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匣舟
2024-06-18 20:58:51
13289文字
Public
東リベ
Utopia for me is you.
最終決戦後のまた一人で🎍がタイムリープをした
謎世界線の話です。自分でもよくわかってないので大目に見てください...(?)(🥥くんだけが🎍のことを思い出す世界線です。
※キャラの死ありなので苦手な方はお控えください。
1
2
3
ふたりでいればそこが楽園
「オレさぁ、一くんってずっと現実主義者だって、思ってたよ。」
「はァ?それ今言うことか?喧嘩なら買うぞ?」
「負けるのオレだってわかって言ってますよね!?」
「そりゃそうだろ」
「ムキー!!」
寂れた教会の教壇の前でタキシードを着たふたりが向かい合っている。教会内にはふたり以外の人は見当たらず、少し寂しそうな雰囲気だが、ふたりはそんなことを気にする素振りも見られなかった。いつしかあだ名のようなもので呼びあっていたふたりが、名前で呼び合う仲になっている。
…
それだけあの日から年月が経ったということだ。
「現実主義者なら、オレに付いてこようとしませんって。」
「あーやっぱり喧嘩を御所望?ヤるしかない?」
「そーじゃなくて!さ!」
「
…
タケミチには悪ィけど、その類のハナシ、聞き飽きたワ。」
「オレは!真剣な!話をしてンの!」
「至って真剣に言ってンだけど?」
「
…
だってぇ、本当にいいの?」
オレで。と涙ぐみながら喋る彼の左手の薬指にはきらきらと輝くアクアマリンの指輪がはめられている。まるで、彼のきらきらと輝く瞳のように。涙ぐむ彼の隣に立つ男は、彼より少し背が高くなったみたいだ。
「
…
まーだ気にしてンのかよ。だから、オレはオマエを選んだって言ってるだろーが!」
当然のように彼の涙を拭いながらはァ、と溜息を吐く彼の左手の薬指にも同じ指輪がはめられている。
「そ"う"だげどぉ
…
」
「じゃあなんだ、さっき愛を誓い合ったのにオマエはさぁ、そんなオレに浮気しろって言ってンの?オイオイ冗談でもそんなこと
…
」
「
…
ぢがう"げどぉ
…
!!」
あーあ、きったねぇな、とタキシードのポケットに忍ばせておいたであろうハンカチで彼の涙を拭いている。汚いと言いながらハンカチで彼の涙を拭う姿は流石数年も一緒にいたのか様になっている。
「
…
まあ、確かに、赤音さんはオレの全てだったよ、オレのユートピアには必要不可欠な人だった。イヌピーも。ふたりが居てこそ、オレの世界が成り立ってたし、色づいてた。」
「ユートピアって
…
?」
「簡単に言ったら理想郷」
「
…
ふーん?」
「分かってねェな
…
。まあ、それはかつてのこと。
…
今はオマエ、タケミチがオレのユートピアに居ないとダメ。タケミチが居てこそ、オレの世界は成立すンだから。オマエがいないともうオレはきっと
…
いや絶対生きていけない。」
だから、オマエといる時は現実主義者じゃなくてもいい。夢想家だって罵られたとしてもいい。だって、オマエと一緒なら実現できないことなんて無いだろうからな。と自信満々に言い切る彼の瞳はこれからどんな事があっても、一緒にふたりで生きていくという決意に満ち溢れている。
「
…
はじめくん、めちゃくちゃかっこいいじゃん
…
」
これがオレの旦那さんなの
…
?と惚気ける彼に、そうだよ、お嫁さん。と返す彼は幸せそうにはにかんだ。カフェオレに砂糖を混ぜたかのようななんともいえない甘ったるさに惚気けるのも大概にしろよとでも言いたくなるが、ここにはふたりしかいないので、そんな場面を邪魔するものはいなかった。
「なァ、とりあえず世界一周でもハネムーン旅行にでも行くか?」
「スケールがでかいんだって!国内旅行でいいよ!」
「
…
どうせなら思い出に残るほうがいいだろ?」
「
…
はは、バカだなあ、はじめくん。」
「
…
やっぱり新婚早々拳で喧嘩するか
…
?」
「
…
バカにしてる訳じゃなくて
…
!いやバカにしてんのか
…
!あぁ!もう!とにかく!キミとならどんな事でもいい思い出だからって言いたかったの!」
「
……
じゃあとりあえず全国制覇旅行にする。」
「
…
だーかーら、なんで全部!?てか、暴走族ノリやめな!?」
「じゃあ行くぞ〜」
「オレの話きーいーてーる〜!?」
そんなどうでもいい言い合いをしながら手を繋いでふたりは寂れた教会を後にする。
…
今から国内旅行になるのかそれとも海外旅行になるのかはあの二人にしかわからない。
二人の左手の薬指にはめられているアクアマリンの結婚指輪が、二人のこれからの幸せを保証するかのように光り輝いていた。
おわり
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