MN*B
2024-06-20 22:03:13
5957文字
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在り方接し方

この小説は【蠱毒な夢術廻戦】シリーズの番外編です。

13巻読んだとき、ミミナナに「あ~~ッ!!(顔を覆う)」ってなったオカルト好きです。
今回そんな感じで書いた話になります。
宿儺出てますし主題ですけど、台詞ほぼないんでタグつけてません。

一応真面目な話…なんですけど。よく考えたら締まんないですね、というか青嶺にやらせてることそんな気にしてなかったんですが…言い方変えれば、ずっとあ~んしてるってやつでは???
BLというかラブじゃないです許して!!全っ然意識してなかったです!!作業とか介護に近いです!!それはそれでどうなんだって話じゃありますが!!
二人がどういう関係性か明かせるの、書き手としては渋谷事変くらいを想定してます。ちょいちょい小出しにはしますが…!
アニメになってない部分を書くのかってのは迷ってますが、どういう流れになるかは大まかに決まってるんで…。

 

【補足】
青嶺がどういう線引きをしているのか。答えはすでに本編内で描いているつもりです…『余光』と『死赦處生』ですね。
五条さん的には「理不尽に理不尽を返しても構わないんじゃないの~?」って感じじゃあります。呪術師ですから。

青嶺が五条さんと話した内容(E.4にて)は、恐怖の対象が宿儺ではないんです。気にするとこがそれってのはどうなの?って話ですね。本人的には重大じゃありますけど。
(この話は【裏】でやってますが)呪術師からすれば正直、青嶺より虎杖もとい宿儺のほうがヤベー存在ですし。

あと、理不尽に対し正当で返そうとするのは、それこそ人の秩序ですよね。



#オリ主 #夢術廻戦 #虎杖悠仁 #五条悟
2021年4月23日 01:35



「逕庭拳。なかなか狙ってできることじゃないよ」

「かっけぇ!!」

そんな感じのやり取りをしていて、お互いの動きと話が途切れたとき。部屋の隅にいた青嶺が控えめに主張をしてくる。

ちょっと時間いいか?」

それを聞いた五条先生は、パッと顔を輝かせたような気がした。

「いいよ、ちょうどいいし休憩しよっか。ってかなんか準備してるのずっと気になってたんだ~」

えっ?準備って何?
居たのはなんとなくわかってたけど集中してたからか、全っ然気がつかなかった
五条先生、俺を相手にしててもまだまだ余裕ってこと?マジか

「訓練の邪魔するつもりはなかったが

申し訳なさそうに言った青嶺に、そーいうことじゃなくてね?と五条先生も困った顔をした。

「あ~こう言えばわかるかな。ワーイ!おやつだ~!!僕の分も当然あるよね~!!」

集中しろよ」

「行ったり来たりしてたの衛じゃ~ん」

それに、ンっと黙りこむ青嶺。
そんなに移動してたって、確かに妙に物が多いような。
一画に準備されているお茶やらが、小山のようにも見える。お菓子っぽい箱が二つも積んであるせいかな。

ってもしかして、俺の分もある!?」

俺が勢いよく尋ねれば、一応なと彼は頷いてくれる。

「やったー!!」


 いそいそと二人して、青嶺のほうへ近寄っていく。
ここで食っていいのかな?と思いながら床に座れば、それを察したように青嶺が、夜蛾学長に話は通してあると喋った。
手回ししてある~、っつーか学長と仲良かったりすんのかな。
俺がそんなことを考えてる横で、五条先生が青嶺に話しかけている。

「衛ってお茶淹れるの趣味なの?無趣味よりよっぽどいいけどね」

「趣味、というより今回は目的ありきだからな」

目的?
お菓子の包装を解いていた青嶺は、こちらをジッと見て話した。

「虎杖には悪いが、しばらくの間極力動かないでいてもらいたい」

彼の視線は、どちらかといえば俺の目の下あたりで。
えーっとそれってつまり

「両面宿儺をお茶会に呼びつけるって、なかなかに豪胆だ」

どこか感心した風に言う五条先生だった。
せんせー。たぶんこれ、俺らはついでだと思うよ。




 薄暗い室内。
柱の途中にある窪みで、ロウソクについた炎が揺らめいている。

サングラスを外した青嶺は、俺の横顔に向き合うようにして座っていた。
今回に限っては手じゃダメらしく、俺はしばらく身動きできなくなるっぽい。
五条先生がそんな俺らを眺めるなか、青嶺は口を開いた。

「宿儺」

その声に呼応するように、頬にある眼が開き、口が出てきたのがわかった。
双方とも、何も言わず沈黙していた。かと思えば、しばらくして青嶺がまた口を開く。

「アンタ、恵を殺すつもりだったらしいな」

その言葉に、俺は少し身体を揺らす。
だがそれも気にならない様子で、二人の雰囲気は揺らがなかった。

だとしたらなんだ?」

「別にそれを責めるつもりはない」

「はぁ!?青嶺、なんでだよ!!」

彼の話に、思わず声をあげてしまう。
でも当然だろ何を思ってそんなことを言えるのか、青嶺のことがわからなかった

 話に割りこんでしまったが青嶺は特に気にせず、俺のことを見て尋ねてくる。

「虎杖、宿儺をなんだと思ってる?」

「なんだと、って呪いだろ?」

それはそうなんだがと彼は呟いて、目を伏せゆっくりと息を吐いてから、静かに話し出した。

これは俺個人の考えで、呪術師としての意見じゃない。だから、俺はそう思ってるだけってのを念頭に置いて聞いてくれ」

彼はそう言って、五条先生のほうをチラリと見たあと、また俺に視線を戻した。

「彼を人の理屈、ルール、理で縛ることはできない。もちろん、人が作った法に従うような存在じゃない」

「それこそ世界の捉え方が違う。責めるというのは見当違いで不毛だ」

青嶺は視線をズラしてきっと宿儺を見た。

「アンタは気まぐれで人を殺すだろうし、見逃すこともあるだろう俺もそうなっただけだと思ってる」

言われた側の宿儺は黙ったままだ。
返事を待ってはいなかったのか青嶺はまた俺に視線を戻してから、そのまま話を続けた。

「決して安易に利用できる存在じゃない。何かを差し出して初めて、話ぐらいは聞いても構わないって思ってもらえるかどうかって相手だ」

「聞いてもらえたとしてその後、一考するかも怪しい。人ならざる者ってのは、そういうもんだと俺は思ってる」

人ならざる者呪いのことでもあるけど、彼が言っているのはきっと、その"呪い"を知る前のイメージでもある。幽霊とかよりも、妖怪とか神さまとかその類。
言いたいことはなんとなくわかる。こちらが何かを頼んだところで、言うことを素直に聞いてくれる相手じゃないむしろその逆。悪魔みたいな奴だ。

「交渉の場につくためにすら、それなりの対価が必要になる。今回は交渉ってわけじゃないがまぁこれは、それの対価だ」

そう言いながら青嶺が示すのは包装から出された茶菓子、羊羹。
ちょっと納得しかけたけど、それでいいの?すっごい真面目な話だと思うんだけど、差し出すの羊羹だよな?宿儺なんにも言わないけど。

 俺が困惑している間に青嶺は、話を戻すぞと言って、俺から視線を外した。

恵を殺そうとした件について、俺は責めるつもりはない」

彼は話しながら、準備していた羊羹を手に取って、俺の頬つまり宿儺の口へ持って行く。

「責めるつもりはないが

……
目を少し細めた青嶺は、手早くでも確実に、羊羹を休みなく運んでいく。

……怒ってる。それを伝えるために、今こうしてる」

宿儺の口に羊羹をエンドレスで押し付けている。
わんこそばならぬ、わんこ羊羹。いやでもお椀に入ってないから、結局エンドレス羊羹

「さっき語った理屈と、俺の気持ちは別だからな」

青嶺は、しれっとした態度でそう言い切った。

「これは対価であり、ささやかながらの気持ちですが、お納めください」

キレてるよなこれ
言葉だと礼儀正しいけど、ドスのきいた声だからめちゃくちゃ怖い。
絶対『ささやか』な気持ちじゃない!

「わざわざ通販で頼んで、やっと届いたなんか良いやつです。残されても困るんで、ぜひ食っていただけませんか」

言葉が崩れ始めた。本音出てる。しかも押し付けてる。
サングラスない顔で言われると、圧迫感がある。すごい圧が強い
かけてるせいで雰囲気が怖くなるはわかるんだけど、ないほうが威圧感でるってすごくない?むしろ和らいでた、まである?
今の雰囲気のせいもあるだろうけど

………

宿儺が今どんな感じなのか、俺からじゃ全くわかんねー
たまにお茶差し出す辺り、気が利いてるのかこの程度で終わらせねぇって意志なのか。
揃えられた羊羹をよく見れば、小分けにいろんな味が入ってるタイプだ意地でも全部食わせてやるって感じがする。気遣いなのかなんなのか、もはや不明。

困って五条先生にヘルプを求める視線を飛ばすが
……青嶺が持ってきたもう一種類の茶菓子、最中 もなか食ってる
餡子尽くしだ、これもし宿儺が羊羹食べきったとしても、さらに押し付ける気だ



言っちゃえば俺は育ち盛りの男子高校生、それも運動したばっか。しかも用意されてるお菓子は、なんかよくわかんないけど良いとこのヤツ
正直言えば、めっちゃ食いたいんだけどっ。

「なぁ俺の分ある?」

一応あるとしか聞いてないけど
そっと伺えば、そうだなと軽い声で言う青嶺。

「どれくらい残るかは宿儺次第だ」

「宿儺ギブアップして!俺の分残して!」

俺は思わずそう騒ぐものの宿儺からの返事はない。ってかできるわけないって感じ。



延々と羊羹を口に運ばれ続けているであろう宿儺。
嫌になったら素直に引っこんでくんねーかな~!!

「怒ってるのに、おもてなし状態だから厳しいんじゃない?」

俺らを黙って見てた五条先生が、ここになってやっと口を開いた。
しかも、ってか怒ってるの?不機嫌がいいとこじゃんとまで言い始める。
あーまぁ、五条先生が釘崎のスカート履いてたときに比べたらマシって、比べる対象!!
いや今回もちゃんと怒ってるのはわかるんだけど、表現というか提示の仕方がおかしい

そう思った俺の思考を読んだかのように、青嶺がこちらへ話しかけてくる。

「感情的に伝えたところで無意味だ。だから行動で示してる」

「もっとなんかあるでしょ?目に蜜柑の汁飛ばすとかさ」

代案内容がしょぼいわりに、えぐい。
それに俺が巻き添え食いそうだからやめて!

青嶺はどう言ったものかという風に、顔をしかめながら緩く息を吐いた。

「人を殺そうとしても恩があるのは変わんねぇ。特級も祓ってもらってる。でも気持ちで納得できないことがあって、それの落としどころがこれになっただけだ」

「わかってくれとは言わない。憶えとけとも言わない。今聞いているなら、それでいい」

俺の気を済ませたいだけだからな。
青嶺はそう締めくくって作業を続けた。

線引きをしていながら、どこかそれに温度を感じたのはそれこそ納得できてないことがあるからか。
ちょっと不思議な感じだった。