ぎん
2024-06-13 15:16:15
1651文字
Public うちよそ話
 

転がり込む親友

アオ×アイク+アレン



アオはよく、夜に窓を開けている
潮風が好きなのかなとそのまま触れないでおいた
いつものようにアオはこの部屋には居ない
部屋の照明を暗くして、寝て明日に備えようとした時だった

ドン、という鈍い音
窓辺にしゃがみ込んで月明かりに照らされた黒い影
何事かとベッドから飛び起き、アイクは窓の方を見た

あたりが血生臭い。潮風と共に、鉄の錆びた匂いが部屋に流れ込んでくる

ふらり、と急に部屋の中に転がり込んで来ては、倒れるように床に寝そべった

「アオ、は?居る?」
「アオなら、今ここに居ないけど

そう伝えると、床に寝そべった男は何処かに連絡を取る

数分もしないうちに、服が乱れながらもドタドタと物凄い音を出しながらアオが部屋に入ってきた

「お前ってやつは!!!」
「あはは、アオなんて格好してるんだ」

あははじゃない!とアオは床に寝そべった男を踏みつける

「いたたた、そこ踏んだら痛いって。俺結構重傷だよ?」
「五月蝿い、黙れ。俺は包帯を取ってくる、アイクはこいつの仮面をとって服を脱がせ」

アオは乱れた服を直しながら、また部屋を出ていった。宿屋の人に応急セットを分けてもらうためだろう

アイクはそっと、男の仮面に手をかけた

「顔見たら、後悔するよ」

その言葉に、ビクッと身体を跳ねさせる

「はは、冗談。ごめんね驚かせて」

その言葉の言い回しに覚えがあった。ウルダハに行けば必ずアオが通う店
アイクも幾度となく連れて行ってもらった

そっと仮面に手をかける
その先には見知った顔。出血量が多いのか、ちょっとだけ顔を青くしたBARの店長

「アレンさん?」
「せいかーい。」

へへへ、と笑うアレンはいつもカウンター越しから見てるあの笑顔で
自分の頭はますます混乱するばかりだ

「オイ、なにがあった」

アオが包帯を抱えながら部屋に入ってくる

「あ、アオ。いやさー、なんか油断しちゃって」
「フン、情けないな。兄弟子がそんな様子じゃ、俺の顔も立たないじゃないか」

アオはテキパキとアレンの服を脱がしていく
アレンの身体は傷まみれで、あちこちに深かったであろう縫い合わせた跡も残っている

「アオだってよく俺の所に転がり込んできたくせに」
「黙って傷の手当てされろ」
「いたたた、わざと傷抉らないで」
 
アオは蝋燭の火で針を炙り、傷が深そうな所を縫っていく

「アオ、医者に見せた方が」

アイクがそう口を出そうとすると、アレンが静止させる

「いいんだよ、俺の正体がバレちゃうから。そうするとアイツらに被害が出ちゃう」

痛みと戦いながら、優しそうな笑みを浮かべる

「俺もそう思うが、コイツはいつもこうなんだ。死にたがりなんだよ、コイツは」

アオはそう言うと、黙々とアレンの傷を治療していく
ガンブレイガーは多少の回復技も使えるが、深い傷は塞げない

「あー、多分、大丈夫。ちょっと眠くなってきた。出血量、多かったかも」
「そうだろうな、一度寝ろ。俺が見といてやる」
「あー……。助かる……おやすみ、アオ」

ぐーー、と寝息をたててそのまま床に寝る
アオはベッドにアレンを運び、そのまま窓辺に向かう

「アイク、お前も寝ろ。今日の事は黙っておけ」

そう告げるとアオは、窓際に座り、キセルを取り出し月を見はじめる

きっと怪我した親友が窓から転がり込んで来るのを知ってて毎晩開けているのか。そうなのかな
わからないけど、アオは優しい人なんだなって、そう思った


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初めてアイク目線で物語を書いた気がします!