MN*B
2024-06-20 01:23:52
6741文字
Public 二次創作単発:pixivバックアップ
 

伊地知さんと彼女は付き合い始めたみたいだけど、すでに外堀が埋まってるってよ。

これ→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14475834の続きです。
たぶんこれ単体でも読めなくもないかと。
ホームレス系彼女と、伊地知さんの話。
ネームレス夢主、愛され、夜蛾学長が親バカ…などの要素があります。
原作との設定違いなどあったらすいません見逃してください、相変わらず勢いで書きました。
出てくるキャラは、前回と同じプラス友情出演の七海さんです。
伊地知さんはいいぞ!!
【読了後にどうぞな独り言】※荒ぶってます。
  はい!くっついた~!!!完!!!!!
前回の時点で設定聞いた知り合いから「これ二人の性格的にまだくっついてなくない?」と言われて…確かにこの流れは簡単にくっつかねぇな!!!と気づきました。
めっちゃギャグで書いてて楽しかったのに、最後で頭抱えて呻きながら書くはめになるとは思ってませんでしたよ。
伊地知さんはな!!!告白のときに!!抱きしめたりキスしたりはしない!!!!わかる!?!?!?(過激派)
たぶん後日、携帯電話契約しに二人でお出かけするんじゃないですかね。盛り込めなかった要素ですけど。
伊地知さんは息抜きにとてもいい…癒しですね。
 途中の虎杖&五条先生のターンについて。
伊地知さんの身長がわかんないんで、小説内での位置関係…あれが成り立つのかわかんないですけど、虎杖くんが背伸びしたり飛び跳ねてたりすると確実にできてると思って書いてます。アーヨスヨス
追記:コメント、スタンプありがとうございます。
   何式で結婚式あげる二人かわかりませんが、人前式だと大荒れの予感がしてワクワクしますね。
   こちらこそ、この小説を読んでいただけて感謝しております。読んでくださっている時間に、花を添えることができて嬉しいです。
追記2:閲覧数が1000、ブックマークが100超えました…ありがとうございます!

#伊地知潔高 #夢小説 #夢術廻戦 #夢術廻戦100users入り
2021年2月10日 20:22



 日が暮れて、暗くなってしまった空を見上げた。
背後には煌々と光るコンビニの明かり、手元にはいつも彼女のところへ持っていく差し入れが袋の中で揺れていた。


 私は物凄い思い違いをしてしまっていた。
彼女からの「付き合って」は、本当にその、交際の申し入れだったのだ。
しかも、彼女へ思い余って言ってしまった私のプロポーズへの返しである「夜蛾学長に聞いてみるね」は、そのままの意味で、本当に尋ねてみるという意図だったらしい。
 その事実を家入さんから聞かされたとき、宇宙空間に突如放り出されたかのような感覚を覚えた。
彼女はどこか世間知らずな部分があるとは思っていたが、それを助長させていたのは親代わりの夜蛾学長であった
 今時彼女くらいの年齢で、人からの告白を親に報告するというのはないだろういや、これは親子共々変わっているのか。
おそらく夜蛾学長が思っているより親子っぽくなっている二人に気がついてしまい、苦笑いが漏れた。





 彼女の家代わりになっているコンテナの上に、月明りで照らされた女性が座っていた。
久しぶりに見た彼女は、相変わらず子どもっぽく足を揺らしながら、楽しげに空を見上げていた。

「お久しぶりです」

下からそう声をかけると、彼女はパッとこちらの方を向いて、花が咲くように華やかに笑った。

「久しぶり、伊地知さん!今日はなんとか流星群だって」

「そうなんですか」

とりあえず星がいっぱい降るって聞いたよ!と笑いかけてくる彼女に、思わず笑みがこぼれる。
いつもと変わらない様子に安堵と不安を抱えながら、コンテナの上に登った。
これ、差し入れですと差し出す袋を、彼女はまた嬉しそうに受け取った。

 自分もいつも通りを心掛けながら、彼女の隣に腰掛けて空を見上げる。
空は雲一つない晴天であったが、月が満月かそれに近い形をしていたこれでは流れ星が流れても、月明りに紛れてしまうだろう。

月が明るくて、流れ星は見れないかもしれませんね」

「あ~たしかに!いつもより星が見えにくいなぁって思ってたんだ~」

しまった思わずネガティブなことを言ってしまったことに気がつき、彼女の方を横目で覗いた。

「でも月が綺麗だからいいや!」

そう言って彼女は笑うと、私の方を見た。
それに気がつかないフリもできず、私も彼女の方を向いた。

「伊地知さんは流れ星の方が良かった?」

いえ。私も今夜の月は綺麗だと思います。それに、流れ星も同時に見れないと決まったわけじゃないですから」

「そっか~。見れるといいよね」

「そうですね」

話が途切れ、彼女はまた空を見上げた。
どうすればいいか分からないまま、私も彼女と同じように空を見上げた。


 意気地なしの自分には、彼女へ勘違いしていたことも切り出せず、かと言ってそのままなぁなぁで流されることもできなさそうだった。
あの日、思い余って言ってしまった時と似たような空を、その時とは違う心持ちで眺めた。

いつもなら心地よい静けさが、今の自分にとっては心をざわつかせて仕方がない。


 話すべきか否か、話すにしたって何を話せばいいのか迷いながら、タイミングを探っていた。
何を話すべきか決めきれないまま、口を開こうとしたとき、

「あっ!流れた!」

彼女は立ち上がって、空を指差した。

「伊地知さん、流れ星見えたよ!また流れた!」

そう逐一報告を入れながら、嬉しそうにする彼女を見上げた。
流れる星よりも、明るい月よりも、彼女の方が眩しくて見ていたかった。

「ね!伊地知さんも、立った方が空が近くなってよく見えるよ」

言われるがまま立ち上がり、彼女と肩を並べた。
何も言わないで、ただ彼女のことを見つめていた。
彼女はそれに気がつかないまま、喋り続けていて

「伊地知さんは見逃しちゃった?でもまだ流れると思うから、一緒に

そして、私の視線に気がついた。
彼女は不思議そうにしながら、それでも私に笑いかけた。




あぁ、やっぱり。
彼女のことが、どうしようもなく好きだ。




「私と、結婚を前提としてお付き合いしていただけませんか」



 月明りと流れ星が降り注ぐ夜空の下。
彼女は頬をバラ色に染めて、微笑みながら頷いた。

それは大輪の花が、その花びらを開いた瞬間のようで。
手折ってしまわないように、そっとその手を取った。



「あなたが好きです」