ぎん
2024-06-13 16:13:48
780文字
Public うちの子話
 

呪われたエレゼンの青年と妖精の旅 ①





11年前、シャーレアンの賢人が禁呪に手を出し逃げ出した

17の自分に下された命令はこうだ

『元賢人の彼を、捕縛して大罪人として処分しろ』

追いかけて、追い詰めて。あと少しだったんだけど

「これは呪いだよ、オレの事を追うから悪い。君達の命は5年だ。5年にはその呪いが全身を蝕んで死ぬ」

その言葉に、絶望した
シャーレアンに帰り、逃した事を伝えても命令は変わらず捕縛しろ、という事だった
仲間は絶望し、数人は自死し、仲間は解呪に必死になり俺以外は5年後亡くなった

俺だけが生きている

『どうしてお前だけ、そんなに呪いの進行が遅いんだ』『お前だけ生きるのか』『死にたくない、方法を教えろ』

知らないよ、そんなの。知らないんだと伝えても
『嘘つき』『学者なら何かわかるだろ』『自分だけ生きたいだけだろ』
と仲間は俺に罵声を浴びせる




どうして進行が遅れたのか、理解できた時には仲間は既にこの世にいなくて
俺と妖精だけが此処に残った

俺が生きているのは 彼女がずっと俺を守っていたから

「 大丈夫だよ 」

と言いたげに俺の頬を触る彼女を見て、この呪いを断つ為に旅をする


ーーーー

あれから11年。身体の呪いは半身を包み、左の胸に刻々と近づいてくる
毎日が苦しくて、痛くて。でも誰かがこの呪いを断ち切ってくれると信じて旅をする

俺はまだ生きていたい。死んだ仲間の為にも。彼女が俺を生かしてくれている限り


ーーロジェ・ルロワは生きてる。だから、今日も旅をする


「最近耳にした腕のいい占い師さんが解呪もしてるって聞いたから行ってみようか」
肩に乗る彼女に、笑って話しかけて宿を出る


行こう、この呪いと共に。生きてる限り、歩みを止める事はないのだから