ぎん
2024-06-13 16:00:19
1396文字
Public アオアイク
 

ヒカセンの想い人は大変だ

アオ×アイク



アレンはため息をつく。自分の酒場で、目の前で浴びるように酒を飲む男がいる。
飲み過ぎだと注意しても聞く耳すら持とうとしない。
目の前の男ーーーアレンの親友のアオは、不貞腐れながら目の前に出された酒のつまみを食べながら酒のおかわりを要求する

「ねぇアオ、次は何したの。喧嘩?浮気でもした?」
「フン……

このモードになったアオはとにかく面倒くさいのだ
幸いまだ開店したてでお客もいないし
給仕をしていたギンに目配せで『英雄チャンに連絡入れて』と伝える
『はぁ?まじ?』と明らかに嫌そうな顔でギンは外に出て行く
彼が迎えにくる前に、この男を片付けないといけない
そう思い、アレンも自分のグラスにワインを注ぎ、カウンターから出てアオの横へ座る
一口、ワインを注ぎ込み、親友のお悩み相談に乗ってあげるとした

「英雄チャンも人たらしだからなぁ〜」
「知ってる」
「ギンもいつのまにか仲良くなってるし」
「気に食わん」
「君の事ばっか見てたのが懐かしいね」
「今も俺だけだ」
「彼自身優しいし」
……俺だけだと思ったのに」

ハッとアオが顔をあげる、アレンはニコニコ顔でアオの顔を見ている

「吐き出しちゃいな、ここで。」

アレンも大概人たらしなのだ。少しバツが悪そうにしながら親友に相談する
ヴァレンティオンデーの日の話を

一通り聞き終えた後、アレンは腹を抱えて笑っていた

「嫉妬深いにも程があるって、あは、あははは」
「五月蝿い。俺が期待したのが
「あー、可笑しい。愛されてるね、アオ」

そう言って、テーブルの上にある自分のワインを飲み干し、横にいる男の顔を見る

『愛されてるね』

そう言われると思っていなかったのか、アオは少し驚いた顔を浮かべて、フッと笑った

(彼の話をしている時、昔みたいに柔らかい顔になってるの気が付いてないんだろうなぁ)

「バカだなぁ、女取っ替え引っ替えしてた癖に本命に対してだけ恋愛下手くそなの?」

意地悪そうにアレンは笑う
バツの悪そうな顔して、アオはアレンを見る

「それは、過去の話だ」
「あははは!違う違う!ちょっと鈍感もほどほどにしてよ」

そう言って、アレンは席を立ち上がると
カウンターの先にある厨房に戻ってポイっとアオに何かを投げ渡した

綺麗にラッピングされた、小さい箱

「それ、俺が作って売りに出してるやつ。持ってきな。中身は酒入りだからアオも食べれるでしょ」

そう言って、カウンターのテーブルから顔を出して、アオの口にチョコを押し入れる
その行動に驚いたのか、少しだけ目を見開いてこちらを見る


「頑張れ、英雄の彼氏サン。ほら、迎えが来たよ」

酒場の扉が開く、少しだけ息を切らしたアイクが、こちらを見ている
スッと席を立ち上がり、テーブルにお金を置いて彼の元へ行く

「次は2人で飲みに来てよ〜」

そう言って2人の背中を見送った