしれない本人はそれを"優しさ"とは決して呼ばないだろうが。

 そんな彼は純粋に力不足でもあった。
条件として言いはしたが、あの呪具だけでは苦戦を強いられるだろう。本人に使う気がないのは別問題だった。
しかし呪力を許可すれば、彼は"手加減"ができない以上、数を相手にすれば反動がどれほどのものになるか
 それに私からの質問に、彼は答えることができなかった。
そんな彼を見て、私の判断は間違っていないと確信した。だから連れて来なかった。


「可愛い後輩ちゃんの代わりに頑張ってください」

私の言葉を聞いた猪野くんは、「は!?」とも「え!?」ともとれる、素っ頓狂な声をあげた。

「ちょっそれ、ってかその言い方やめてくんないスか!!騙された俺がアホだったけど!」

確かに素直って意味じゃ可愛い後輩じゃあったんだけど!と彼は、おそらく五条さんへの文句を叫んでいる。
それにトドメの一言を付け加えることにした。

「1級推薦の件、考えてもいいですよ」

あ~もう!頑張るぞーっ!!」

おーっ!と一人で気合を入れている彼を背に、私は先を急いだ。