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ぎん
2024-06-13 15:11:42
1807文字
Public
うちよそ話
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雨の日のみんな
BARのいつものメンバーである6人の話
1
2
「クガネにはな、恐ろしい話があってさ、実は鎧を着て彷徨う霊の存在がいるらしいんだよ。夜中3時になると転魂塔広場をフラフラと
…
その姿を見たら首が伸びてきて、『見たなぁ〜』って
…
」
「ぎゃーーーーー!!!!!」
ギンの声が部屋中に響き渡る
アイザックはギンの反応に嬉しそうにゲラゲラと笑う
ギンは前からこの手の話は苦手なのを理解しているが、何度見ても面白い
耳や尻尾は垂れ、涙目になりながらロアに抱きついている様子は滑稽だ
「ザックもうそれぐらいにしときなよ」
リンドが呆れたようにテーブルを囲んで談笑するアイザック達にコーヒーを入れる
ロアは次の話!とアイザックを急かし、ギンはもういい!と耳を塞ぐ
外は何年かぶりの豪雨で、なにとやることがなく持て余している彼らにとっては、この手の話はよく聞く話題で
ギンはこの手のホラー
…
怪談話は苦手だが、ロアは肝が据わっているのか目を輝かせて聴く
「いやだって、こんな反応されたら面白くてよ」
アイザックは二人を交互に見ては笑いを堪える
「ザックの馬鹿、冒険話するって言っておいてその手の話はやめろって何度も言ってるだろ」
冒険に憧れが強いギンやロアは、アイザックやリンドからよく二人の話を聴く
そしてもう一人
…
ゼルードゥは興味なさそうに窓から外を眺めているが、リンドが飲み物の話題を振ると、こくりと頷く。アレンの家で居候するギンロアと一緒で、此処に住んでいる無口なアウラ族だ
「ったくよ〜、こんな雨じゃなきゃさっさと
…
」
ピシャーンという音と共に周りは静まり返る
近くに雷が落ちたのだろう、流石のロアも大きな音にびっくりしている
「流石に
…
今の音はびっくりした
…
ね
…
?」
リンドがそう言って、目の前の光景に苦笑いする
「
……
おーい、ギンちゃんー?」
ザックは笑いをおさえながら、目の前の物に話しかける
怖い話をしたせいもあって大きな音に過敏に反応してしまい、ブランケットに包まり尻尾だけ出てる丸まった生き物が目の前で生まれていた
「ギンが謎の生き物になったのにゃ!」
「うるせ〜!!!!」
丸まったブランケットから顔を出して訴える
「全部ザックのせいだ!!全部」
ピシャーン!とまた雷が落ちると同時に
一斉に部屋のライトが消えた
「
…
停電か?」
「真っ暗にゃー!なんも見えないのにゃ!」
「みたいだね、ちょっと蝋燭取ってくる」
そう言ってリンドが灯りをとりに離れると同時に
ぴちゃ、ぴちゃ、と水音も聞こえる
外の豪雨の音では無く、部屋から聞こえるのだ
「おーい、リンド?キッチン水出しっぱなんじゃねーの?」
アイザックが声かけてもリンドの返事はない
なんだよ、ふざけんじゃねーって思って立ち上がろうとした時だった
暗さに慣れてきて、自分の後ろに誰かが居る
今まで気配に気が付かなかったけど、誰かいるのだ
恐る恐る振り返ると、ぽっと蝋燭の灯りが灯る
「見たなぁ〜?」
不気味な声と共に、びしゃびしゃの男
「
…………
」
「あ、アレン。おかえり」
ゼルが声に反応して、名前を呼ぶ
と、同時に部屋のライトが灯る
目の前には雨に濡れて、びしょびしょの家主
「ただいまー、みんな。BARは早めに閉めてきたけど
……
ん?ザック?」
「
……
おめーは気配消して俺に近づいてくるのをやめろや!」
びしょびしょの頭に畳んであったタオルをぶつける。若干八つ当たりを込めて
「えー?折角こんなびしょびしょに濡れてるから、今話しかけたら雰囲気出るかなって」
「ザック驚いた顔してたにゃ」
アイザックは、目の前のお茶目な男に対してぐりぐりと拳を押し付けてるし、ゼルは駆けつけてアレンにタオルを渡して身体を拭く
リンドもブレーカーを上げてきたのか、部屋に帰ってくる
「で、だいぶ静かだけど
…
その丸まったものは生きてるの?」
アレンがそう言って、目の前の丸まった生物に目を向ける
アイザックがそろーっとブランケットを剥がす
「
……
気絶してる」
目の前の気絶したミコッテを見て色々とやり過ぎたな、と大人たちは反省する
「ギン、情けないのにゃー」
ロアはつんつんと、気絶したギンのほっぺをつっついていた
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